カナダが被災地に木造施設を
カナダ政府やカナダの林産業界が、震災被災地で学校などの整備を支援するため、450万カナダ・ドル(約3億4千万円)を拠出すると発表している。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111111/fnc11111113130012-n1.htm
林産業界が関わっている通り、整備する施設にはカナダの木材を使ってもらうことを期待しているようだ。
もちろん、有り難い話だ。ヘンに勘繰ったり、ひねくれた見方をしてはいけない(^^;)。
かし同時に巧いなあ、と思う。被災地支援なのだから、感謝されるとともにカナダ木材の売り込みにもなるのだから。
被災地では、林業地の被害はたいしたことなく、もう回復したようだが、肝心の製材や合板工場がかなり津波にやられた。再開にこぎつけた工場もあるが、もはや閉鎖を決めたところも多い。おかげで、東北の木材の持って行き場がないという現象が起きているようだ。
だから、カナダ木材を使うことに関しては、文句付けにくいし、痛し痒しというか素直に喜びましょう……。
本当は、日本の林産業界も、こうした発想を持ってほしい。援助はかなり行ったようだが、ビジネスも結びつけてウィンウィンの関係を築く仕掛けがほしい。
たとえば、どんどん東北木材を引き受ける工場が全国に現れてもいいと思う。遠路のコストはかかるが、将来を見据えると、ここで関係を強めておく価値はあると思うのだ。
また海外に手を延ばす可能性もないだろうか。タイの大水害の対応に日本の木材を使う手立てはないものか。トルコにも大地震が起きている。
営業ルートやロジスティックは、急に作れるものではないから、こうした機会にコツコツ積み上げないとね。
※Amazonを見ると、『日本人が知っておきたい森林の新常識』の在庫がなくなっている。ということは売れているのか? 私には実感がないのだが。いや、今日も覗いた書店で拙著を発見できなかった。『日本人が知っておきたい森林の新常識』はいずこに。
おかげで拙著の売上順序は、『森林異変』の方が先に来たぞ。
これも、出版元のロジスティック問題が出ているかもしれないなあ(笑)。店頭に商品がなくなったら売れるものも売れない。まさにチャンスロスだ。
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>出版元の問題
そういえば、ある漫画の「打ち切りからの奇跡の増刷」という
実話を見ると、「商機の損失」や「チャンスロス」などの問題と
それに対する一つの答えみたいな物が見えてきますよ~
「ホームセンターてんこ増刷への道」
http://www.genkido.net/tenco.html
個人的に戦国武将漫画を武将イベント講演会会場で売った
経験から、よくわかるのですが、大手出版社も、現場で作品や
書籍を販売する事をもっとするべきですね(^^)あと、ネットの
時代に、需要に即応体制が取れないのでは・・・そりゃ
出版不況になるわな~と個人的には思っています。
(講演会会場で、それまで漫画など買った事もないような人が
買うなど、実際に見ていると、出版界はもっと攻めの営業や
本屋以外の販売体制などを構築するべきですね。)
あ、ちなみに、この「DIY」がテーマの漫画、お勧めですよ!
投稿: 元関西の山の中に居た者 | 2011/11/15 01:17
こりゃ、感動的な話ですなあ。版元、読んでますかあ(笑)。
私も、やはり「『割り箸はもったいない?EX』を自費出版しようかな。
正直、私も版元の営業力に不安があるから、ブログやHPを始めたと言えるし、講演会場でもせっせと売ってます。利益はほぼないのだけど。
というわけで、今週末は全国育樹祭(奈良県川上村)で、拙著を販売します。ただ私は講演があるので販売員がいないのですよね。佐賀では、職員に任せておいたら全然売れてないし。。。今回は、講演終了後、ダッシュで本売り場に立とう。
投稿: 田中淳夫 | 2011/11/15 10:12