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2011/12/16

変わるべくして変わる~今西進化論

今日は、少し部屋の片づけをしたのだが、大量の雑誌「アニマ」(平凡社)を発見。

おお、懐かしい。今は亡き雑誌だが、このような自然や生物を取り上げた雑誌が毎月刊行されていたことに驚きを覚える。一般向きだが、論文並の重量級の記事ばかりだ。

まったく見ることもないので実家に持って行って仕舞い込むか…と思ってパラパラ見ると、「特集 今西錦司の自然学」が載っている号(1992年10月号)に眼が止まった。

このところ、本ブログのコメント欄で「今西錦司は生態学から自然学、そして進化論へと駒を進めた」ことに触れた直後だったから、偶然に驚き、思わず手にとって開く。

ああ、もう片づけができなくなる。。。。。

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結構な分量だから、もちろん全部目を通し直したわけではない。

しかし、奥が深いなあ。



しかし、ダーウィンを始めとして、なぜ生物が変化〔進化〕するのか、用不要説だ自然選択だ、と理由を求め続けたのに、今西さんは「種は変わるべくして変わる」と言い切ってしまうのだ。環境が変化したら、全個体が同じ方向に一斉に進化するというのだ。

生物を個体レベルで見る西欧の進化論に対して、種レベル、いや生物界全体で見てしまうのだ。もっとも、そのメカニズムを何も示さなかったから批判されるのだが…。

そこで思った。メカニズムなどいらないのかもしれない。あえて言えば時間が経つと遺伝子の変異が溜まってころりと変わるように仕組まれているのだとしたら?

全体神などを持ち出す気はなくて、コロリと変わる(^o^)。この点がいたく気に入った。木村資生の中立進化説というのもあるのだし、進化に原因を求めなくてもいいじゃないか。

よし、森林ジャーナリズムもコロリと変わることを旨としよう。朝令暮改のごとく、意見を変えるのだ。これはいいぞお。節操がなくて。

立場が変われば意見も変わるし、時間が経っても意見は変わる。真理や真実なんて、立場の数だけあるのだ。結局、まわりの環境によって左右されるものにすぎない。

1本の木に焦点を当てて環境を論じるか、森林になったものを論じるか、森林を含む地域で論じるか、いやいや地球レベルの社会全体で論じるか。

以前から温めている「時間生態学」と対にして、「ジャーナリズム時空間論」も提唱しようか。
まわりを煙にまくのに有効だろうな(笑)。

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