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2011/12/29

カジュアルウッド

木材の品質について書いてから、さらに考えた。

高品質な「商品としての木材が必要であることは再三触れている。
が、それは、かつて歩んだ「役物」「銘木」という高価格・ブランド化への道ではない。その道が閉ざされているのは証明済みだ。もはや「役物」という高品質は求められていない。ブランド道は崩落して、奈落の崖下へと続いているのだよ。

わずかに崩れ残った道脇をそろそろ横歩きしつつ渡れるのは、寺社仏閣やお茶お華の世界のような好事家といった特別な顧客をつかんだ非常に少数の林業家だけだ。その道を再び広げることを期待するのは、無謀を越えて時代錯誤だろう。

では、山を切り開いて、別の道をつくるか。新たなデザインを提案し奇抜な建築家と結びついて、新需要を生み出すか。
が、これも極めて細い道だろう。仮に開いた道の向こうに大きな需要が眠っているのなら、しゃにむに山を崩して太い道を通せばよいのだが、実際は少数の奇特な消費者しかいないだろう。こちらも隙間を狙った少数の林業家しか生き残れない。

では、国産材は、何の品質を高めて、どこをめざせばよいのか。

 

 
 

そこで思いついたキーワードは、「カジュアルウッド」である。

カジュアルcasual)とは、正式(フォーマル)でない略式の状態を指す。気軽で堅苦しくない、リラックスするためのファッションを示すことが多い。今後、木材を使うことが気軽にならねばならない。言い換えると、役物はフォーマルで非日常だが、気軽に誰もが手にとり気軽に使えるカジュアルな木材を指向すべきではないか。

それは奇抜なデザインや、高技術によって製造した製品ではない。シンプルでよい。

とはいえ、画一的な商品を大量につくって価格も安くすることを「気軽に使える」カジュアルウッドだと勘違いしてはいけない。それには魅力がない。
マテリアルとしての木材需要に絞り込めば、まず外材に負ける。次に非木材に取って代わられる。それも歴史が証明済み。画一的で、機能的品質やビジネス的品質だけを追求すれば、それは国産材どころか、木材でなくてもよくなるのだ。鉄骨や合成樹脂で十分となる。

あくまで、木材としての価値を主張したファンシーさも展開しなければならない。

ファンシー(Fancy)には、空想という意味のほか、気まぐれな好み、道楽、上質な、変わった…という意味を含む。それこそが木材固有の魅力となりうるのだ。

カジュアルでなければ需要は増えぬ。同時にファンシーで日本人の感性・好みを熟知した商品開発を行えば、外国勢にはなかなか真似できず、市場を奪われずに済む。

あくまでファンシーでカジュアルな木材商品で、外材の一歩上をめざしたい。

 

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コメント

ちょうどこの層の商品開発・流通開発をしているところです。うまい表現がなかなか見つからなかったのですが、カジュアルウッドですか。使わせていただこう(^^

商標とかは…

私は味噌樽に注目しています。
台所から木材需要を掘り起こすのです。
キッチンウッド。

「カジュアルウッド」、商標登録しようかな……。「キッチンウッド」も(~_~;)。
早いもの勝ちだい。

シンプルで現代風のデザインと、社会的品質を追求すること。そして外材などの大量生産品よりわずかに高めの価格設定をすること。高すぎても、同じでもいけない。

木のオモチャ、木のキッチン道具、木の文具、木の内装材、木のエクステリア……いろいろの分野が考えられます。

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