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2011/12/30

リュウトカゲは発見されたか

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『月刊アニマ』 1987年12月号











  
 
   

仕事部屋から重大決意をして排除した、往年の自然雑誌『月刊アニマ』。

この雑誌は、毎年年末には来年の干支の動物を取り上げていた。で、12年前は龍だった。

この龍特集は、古今東西の龍伝説しつつ、龍のイメージやデザインを探る。さすがの動物雑誌でも、龍は実在しないから難しい……と、そこに懐かしい記事を見た。

上記にあるとおり、龍に相当する動物が、中国奥地で発見されたというのだ。

これは中国人劉健文の論文を元に記述している。
その内容はすごいのだ。龍を発見したのはロシア人の動物学者クプリャノフで、場所は中国南西部のナガ族自治県にある雲貴高原の小さな盆地にある湖。ここはナガ族の聖地として、長く外来者の侵入を拒んできた。その後忘れられていたのだが、劉さんが再発見したのである。
基本的にはトカゲの一種としているが、この種が龍伝説の元になったのだろうと推測するものだ。

そして、現在知られているオオトカゲ科には属さないとして、リュウトカゲ科の新設を提案する。

トカゲ目オオトカゲ上科リュウトカゲ科リュウトカゲ属リュウトカゲ
学名  Naga chinensis Kpeyanov 1843

なんたって全長は最大7メートルにも達する。これは現在世界最大のトカゲとされるコモドオオトカゲ(4m)を越えるのだ。背部には2列の鱗が立ってたてがみ状になり、側頭部には角状の突起が見られる。
しかも、子供は樹上性で、なんと滑空する。胸骨を広げて翼とするのである。成長すると、水に入り、水中に穴を掘って生活する。交尾も水中で行うらしい。そして胎生だというのだ。出産は樹上で行い、主に魚食性。

感動的ではないか。私は、この龍のいる湖を探検に行きたいと切に願ったものだ。

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記事の末節部分。

 

 


  
 
……が、よく読むと、このリュウトカゲの棲む盆地の湖は、その後大地震による山津波に埋もれてしまったらしい。標本も、文化大革命の時期に研究所が閉鎖されて、漢方薬の材料に売られてしまったという。そして、いまだ中国の研究者にも、この論文は認められていないのだ。劉(りゅうと読む)さんも、この騒動の際に行方不明になってしまった。

これって、幻の動物・鼻行類ハナアルキと同じではないか! (ハナアルキは、南太平洋のハイアイアイ群島で発見された鼻で歩く小哺乳類。水爆実験で島ごと姿を消したと言われる。)

ちなみに、この記事の執筆者は、京都大学の爬虫類学者である疋田努准教授。後年、彼に会ったときに、リュウトカゲの話を持ち出すと、笑って「あれ書いて、まわりにえらく怒られたよ」と言っていた。

でも、いまだに「リュウトカゲはいたんだ」と思っている人はいるみたい。

考えてみれば、世界各国で龍やドラゴンの伝説があるのだから、その元となる動物がいたっていいじゃないか。

ブータンの王様は、龍を見た、と話している。いや、ブータンこそ龍の国なのだ。

そして生駒山も、龍の山とされる。実際に生駒山は南北に長く蛇行し、そこに龍にちなんだ地名もあった。今も龍眼寺、龍間寺、龍尾寺、八代龍王神感寺……など寺や神社など宗教施設の名に一部残っている。龍を祀る寺社も多い。

来年は龍、辰の年。心の中の龍を育て、空へ水へと飛翔しましょう。

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コメント

あれ?
1987年だから、24年前。。

それはそうと、飛翔の年ですか。

よっしゃ。がんばりますぜい。by熊(♀)

タナカもがんばるのですよ。by女王

あっ・・・・(汗)

私、2年に1度しか誕生日が来ないんです。(爆)

ビッグバンのごとく破裂、いや飛翔しましょう。

筆者の名前をシュテンプケを想起させるような筆名にすればもっとよかったかも.日高敏隆氏が書いたら,それはちょっとベタすぎるかな.

そういえば実家の父は引退後郷土史に目覚め,付近に八大龍王をまつる寺院がいくつかあることを掘り出しているのですが,これは身延系のようです.

「鼻行類」は、最初、今は亡き思索社から出版されたのだけど、その後平凡社から出ていますね。だから「アニマ」とつながりがあるんだ。もっとも両者の間には10年くらい空いているかもしれないけれど。

一般には八大龍王なんだけど、なぜか生駒山のは八代龍王なんだなあ。何か意味があるのかしらん。

若き日に平凡社「アニマ」よく買っていました。
リュウトカゲの記事掲載当時の私は高校生。
こんなことがあったのか?と衝撃を受けた内容
でしたが・・・オチがあったのですね。

上記の表題を見て、「とうとう再発見されたの?」
と期待したんですよ(笑)

私も読んだ直後は、信じていたなあ(笑)。
本当に探検に行きたいと思って、記事をじっくり読み、場所を特定しようと思って……気がついた(^^;)。

まだまだ信じている人はいますよ。いや、信じたままの方がいいかも。

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