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2011/12/07

「奇跡の一本松」は枯れても

昨日のシンポジウムの事務局は、財団法人日本緑化センターだった。

そこで雑談で出たのが、陸前高田の「奇跡の一本松」。実は、日本緑化センターが保護対策を担当していたらしい。そして、もはや無理という結論が出た話を聞いた。

そこで調べると、もうニュースになっていた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111203-OYT1T01004.htm

根が海水で腐って、どうにもならないのだという。

私も、4月にこの地に訪れたのであった。夕闇が迫っていたが、このマツの根元にたどり着くのに、道がわからず(というより、道と言えるものはなかったのだけど)、津波でさらわれた海岸地帯を走破してなんとか近づいたのだ。

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当時も、すでに周りを囲って、根元を掘り返し、海水から守る工事をしていたと思う。だが、誰の目にも厳しい状況であるのはわかった。






守る会では、一本松に接ぎ木をして育て、高田松原に苗木を移す計画があるそうだ。また一本松に防風・防虫対策を施し、立ち枯れのまま残せないか市に要望しているそうだ。

たしか挿し木でクローンづくりをしていた記憶があるが、そのことだろうか。しかし、同じ形質の木をたくさん同じところに植えるのは危険だろう。あくまで、この木はシンボルなのだ。

また立ち枯れのまま、保存するのも難しいと思う。やるなら樹脂を注入して、どこかに展示保存するしかあるまい。でも、これだけ巨大なものにその処理をするのは大変だ。(遺跡から出た木質物の保存に使う手だが、この技術を持っているのが、奈良の元興寺文化財研究所で、その保存センターが生駒山中にあるんだけど。)

いっそのこと、幹から何か記念グッズをつくって販売し基金をつくって、何か別の記録の残し方を考えたらどうかと思う。でも「この幹に放射性物質が含まれているかもしれない」とバカなことを言い出す大バカがいるかもしれない。

ところで、これら震災で被害を受けた海岸林の再生プロジェクトが各所で進められている。林野庁(森林総研)も研究していると聞いた。ただ、その背景に林業の姿が見えない。
防災用とはいえ、森づくりをするのだから、出番のはずだが。

海岸林は、通常の山の植林・育林とは条件が違うのは事実だが、木を植え育てる事業に林業関係者がそっぽをむいているようでは情けない。苗木づくりは急務ゆえ、早く何をどこにどんな風に植えるか構想を立てねばなるまい。マツ以外も候補に上げられるだろう。

考え用によっては大きなビジネスチャンスだし、林業の視野を広げて挑戦する価値があるのではなかろうか。

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仙台周辺の津波被災地。わずかに海岸林が残っていた。

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コメント

奇跡の一本松から、奇跡の割り箸を作りましょうか(笑)
一膳二千円くらいで売れるなら、喜び勇んで現地まで買い付けに伺います^^
一本松だから一膳一万円でもいけそうですね^^


私もオジゾークンの提案を支持します。

福島県の割り箸工場が奇跡の割り箸を製作して、支援箸として半分を支援金とするというのはいかがですか。

田中組長さん、一肌脱いで頂けませんか?

「虎は死して皮を残し,一本松は死して割り箸となる」

私もいまから、一本松の割り箸の購入を予約しますので、ぜひともオジゾーサン、年内に割り箸を作ってね。

一本松の割り箸で新年を迎えたいおじさんより

割箸はパッシングが非度いでしょうが「高級箸」は名案です。
もし切り倒すしか選択肢がなくなって材として生まれ変わらせる事になっても出る案は「念珠」くらいでしょうから良い案だと思います。
でも恐らくは何らかの処理を施してあの姿のまま保存する話になると自分は思います。

建具師・都築@三河湾岸さんへ

そのとおりです。
オジゾーサンが陸前高田市に電話で問い合わせた所、樹脂を注入して保存するようです。
残念ですが、あのままの姿で保存するよりは、数百本の高級割り箸と姿を変えて、多くの人の心に残る方がいいのではないかと、個人的には考えますが。

また、あの奇跡の一本松の所有者は市ではなくて,ユースホステルだそうです。

山の植林は、森林組合に委託し、海岸林の植栽は、どういう訳か造園業者に、工事を出してたな。竹を組んだ防風柵を一緒に、だすからからかな~?海岸防災林の植栽で「森づくり」を意識している森林土木担当者は、少ないのじゃないかな。 とにかく、基準通りの間隔に決められた本数を植えることで精一杯だったりする。今後、松原の再生ということで、 植栽イベントとかが 開催されるでしょう。その事自体は賛成ですが、松の苗木をどうするのかが心配です。各地で、東北に送るための松の苗木作りをやってるみたいで。実際に植栽しても、大丈夫なのかな?それと、植栽するときは、宮○式とか。

一本松は、樹脂保存が決定ですか。私がコメントをつける前に終わりましたね。
樹木そのままの形を残したいという人もいるでしょう。考え方はそれぞれです。

それにしても、海岸林の再生というビジネスチャンスを、あっさり林業関係者は逃すのかな。造園業者が悪いとは言いませんが、その規模を支えるだけの智恵と力があるのかどうか…。

高桑さま、「建具師」とお呼び頂いて非常にうれしいですが、自分はとてもそんなのを名乗る身分も腕前も持ち合わせていません・・・。「建具屋」でお願いします。

田中様、本多静六氏をWikiでは「林学博士、造園家。日本の「公園の父」といわれる。」と紹介されてますね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AC%E5%A4%9A%E9%9D%99%E5%85%AD

もしかしたら、今の林業関係者には森を作るノウハウがなかったりして・・・。

本多静六は、日比谷公園を設計しましたからね。
でも、とくに造園学を勉強したわけではなく、ほかにやる人がいなかったから、仕方なくヨーロッパで見てきた公園の様子をパクって設計した…というのが本当のところのようです。

でも、今の林業家はスギやヒノキの山をつくる以上の知識があるかと言われれば不安です。造林の経験者も減っているからなあ。

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