修羅から考える移動経済学
昨日は、経済のグローバル化の根底にある「移動の経済学」を考えたいと記したが、これは難物である。
なにしろ、人の移動は徒歩から始まり、馬などの動物、舟の登場や車の発明によって加速し、やがて動力機関となっていく。現在でもっとも早い乗り物は、人工衛星だろうか。なにしろ地球上空(おそらく一周10万㎞以上)を、1時間ほどで回ることができるのだから。
一方で、情報伝達という移動もある。人が直接運ぶほか、音声から始まり、太鼓などの音、さらに狼煙も視覚を通しての情報伝達に使われただろう。それが一気に電波の利用で大きく拡大する。
それらの動きを経済学的に見るだけでなく、商品価格と移動の関連・条件を探ってみたい。
……ま、そうはいっても一朝一夕には行かない(^o^)。のんびり考えよう。
こんな写真を見て、考察する足しにしよう。
たまたま正月に見かけたのは、古代の修羅を復元したものである。修羅とは、重量物を運ぶ橇の一種。巨石や大木を運んだらしい。林業なら木材を運ぶ木馬に相当するものだ。
これは昭和53年に大阪の道明寺の寺領内で発掘された修羅2艘を、復元したものである。
写真は、大きい方で長さ8,8m。
本物はアカガシの木で作られていたそうだが、今、アカガシでそんな大木はない。そこでオキナワウラジロガシを使ったそうだ。作ったのは、西岡常一と4人の宮大工。製造道具も古代のチョウナを使用したそうである。
こうした道具で重量物を運んでいた時代の経済を思い起こしてほしい。
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