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2012/01/02

最先端を行く日本

年が明けた。

今年はよい年でありますように。。。そうした言葉が飛び交っている。
昨年、あるいはそれまでの数十年が沈滞していたことの証だろう。

たしかに経済動向一つを取っても、バブル景気に始まり、その崩壊、そして失われた10年と呼ばれる財政赤字を急増させた景気対策の失敗。小泉改革で持ち直したかと思いきや、その反作用のごとく疲弊してしまった国民生活。リーマンショックによる世界不況への突入により、とうとう失われた20年という言葉さえ使われるようになった。
そこに阪神淡路大震災に東日本大震災という大災害と、全国各地で数多くの大地震や噴火、台風風水害、津波……。そこにオウム真理教などの社会的事件が加わり、少子高齢化、地方疲弊、限界集落の進行。。。並べてみると、気が滅入る。

ただ、ふと海外に目を向けると、実は日本が歩んだ道と同じ事例が今の世界に展開されていることに気づく。

中国の景気はバブルに突入して先行きが怪しいのは間違いない。すでに弾けつつあるという意見もある。アメリカのサブプライム問題やアイスランドの財政破綻、そして今またギリシャで起きたことは、まさにバブル崩壊の現象がもたらしたことである。全世界的に進むグローバル化「改革」も、その実験を小泉総理時代に行った。少子化や高齢化の進行も、日本は世界に先駆けている。今後、中国なども猛烈な高齢化社会に突入するし、欧米も含めて逃れがたい傾向である。地域社会の破壊は世界中で進んでいる。
ついでに言えば、震災こそ幾度となく繰り返されたが、今回のような自然災害に原発事故が複合した例ははなく、空前の事例である。

そう考えると、日本は世界の最先端を走り続けてきたのだ、と言えなくもない。ニヒリスティックで皮肉に聞こえるかもしれないが、日本が失われた20年を歩んでしまったのは、最先端の歩みだから真似するモデルケースがなく、その事態からの脱出を試行錯誤したものの誤った政策を選んでしまったから……と解釈してはどうだろう。

そう、日本の歩みは、これまでの歴史にない世界に先駆けた事象であり、そのための苦闘は、世界に先駆けたモデル(ただし、反面教師)なのだ。

だから、世界は今後日本が歩んだ道とよく似たコースをたどる可能性がある。バブルが弾けた欧米は、財政赤字を膨らませるか、グローバル化によって脱出を計った結果、格差が拡大し歴史的に培った社会構造を変質させるかもしれない。

だから、日本の轍を踏まないよう、しっかりと日本の20年を世界に伝えるべきだ。
そして、今の苦境を脱出する方法は、どこかにモデルがあるのではなく、自ら築かねばならないことに気づくべきだ。

それはゼロから新たな思想・新たな理論、新たな政策を生み出せ、と過酷な要求をしているのではない。それこそ古今東西に散らばる事例を丁寧に掘り起こし、それを分析して積み上げ、さらにアンチテーゼを求め、止揚(アウフヘーベン)させる……ことで紡ぎだすものだ。

幸い日本社会は、まだ同質性を有し、勤勉さやストイックさもなんとか残している。十分に創造的な知的財産と頭脳集団も数多く育てている。そして環境問題やきめ細やかな商品とサービスなど成功させたモデルも持っている。

ここで林業的なことを付け加えれば、外国に完全モデルを求めるのは無理だろう。今は成功モデルとしている欧米林業の事例も、おそらくジリジリと落ち込むだろう。画一的な木製品は価格下落を招き、非木材マテリアルとの競合により内的に崩壊していくと見ている。

ただし、そこから脱出するアイデアも各地の林業は内包しているから、一つ一つ拾い上げて工夫を加え、さらに日本の事例も加えて適合するモデルをつくり上げるべきである。

ここでも、日本は最先端を走る条件を揃えている。

そのスタートを切る年になれるか、2012年は。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

昨年の大震災+原発事故は、まさに世界中のどこにも、また歴史上でも起きたことがない希有の大事件でした。その意味で、最先端でした。日本人は、世界に全くモデルのない問題解決を余儀なくされています。
おそらく、様々な先進的な試みが実験的に行われ、世界でも例のない町づくりが行われる可能性があります。昨晩のNHKTVでその一端が見えました。

今までに開発された最先端技術(太陽光発電、燃料電池、スマートグリッド、水耕栽培等)を組み合わせて、最高にエコな最先端の持続可能な社会を作り上げる大きな可能性がありますね。

日本の社会が、最悪の事態に対応して最前の社会を作り上げてゆく可能性を世界の人も期待しています。
長生きして10年後、20年後の変貌した東北地域の将来の姿をシッカリと見てみたいです。

その意味で、今年は復興の年になるべきであると思いますが、いかがですか。

1990年代は、世界的なパラダイムの転換が起きていたのに日本は気づかず、従来通りの景気対策を取って失敗し、気づいてから取った策も失敗した…と睨んでいます。そして野田内閣は再び先祖返りのような政策を取りつつあり、非常な危険を感じます。

日本には、新しい取り組みを行える潜在能力はあるのですが、それは「可能性がある」に止まっていて、実際につくれるかどうかはこれからでしょう。

東北被災地域に望むのは、自ら新しい可能性を構築することです。どんどん提案・要求して、実現させる迫力がほしい。残念ながら今は、国が何かしてくれるのを待っているだけの状況でしょう。そして国の動きが遅いと文句を付けている。国を頼りにするようでは、底がしれている。そうした意味で、非常な危機感があります。

震災以来、大手の新聞を読まなくなり、NHKはじめどのニュース番組も見るのをやめました。私が寄る辺としてきたこの国は、いったい何ものなのか、どうして、この事態に陥ってるのかを知りたくて、ネットの前に座ることが多くなりました。

そして、いま、大きな権力に対する無力感が、広がります。

でも、どこかに脳天気さを持つ自分に救われています。そして、自分発信で、切り開いていくという視点は、これから大切なのだと思い至りました。わたしのは、単なる直感のようなものですが、田中さんの広い情報と、深い思慮に基づいた意見には、とても勇気づけられました。

新年 おめでとうございます。
目まぐるしく変化する社会情勢を、「チクッ」と突き刺す会長のコメントを楽しみにしています。
今年もよろしくお願いします。

ここ数年、大手の新聞やテレビでは真実を報道することがなくなり、まるで政府の公報のよう内容が増えました。
若者は、新聞もテレビも見なくなりインターネット情報が中心の生活をしています。インターネットだけに依存した生活も問題がありますが、インターネットでは、右から左からある意味で正直な様々な意見を知ることができます。

もちろんインターネットでは知り得ない情報があることも事実ですが、様々な地域で分野で活躍する人を知るには、もはや新聞テレビではダメだと人々は気づいているのではないでしょうか。

正しい情報にもとずく行動ができる健全な市民や、健康な生活がおくれる社会を作り上げる地道な努力といろいろな活動は、地方や地域から出て来ているように思いますが、いかがですか?

ここは「思いつき」ブログなんで、直感で書いています(^^;)。
それに性格を反映して、優しいでしょ。政府・行政の体たらくを攻めずに、「これは解決モデルなき未曾有の事態なのだから」となぐさめているのだから。

ただ、否応なく自ら動かねば誰も助けてくれない時代に入ったと感じますよ。

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