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2012/02/15

記事広告の林業

本日の朝日新聞に、かなりのページを割いて、「地球教室」という名の記事広告がある。

ようするに、企業の人たちが講師になって、環境教育を行うもの。

で、何ページ目かに、「モリノハナシ」というテーマで、三井物産の“授業”がある。

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なぜ、三井物産が林業かというと、実は三井物産は日本有数の山林を保有している。記事にもあるが、100年以上にわたって、70カ所約44000ヘクタールもの山を持つのだ。たしか、日本の民有林面積で3位ではなかったか。



この山林を保有する経緯には、土倉庄三郎が絡むのだが……それはまた別の機会として、問題はこの記事の内容だ。

森林の説明は、まあよしとして、林業の説明。

「最初は1ヘクタールほどの面積に、4000本近い苗木を植えることからスタートします」

4000本か。通常3000本というけどなあ。林野庁もそう指導しているし。三井物産は少し多めなんだろうか。が、それも別に異を唱えることじゃない。

「50~60年かけて最終的に商品として出荷できるのは、植えた数の10分の1程度」

え、50年後に400本・・・・・。通常、600本というが、それもまあいい。問題は、ここに「商品として出荷できるのは」という言葉があることだ。

これでは、間伐材は商品に入れてないことになる。伐り捨てならもちろん入らないが、搬出間伐はしないのだろうか。少なくても10分の1まで本数を減らすのだから間伐はしているわけだが、すべて伐り捨て? 間伐を「成長の悪い木を間引く作業」と規定しているのだ。

それは、あまりといえばあまりではないか。三井物産がどんな施業をしているのかしらないが、少なくても林業を教える立場としては、間伐材も立派な商品であることを強調すべきある。伐り捨ては、20年くらいまでで打ち止めにして、その後は太さに合わせて収穫するという林業の本質に気づいていない。
これでは、生徒に9割は捨てるんですね、と「もったいない!」の烙印押されるぞ。

最近は、林業家まで、「間伐は保育のため」と断言し、「生長の悪い木を除く」こととするが、なかには生長のよい木から伐る間伐もあるし、列状間伐のように選ばず伐る場合だってある。

需要に合わせて(間伐)木を伐り出し、残した木をさらによく育てる……この心がけがなければ、森づくりと林業は結びつかない。

(※ なんでも三井物産は森林を維持するだけで、伐採したり商品化して売るのは、別会社に分離したと聴いているが……。)

最後に。

「日本の林業は、安価な輸入材などの影響で衰退傾向にあるといいます」

これが世界を股にかけた総合商社のいうことか? 外材だって扱っているだろうが、その価格を知らないのか? 本当に安価なのか? 国産材を圧迫するほど安いのか?

この記事を書いたのは、新聞社の広報部の社員か外部のライターかもしれない。しかし、記事広告だから、三井物産の担当者もチェックしているはずだ。

ちょっと恥ずかしいと思うよ。

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林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

本当に委託業者にそう言われてたりして。400本しか売れませんでしたよって。
間伐分はいただき〜、みたいな?

しかし商社ってお金持ちなんですねgawk

こんなんありましたよ↓
三井物産フォレスト
http://www.mitsui-forest.co.jp/index.html
説明の写真を見ると、利用間伐はしているみたいですね。
本社のチェックが甘かったのか、記者が知識不足だったのか…なんでしょうか。

そうか、委託業者に200本分抜かれていると考えると……危険な発想だ(^^ゞ。 

たしかに山林管理は三井物産フォレストという会社に移管していますが、現場の施業は誰がしているのでしょうね。自社に作業員を抱えているのか、外注しているのか。取材を受けた社員が林業のことを知らない可能性はあるなあ。
ちなみに、木材販売は物林という会社に任せています。

50年で、400本ということは50年生で平均胸高直径が50センチぐらいあるということでは?

4000本植栽で除伐、間伐をしていきながら胸高直径が50センチ!

と少し突っ込んでみます。

5年ごとの間伐も必要ですね。

三井物産フォレストさん、うちの村では2.3年前から組合で利用間伐させてもらっています。

50年で50センチなら、年輪はバームクーヘンですね(~_~;)。

年輪幅にばらつきを作らず材質を安定させるには、弱度の間伐が何度もすべきでしょうが、現実には難しいですね。50年までに2回したらいい方ではないですか。

三井物産フォレストさん、やはり作業は外注ですか。とすると広告の原稿チェックしたのは、本部のデスクワーカーでしょうね。

>「日本の林業は、安価な輸入材などの影響で衰退傾向にあるといいます」

我が社が輸入した木材で日本の林業を衰退させましたという控えめな自己批判なのではないでしょうか。全体を読まないと確定的なことを言えませんが。

それにしても、本文とコメント欄と、三井物産に読ませてやったらいかが?

わはは。深読みというか、いじわるな読み方(^o^)。三井物産も、各地の熱帯雨林で悪名を高めたからなあ。

記事は、写真を拡大したら、なんとか読めますよ。

大手商社だから 出来ることではないでしょうか?
「循環で森を守る」 三井物産は 環境に寄与していると
言いたいのでは、ないでしょうか。

どんな木を植林しているのか分かりませんが
1ha4000本 5年ごとに 20%の除伐を50年すれば
1/10の400本になりますね。
そんな手間をかける必要があるのか?
そんな目荒の木材 何に使うのでしょうね。
強度がないため 建築材以外に使うのか?
それで、採算が合うか疑問です。

それなら 植林する際、パイプのようなものに苗をいれ
最初から 400本の苗を植えても同じでは?
と思うのは私だけかな。

私ごとですが、haあたり 5000本 50年で 約25%の除伐3回
haあたり 2000本前後です。
今回 4回目で搬出間伐に至っています。
生育の早い木と 極端に悪い木の間伐です。

たしかに三井物産は、山林を活用して利益を上げようという気はなさそうですね。財産というか、最近はCSRのつもりで保有しているんじゃないか。

5000本/ha植えているんですか。かなりの密植ですね。よい森をつくってください。

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