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森と林業の本

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2012/03/07

木質バイオマス電気の買い取り価格

再生可能エネルギーによる電気の買い取り価格や期間を具申する「調達価格等算定委員会」の初会合が開かれたというニュース。

この制度は、太陽光や風力、地熱、小規模水力、バイオマスなどによる電気を買い取る場合、どのような価格にするかは大きなテーマだ。

世間的には、高くしなければ再生エネルギーが普及しないと訴えているが、電気を買い取る費用は電気料金に上乗せするから、電気を消費する側からすれば、値上げは負担だという点でせめぎ合っているようだ。

普及か、負担か。どちらに力点を置くかが話題になっている。

が、もう一つの視点がある。

とくに木質バイオマスの場合、木質は何もバイオマスだけではない。本来、別の用途を持つ資源である。

1キロワット/時を20円の固定価格にする案があるそうだが、これを木質バイオマスの場合だと、計算上は1立方メートル当たり1万3000円にもなるそうだ。

これは林業家としてはオイシイ(^o^)。

無理してチップ用のC材だけを出荷するのではなく、合板にできるB材、いや製材して売れるA材だって、バイオマス用に売ってしまえ、という気持ちになるかもしれない。さらに、仕分けせず、皆伐してどんどん売ってしまう手もある。

かといって、B材より安いと、林地残材の搬出インセンティブは低くなる。

それに補助金の出る期間も、どれほどか。また補助金付けになる業者?森林組合も現れるかもなあ。

これでは、本末転倒だなあ。

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

1立方メートル当たり1万3000円!

凄いですね。

補助金(税金)に上手に甘えてダントツに稼ぐ事例をつくる。

希望の星に向かって業界が元気色に変るきっかけになるでしょう。

いや、それは困る(^^;)。
バイオマスエネルギーなんて、所詮は用材生産の落ちこぼし部分でやるものであって、それで稼ぐ(それも税金!)事例ができては、林業は狂ってしまう。しっかり木材は利用してもらわないと。

今後再造林しても生産間伐をしていけないような林分の樹種転換をはかる(条件が合うところは天然更新、保安林などは植栽再造林)とかそんなことならいいのかもしれません。
でも、そんな条件付けたらひも付き補助金と一緒の考え方になってしまいますね。

でも、公共造林補助金+コレだとするなら、すごいですね(じゅるっ)。
山の資産価値自体が変化するかもしれません。
これ以上は言えません。

まあ、本当に1キロワット20円になり、1立米1万3000円になるとは限りませんし、コストがどれだけ占めるかもわかりません。
そんなに無理してバイオマス発電する価値あるかなあ。それこそ尾根に風車建てた方がマシかも。

木質バイオマス 1キロワット20円になり、1立米1万3000円
夢のような価格 これが実現すれば 木材流通が大幅に変わってしまう。

ちなみに いつだったか?ですが
日経新聞記事に 木材発電用燃料の買取価格が
1トンあたり 
広葉樹 5000円 桧 4000円 杉 3000円 の記事がありましたが。

日経新聞記事の方が現実的な価格ですが、はて、このバイオマスはどの過程の値段だろう。山の土場だと思えないから、ボイラーのある場所まで運ぶのだろう。
つまり近くにバイオマス発電所がないと、輸送費がバカにならないことになります。

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