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2012/03/15

十津川村の木造仮設住宅

十津川村で、ぜひ見学したかったのは、木造仮設住宅である。

その点を村長にいうと、すぐ担当者を付けて案内してくれた。
これは、有り難い。一人でぶらりと行くと、住人に不審がられる恐れがあるからだ。

村には30戸建てられたが、そのうち6棟18戸がある平谷の旧平谷小学校跡地を訪れる。

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見た通り、まさに木造! という造り。

スロープもあり、車椅子にも対応できる。玄関には手すりもあり、高齢者仕様だ。


間取りは、基本3タイプ。単身者向きから大家族向きまでいくつかパターンがある。



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ただ設計は従来の仮設住宅仕様のままで、材料を木材に置き換えたのだそうだ。内部は洋室(フローリング)に加えて和室もある。

このようなデッキもあり、ここが公共スペースになっている。屋根もあるから、ここに住人が集ったり、座り込むこともできるのだ。
ボルネオのロングハウスのテラスを思い出したよ。

また窓側には、ベランダ的な濡れ縁スペースも追加されている。

仮設のため、2年限定だから、基礎は杭打ちだし、壁も無塗料。が、そのおかげで、木材の風合いがもっともよく出ている。長持ちしなくてもよいという前提なら、無塗料の方が心地いいね。

データを示すと、構造材・造作材ともにスギ材で、奈良県産材割合90,4%、うち十津川村産材60,35%である。

地場産材で仮設住宅をつくった英断を村長に問うたら、「いやあ、在庫がいっぱいあったんでね」。県も理解してくれたとのこと。

十津川村は、住宅販売に乗り出しているが、その部材の在庫があったのだろう。仮設住宅で在庫が一掃できたというのは、一石二鳥か。

住み心地の評判は概ねいいが、なかには不満も出るそうだ。何より、こんな狭い家に住んだことがない(^^;)住民が多いから。収納も少ないだろう。

私が70歳過ぎのおばあさんに話を聞いたところ、「前の家がガタガタだったから、こんなサッシの戸を閉めたら音が全然聞こえなくなる家は初めて」だとか。でも快適で、「ここで死ねたらいいわ」。

役人がいるけど、遠慮しないでいいですよ、と私が言ったが(^^;)オイオイ、おおむね満足のようだ。

ただ気になる点を。

仮設住宅には、ようさんマスコミが来るけど、みんな、あんまりしゃべったらアカンといわれてますねん。私なんかおしゃべりやから、よく怒られるわ。

という証言が。取材には、あまり応えないように言われているそうなのだ。まあ、このおばあさんがおしゃべりで、宅配便の配達に来た人までつかまえて長くしゃべるから息子に怒られてん、というレベルでもあるのだが(^^;)。ほとんど漫才のような掛け合いをしてしまった。関西では、田舎であってもよくしゃべるのである。

ただ住民感情として、部外者にあまり境遇を話したくない意識もあるのだろう。私も取材者として心せねば。

ともあれ、次は復興住宅である。こちらにも十津川産材を使った家を建ててもらうのが最重要テーマだ。

問題は、住居そのものというより、住居のある地域の斜面に崩壊の恐れがあって危険区域に指定されたケースも少なくないこと。危険を除去できるか、あるいは別のどこに建てるか、が課題らしい。

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仮設住宅の奥にあるのが、廃校になった校舎。




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コメント

福島でログハウスの仮設作りましたが、この木造仮設は見た目もきれいで大変興味深いです。外壁の下見板貼りも本格的ですし。これを2年で解体ってのは、ほんとうにもったいない気がしますけど、解体して移築できるような建て方なんですかね。

私も、この板張りが美しいと思って聞いたのですが、この設計そのものはよくある仮設住宅仕様のままなのだそうです。つまり新建材を木材に替えただけだそうです。
ちなみに施工は、村の大工さんだそうです。

移築できたらいいのだけど、費用がどれくらいかかるのかなあ。復興住宅建設に役立ててもいいでしょうね。

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