菅直人が、森林・林業調査会の会長就任
菅直人元首相が、民主党の政務調査会内に新たに設けられた森林・林業調査会の会長に就任したようだ。
http://ameblo.jp/n-kan-blog/entry-11180646992.html
菅氏のブログによると、前原政調会長から会長就任を頼まれたらしい。
おお、とマニアックに注目したのは、極めて少数派だろう(笑)。
菅議員は、民主党内でかなりの林業通である。今の農相より詳しいのてはないか。まあ、梶山恵司氏に吹き込まれた付け刃的知識ではあったが、森林・林業再生プランを立ち上げる原動力になったのは間違いない。
が、首相を退任し、梶山氏も政府を去り、もう一人の林業通と思っている前田武志議員も国土交通大臣に就任したとなっては、林業政策に目を向ける与党政治家の姿が見えなくなっていた。その意味で、菅氏が口を挟める役職に就くのは悪いことではない。
なかには、あの森林・林業再生プランを推進した人物に口を挟んで欲しくない! という人もいるかもしれない。しかし、誰も口を挟まないからおかしくなる。
勘違いされないよう繰り返し記すが、私は森林・林業再生プランに反対ではない。ただ、全国画一的に実施できるものではないし、してはいけないと思っている。各林業地ごとに、いかにバリエーションを作るかが重要なのだ。
それを考えずに、どこでもかしこも、作業道入れて機械化なんてしたら林地は荒廃するし、集約化ばかり叫んで小規模林地施策をほったらかすのはけしからんし、再造林や育林忘れた大量伐出は破滅的だし、木材需要の出口対策をしない林業なんてありえないし、林業普及員をフォレスターに横滑りさせるなんてちゃんちゃらおかしいし……ああ、こんなことを書くから再生プランに反対だと思われるのか(~_~;)。
ともかく、古い慣習にどっぷり染まった業界に、空気読まない(読めない)政治家が口を挟むのは賛成だ。菅氏は、首相としてはまったく適任ではなかったが、あの現場に口を出したがる性分は、のれんに腕押しの林政には向いているかもしれない(⌒ー⌒)。
ただ、ブログには「国有林などの山林を活用して風力発電を設置する事ができないかと考えている」とある。これは林業とは関係ない(~_~;)。
一応「山の稜線に材木の搬出ができる比較的路幅の広い林道を引き、そこから比較適路幅の狭い作業用の路網を張り巡らせると、風力発電の設置にも、林業にも役立つ」 「林業が活発になれば、間伐材などを活用したバイオマス発電や熱供給も拡大できる」とある。
稜線に林道という発想は、大橋式の林道設置法に合致するかもしれない。いっそ、風力発電利権、もとい収入を林業に還元できる仕組みを組み立てると面白い。発電収入を原資に造林を進めたり就業者の待遇改善もありえるのではないか。
まあ、調査会にどんな目的や権限があるのかよく知らないのだから、期待を高めるほどではないが、今後の動きに目を配っておこう。
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