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2012/04/25

宿の主人は「緑の雇用」出身者

先に紹介した限界集落のゲストハウス「笑び」。

この経営者は、大阪出身。長良川でカヌーを操ることでこの地域に住み着くことになったそのだそうだ。そして前歴は、いろいろあるようで、東京に住んだり各地を転々としたと言うのだが、話を聞くうちに林業も少しやったという。

なになに? と追求すると、「緑の雇用」に参加していたそうだ。某県の某森林組合で1年働いたのである。そこでは、よい親方につき、いろいろ教わったが、結局将来に不安を感じて1年で終了したという。

私は、その森林組合を聞いて、ちょっと驚いた。だって、最近ニュースになったところだからだ。それも「緑の雇用」出身者の大量解雇である。ようするに、補助金削減の中で経営が苦しくなり、人員削減しようとするのだが、結果的に首を切ったのは地元の人間ではなく、ほとんど緑の雇用で来た人だったわけである。

まあ、こうした説明をすると、どこのことだかわかる人にはわかるのだが(^^;)、緑の雇用の中には、家族も連れて移住した人も少なくない。しかし家も土地もなく、森林組合で働くことが条件で借りた住宅のケースが多い。緑の雇用自体は、2~3年で終了する制度だが、その後も残れると説明されたから都会の家を引き払って移住したのである。それなのに首になったら路頭に迷うわけだ。

この事件のことを私が話すと、笑び経営者は知らなかったらしくショックを受けていた。

そしてその夜、インターネットで検索して調べて、どうやら関連ニュースなども見られたようだ。

翌朝の話によると、写っている人の中には当時の先輩もいたらしい。自分と違って彼は、林業に希望を抱いて、家族とともに移り住み頑張っていたんだけとなあ……と感慨深げ。国や県が後押しして誘致した人々だけに、単なる会社の首切り以上に問題を抱えてしまうのだ。

緑の雇用は、一歩間違えると、極めて危険な代物であることがわかる。

なかには、初めから2、3年後の研修終了後は首を切るつもりで望む森林組合もなくはないのだが、そのため彼らには技術も身につけさせない。補助金目当てだからだ。

しかし、反対だろう。3年後には自立できるように技術を身につけさせるなり、あるいは森林組合以外の仕事を模索させる手助けをしておかないと。

私の聞いた人の中には、緑の雇用終了後にそのまま林業で食っていく人のほかは、町に帰るほか、炭焼きを始めたり、山村で店を開くなど独立した人もいる。住んだ山村から通勤圏の地方都市でサラリーマンになった人もいるらしい。

緑の雇用制度自体は一応終了し、今後どのようにするのか私もよく知らない。形を替えて実施するという声もある。が、雇用側も雇用される側も、将来考えて行動しないと禍根を残す。

全国に緑の雇用経験者がかなりの人数になるはずだ。彼らのその後の足どりは、地域にも影響を与えるのではないだろうか。

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コメント

なんか、薄ら寒いお話(政策)ですね。
国が提案した政策はシッカリとした継続性が見られず失敗した例ですね。

「そこでは、よい親方につき、いろいろ教わったが、結局将来に不安を感じて1年で終了したという。」
その方は、緑の雇用政策の将来性に問題を感じてやめたからよかったものの、信じていた方はどうなったんでしょうか? 
林業は簡単に取組まない方がいいようですね。

緑の雇用の問題点は、これまでも指摘してきたつもりですが、現実に体験者を前にすると彼のショックもわかります。

今後も、名前はともかく制度は続くようですが、もう新規は取らないのかな? ともかくリスクも説明しないと、山村や林業に夢を抱いて移住した人を失望されたら、結果的に林業や山村の悪イメージが広がるでしょう。

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