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2012/04/26

驚愕の自然エネルギー買取価格

自然エネルギーによる発電の買取価格が算定委員会で決まったという。

先日、このブログで未利用木材(林地残材)の価格を決めるのに、要望されたのはキロワット時当たり31,8円だった。あまり高いので、これは、わざと高めに吹っ掛けて、その後の議論の中で反対論も出て、落ち着くところに落ち着く……せいぜい20円くらいかな・・・と睨んでいた。

いや20円だって、十分に高い。これを木材の立米単価に換算すると製材用に搬出している価格に近くなるのではないか。

が、決定した金額を見て仰天した。なんと33,6円である! おい、要望よりも高くなるなるなんて、誰が決めたんだ!!

この金額を立米単価にしたら、いくらになるだろう。単純計算だとゆうゆう2万円を越えるだろう。ただチップにする手間が入ったり土場でなく発電所まで運ぶ経費も含んでいると、若干下がって1万5000円くらいかなあ。でも、素材生産自体の手間は省けるはずだ。どんな乱暴にしても、曲がっていようと傷だらけだろうと、木の太さも選ばず、皆伐すればコストはずっと下げられる。(これは全くの見当である。誰か計算してほしい。)

いずれにしても、現在の山では並材がこの価格を越えることは少ない。つまり、チップにして燃やす方が高く売れるというわけだ。

さあ、どうする? 経営的には、製材や合板用に出荷するなんてバカなことはしない方がいい。全部チップにして発電所に送るべきだ。
とくに国産合板は、B材を安く買いたたけることで成り立っている面があるから、生産業者は合板会社への出荷を撤回するだろう。
さらに製紙用チップも燃料用に回されるだろう。なかには輸入チップを国産材チップに混ぜて増量を図る業者も出るかもしれないなあ。いや、絶対出る(-.-)。

本当は、まったく使い物にならないような荒れた人工林をこれを機に皆伐して、全部一から植林して森を作り直すきっかけにすればよい。しかし放棄林は所有者が不明だったり非協力的だからできてしまうのだから、施業するのは難しいだろう。
むしろ出来のよい人工林から伐ることが増える。その方が簡単でコスト安。大径木だったら生産量も上がる。100年生のチップ!

製材・合板用原木と価格面で逆さやになるのだから、海外から安い製材を輸入して砕いてチップにしてという手もある……なんてよからぬ想像もしてしまった。

が、製材不足、合板不足に陥れば、また外材にもどるか、代替の非木材へと進むだけだろう。つまり木造建築物は衰退する。

ちなみに、未利用木材以外では、一般木材は25,22円、リサイクル木材は13,65円である。また太陽光は42円、風力は57,75円とかなりの値段。これらは電気代に加算されるのである。

しかし、算定委員はまったくマクロ経済を知らないのではないか。単に自然エネルギーを増やすことだけしか頭になく、一国の経済全体に眼を向けていない。そして環境倫理的にも拙劣である。

これらの価格は、まだ完全な決定ではないだろうが、ストップをかけるところは事実上ないのではないか。また価格は毎年改定されるから、勇んで参入しても翌年からどんどん価格が下げられる可能性は残る。木質チップを燃料に使える発電施設も限られているから、いきなり持ち込めない。翌年には半額になったりして。

さあ、どうする? 負債を抱えた森林組合などはチャンスかもしれない。これで一気に借金を返せるよ(⌒ー⌒)。悪魔のささやき・・・

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政策・行政関係」カテゴリの記事

コメント

「どうして木質バイオマスの価格は風力の半分以下なんだ?」と単純に憤慨してましたが、そんなに簡単な話ではなさそうですね・・・
http://www.asahi.com/business/gallery_e/view_photo.html?business-pg/0425/TKY201204250329.jpg

私は、林地残材の金額以上に不可思議に思うのは、バイオマス発電をしている関係者が要望した金額以上を設定したことです。
そんなプレミアム価格、通常は考えられない。
ただ、補助金なんかではありますね。少額を申請すると、「もっと使いなさい」と要求する人たちが……。

誰が後押ししたのか? もしかして、一儲けを企むコンサル等業者の意向が入っているのかもしれない。そこに天下りしている人たちがいるのかもしれない。きっと闇の部分があるな。
税金でなくて、電気料金を嵩上げするのだから、財政的な心配はいらないし、監視の眼も低い。でも、これは「見えない税金(の増税)」なんですよ。

そして、自然エネルギーとか森林環境という言葉に弱い世論も後押ししたに違いない。
この調子だと、いつか破綻するでしょう。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120430-OYT1T00655.htm
こちらで見る限り「それぞれの発電方法で通常かかる費用に、適正な利益を上乗せした」とあるんですがそんな決め方でいいんですかね。

これだけの買い取り価格にしたら費用がいくらに低下して、導入量がこれだけ増加する(だから、買い取り価格を上げてもいずれ元が取れる)という観点から決めなきゃいかんだろうと思うんですが…
でないと、同じ再生可能エネルギーでなんでこんなに価格が違うのか説明できんでしょう。

その後の情報によると、電力から換算した木材価格にはいろいろな要素が織り込まれていて、山元が受け取るのはもっと低くなるみたいですが、それでも現在の製紙用チップとかボード用、もしかしたら合板用などより高くなる可能性があります。

それに、ご指摘のとおり、単にコストの差額を積み上げたのなら、補助金と同じで、切れた時点で経営破綻です。税金ではなく電力料金だというのも「見えない化」ですね。

バイオマスだけでなく、ソーラーも当初の見積もり(要望)より高い金額になったようです。
かつてダムなどの公共事業の見積もりには、大きく膨らませる構造がありましたが、それと同じではないか。業界を儲けさせて、その分をキックバックするシステムになっているような気がする……。

昨日クルマを運転しているとちょっとした山というか丘の斜面に太陽電池が設置されてた。木を切って電力用チップとして売りその後太陽電池を設置すれば直ぐに現金が得られそうだ。この当たりは晴天率が高く昔桑畑で今は雑木林という場所が多いからふもとの風景に多数の太陽電池が見えるようになるかもしれない。

先の発電用チップの価格の計算方法が精査されて、現在のところ33・6円だと、1立米当たり7000円前後ではないか、という試算が出ています。
計算するには含水率なども影響するので、かなり難しいらしい。

だから軽く儲けられるわけではないけど、下手すると合板用と同じくらい、少なくても製紙用やボード用(MDFとか)よりは高いのではないか。また、すでに燃料用に扱われていたチップの3、4倍になる。

というわけで、山林を伐採してソーラーパネルを設置しても、簡単に儲けられるわけではないし、儲かるようでは山は丸裸になりますが、今後いろいろな試行錯誤が続けられるでしょうね。

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