奈良の「滝桜」
昨年の4月22日、東北の被災地に出発した。
まず入ったのは岩手の陸前高田だが、内陸部から海辺に向かう途中に目にしたのは、津波に洗われた河岸の桜だった。
何やらこれから激甚被災地に入る前の関門のような気がした。まずは花が出迎えてくれるというのは、何かこれからの道行の凄味を感じさせられた。
さて、最後の日25日に福島で見たのが、三春の滝桜。
これについては説明の必要がないだろう。今晩のNHKテレビで紹介された。中継では、まだ3分咲き?くらいだった。見頃は26日と言っていたから、まさに昨年のこの写真のような状態になるのだろう。
樹齢1000年というのは、ちょっと怪しいと思う(~_~;)が、たしかに太い。7本の幹が合体したという。
ところで、この滝桜は、奈良にもある。テレビでは滝桜の種子から約3万本の苗木が作られて全国に散らばっていると言っていたが、その1本が奈良市の大和文華館という美術館にあるのだ。
こちらだ。
私が見に行ったときは、すでに葉桜になりつつあった(~_~;)。
それでも樹冠はかなり広く、幹周り1m以上はあったかな。
花の下に入ると、かなり壮観だ。
1983年に苗が移植されたというから、樹齢はほぼ30年。
結構立派に育っている。
その経緯については、こちらをどうぞ。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/4f30df02583e9d89770ee482de6985d1
こちらのコメント欄によると、この滝桜からさらにサンルート奈良の駐車場にも分けられているそうだ。滝桜の孫樹が生えているらしい。
文華館のホームページにも今年の写真があった。
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昨年の春は、とても花見という状況ではなかったのを
思い出しております。(しみじみ)
一年経ったのだなあ。。
まだまだ復興には遠いのだけれども。
少しずつでも、長ーくがんばらにゃなあ。
投稿: 熊(♀) | 2012/04/21 23:44
桜の花には、人の心をゆさぶる非日常感覚がありますなあ。
非日常の災害下では、花は必要ないのでしょう。(しみじみ)
ま~、ぼぉっとしていても時間は流れる。気がついたら復興していた、というくらいの気持ちでボチボチ行きましょうや。
投稿: 田中淳夫 | 2012/04/22 01:07
拙ブログへのリンクを貼っていただき、有難うございます。
最近、京都大学などによる『平成20~22年度 吉野山サクラ調査報告書』を読みました。これまでの「なりゆき管理」にメスが入り、PDCAを踏まえた長期的な管理が提言されています。抜粋ですが、ぜひお読みください。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/4f6ab64431658d6ae80144fa8d9fb0df
投稿: tetsuda | 2012/04/22 11:51
こちらから連絡する前に、登場していただいてしまいました。
吉野山の桜は、今年は見に行く暇はなさそうですが、この桜枯れ問題、以前取材しました。
結局、むやみに植えすぎた、ということになるのでしょうか。
土倉庄三郎のように、どんと吉野山の桜を全部買い取って守ろう、という人は、もはや現れませんねえ……。
投稿: 田中淳夫 | 2012/04/22 23:14