無料ブログはココログ

本の紹介

« 森林・林業教育の変遷 | トップページ | 限界集落一歩手前 »

2012/05/09

木のまちづくりを拒むもの

ほとんど知らなかったのだが、吉野でこんなコンペをしていたのだった。

http://yoshinozai.com/compe.html

吉野製材工業協同組合が主催の木材活用コンペだ。木の町部門、木のリフォーム部門などと分かれている。その結果は、上記のサイトを観てほしいが、木材によって町を彩ろう、という呼びかけだろう。

なかには、町全体を木材市場に見立てたり、これでもか、というほど木材を使った「木材の洞窟」があって、私は好きだなあ。http://www.ah-a.jp/index.php/wood

もちろん最優秀賞を取ったからといって、近鉄吉野線の鉄橋を木造化できるわけではないだろうが、ようやく木材の景観というものが見直され始めたように感じる。

一点一点の木材作品づくりは、かなり進んできたように思うが、本当のところ、一軒の家、一件の木橋や家具、グッズ……では、木材の魅力は伝えにくいように思う。自分の持ち物を木にするだけでなく、目に入る他者も含めて考える発想がほしい。いかに外の世界とつながるか、景観の視点で取り組めないものか。

ただ、せっかくの発想も現実には厳しい点がいっぱいある。

以前紹介したが、長野県上田市では、「景観木工」という発想を取り入れて、商店街などから木装化を進めていた。

最初は補助金がついた5件だが、この交渉が難行したという。商店街の空き店舗や駐車場の柵などを木材でオシャレに……という取り組みが、所有者の納得を得られないのだそうだ。

もちろん費用は要らず、勝手に綺麗に装ってくれるというのに、難色を示すのだ。結局、いざとなったらすぐに取り外せるような仕組みにして(元からの外装は残して、その上に被せる形)、ようやくOKを取り付けたそうだ。

で、実際にやってみると評判がよくて、次の希望者が現れたり、自主的に自らの店舗前を木装化したり……と協力的になってきたそうだ。

何に付け、「変わる」「変える」「新しい」ことに反対する勢力はあるのだ。

そういや、先日衆参議員会館の寿司屋に割り箸を導入させたジャパンフォーレストでは、都道府県別のクイズ?を箸袋に付けた割り箸を出そうと、各自治体にお願いしたところ(もちろん、何の負担を求めるわけでなく、その都道府県の見どころを紹介宣伝するわけだ)、なんと断る県があったのだよ。

それは……奈良県! と鹿児島、そうして沖縄なんだそう。

なかでも奈良県が反対した? 割り箸生産日本一を誇る奈良県が? 信じられん。

だいたい許可を得るようなものではなく、いわば届け出みたいなものなのに、断るとは。担当者、出てこい! といいたくなる。なんなら、私が説明に行こうか。

そういや、東京在住の森林所有者が求めた森林簿を、郵送では受け付けずに直接取りに来い、と言ったもの奈良県だと。こんな県はほかになかったという……。

 

なんだか、奈良県を糾弾したくなるが、ここで感じるのは、「今はじり貧」、だけど「今を変えたくない」という勢力の正体をしっかり見極めないといけないことだなあ。

« 森林・林業教育の変遷 | トップページ | 限界集落一歩手前 »

地域・田舎暮らし」カテゴリの記事

コメント

奈良県は、全国でも一二を争う保守県として超有名です。

他所がやることには、まず文句をいい他所からの呼びかけには協力しない、という姿勢。
何やら、○○連合の時もありましたね。

まあ、今までの大もうけで蓄財したので,この先も息長く存続して、あわよくばまた時期が来れば儲けるぞ、という姿勢。
なかなか、のものです。

地元ながら、超保守性にはガックリ来ますね。

動かざること山のごとく、静かなること林のごとし、で山林県の面目を保っているのではないか……。

ただ時流に乗らないことでクリーンヒットを打つこともあるのです。森林林業再生プランに乗らず銘木に固執することで、数年後に林業先進県へカムバックすることを祈りましょう。

 吉野山出身の父は、吉野という“土地”は好きなようですが、“住民性”が大嫌いらしく、よくなにかと言っておりました。祖母と伯母について話すとき「あの二人はほんま吉野っぽい性格やろ?せやから…」という題詞を何度か聞きました。…しかし、それで父が言わんとするところのものが、なんとなくわかってしまうのが悲しい…
 叔父(母の弟)は、奈良と東京半々で生きてきた人で、現在自宅を奈良市に置き、東京に単身赴任しています。叔父は旅行社でそれなりの地位にいる人なのですが、奈良ツアーの企画を頼まれると、必ず断るそうです。理由は「他のところに比べて、どうやっても魅力的なツアーを企画できないから。」…それもわかってしまうのが悲しい…
 なぜ悲しいのか…海がないこと以外は、私は奈良県が大好きらしいから。

これ言うと怒られるかもしれませんが、実感としてそれぞれ生粋の紀州人は「猪」、大和人は「鹿」、吉野人は「猿」、という感じがします。

吉野人は、奈良人とはまた違ったメンタリティがあるのでしょう。

しかし、「奈良で魅力的なツアーを企画できない」というのは看過できないですね。どこにターゲットをおき、何を持って魅力的なツアーと呼ぶのかわかりませんが、旅行社がこれでは困る。

叔父が言うことを簡単にまとめてしまうと、「奈良は“華”がない。(玄人好みである)」ということのようです。それと宿泊施設が開発規制(私にはそれがいいんですが)によって、ツアーやキャンペーンなどの大人数を収容するのにはショボイ、というツアー組み立て技術上の問題、とのことらしいです。

大規模ツアーは、もう時代遅れだと思いますけどね。
行政もその点がわかっていないうえ、受入れ側も旅行社もわかっていない。
修学旅行生が押し寄せた昔が忘れられないのかね。

この前、50人ぐらいの方が川根茶を味わうツアーで来たいという相談があったようです。
役場で話題に・・・・。
どうやったら、一人一人に川根茶をちゃんと味わってもらえるか、そうするにはどうするか。
50人まとめて案内できる施設はあるのですが、短い時間で楽しく味わってもらうには・・・・。
でも、担当は結構楽しそうに、困っていました。
50人程度ですから、大した人数ではないのですが、「ちゃんと」って言うニーズにどうこたえるか。そういう要求が来たことにも喜んでいました。

田中様
お久しぶりです。
5月26日発売の建築知識ビルダーズに「腕試しコンペ」の発表があります。今回のテーマは、「まちなかスギどころ」でした。
ぜひ見てください。
結構、斬新で実現可能なものばかりでした。

ツアーにコンペ、まだまだ可能性はありそうですね。

開けばよいのではなく、ようは活かし方でしょうか。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36391/54673822

この記事へのトラックバック一覧です: 木のまちづくりを拒むもの:

« 森林・林業教育の変遷 | トップページ | 限界集落一歩手前 »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

森と林業と田舎