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2012/05/23

養蜂官、ドングリ収穫権、養豚数……

銀座のミツバチプロジェクトはすっかり有名になり、おかげで私と同姓同名の人も有名人だが、実は同じことを大阪でもやっている。

名付けて「梅田ミツバチプロジェクト」。大阪駅周辺の梅田のビル(ヤンマー本社)の屋上で養蜂を行っているのだ。ミツバチの数は9万匹で、すでに蜜を30㎏ほど収穫したとある。私なんかは、たいした規模じゃねえなと思う(生駒では、一つの巣箱で5万匹以上いる)が、都会ではちょっと驚きなのだろう。蜜源は、近くの公園や街路樹・花壇など、意外と多い。
すでにハチミツの収穫も行われていて、そのハチミツが梅田界隈のレストランやスイーツ店などにも使われて販売されているらしい。

同じことは札幌でも行われているらしく、今や都会の養蜂はブームである。

もちろん、それは結構なことだ。都会の自然を見直す契機になるし、養蜂を通じて環境教育にもなる。ブランド化も計れる。が、本来の養蜂は、やはり山や田園地帯で行うものだろう。今や国産養蜂は細るばかりである。


 

ちょうど読んでいた本に、ヨーロッパの森林の歴史が書かれていた。そこで興味深かったのは、16世紀のドイツ(正確には、神聖ローマ帝国だろう)には養蜂官(ツアイドラー)という林業技術職の官吏がいたことだ。
彼らは蜜と蝋を採集するのが仕事なのだが、その権限は絶大だったのだそうだ。王の森ながら、林地の世襲権があり、裁判権や自由都市における免税権……などを手にしていたのだ。

しかも、養蜂の蜜源は針葉樹だという。だから14世紀から盛んに植林されたとある。蜜の採れる木とは、何の木だろうか。スギやヒノキの蜜なんて聞かないしなあ。

一方、広葉樹林でもっとも収益を上げていたのは、ドングリ収穫権(@_@)。また森林はネールヴァルト(家畜の森)と呼ばれ、森林の価値はそこで飼える豚の頭数で計算された……。

東ドイツ(プロイセン)やバルト地方では、森林に棲む動物で計ったそうだ。つまり狩猟対象獣、毛皮の採れる動物、鳥、ミツバチ、ビーバー、湖の魚などだ。
ある法令には、野生ウシは12ルーブル、トナカイが6ルーブル、シカ3ルーブル……。ほかクマ、野生ウマ、オオヤマネコなどが上げられている。

いやあ、森林の見る眼が全然違っていて面白い。

もっとも、日本でも森林の価値は、なんだかんだ言っても、まだ不動産的であり、森林面積を図りたがる人が多い。しかし、これはつい最近のことなのだ。ほんの数十年前まで、日本の山林の価値は木材蓄積であり、土地の面積はほとんど問題にしていなかった。

このように、現代でも森林の価値基準を変えてみたら、新たな森林の姿が浮かび上がるかも。

今でも、二酸化炭素吸収量とか、生物多様性なんぞの物差しが出回りつつあるし、インチキっぽいが、酸素供給量を示そうとする人もいる。

あまり堅苦しくなく、もっと楽しい指標づくりをしてみたい。森で遊ぶ子供の数とか(^^;)。森の文化を選び出すとか、食べられるキノコや山菜の数とか。美しい渓流、名水の湧く地点。自慢のネタを各自考えだしたらよい。

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森林資源」カテゴリの記事

コメント

森林の価値。
それは食糧の量です。(キッパリ)
ドングリとか、ハチミツとか。。(ウットリ)

スギの皮はダメよ。

ついでに冬眠用の穴とかも?

もちろん、スギの皮もウットリものです。
冬眠用の穴も大事。
ああ。そうだ。
覗き見されないように、逢い引きの茂みも大切。

よっしゃ、オフロもつけといたるわ。

茂みの覗き台もセットで。(何で?)

多様性過ぎる価値。。(^^;

私はやっぱり、そこで見られる蝶の種類と数かなあ。ゼフィルスの森で有名な三草山とか、オオムラサキが豊富な生駒とか・・・。

昨秋見学に行ったゲッティンゲンから30分ぐらい離れた森林では、飼料用にどんぐりを供給するオークの森が今も保存されていました。今でもごくまれに近所の農家さんが牛や豚を放牧させにくるそう。いまではそういう伝統を残すために行っているんでしょうが、人間にとっての森林の役割というのは時代によっていろいろ変わってきたんだなあ、と感じました。例えば、昔はレクリエーションの要素なんてなかったでしょうしね。

98年にフライブルクや近郊の黒い森(単なる針葉樹の人工林だった)を見ましたが、その中でごく一部、萌芽更新しているオーク(ナラ)の林も見ました。でも、針葉樹が蜜源になるとは信じられんのですが。。。蜜でなくて花粉を食べるのかな? スギ花粉を食べるミツバチの品種を作れば、ずいぶん感謝されるかもしれませんね。

私も「針葉樹の蜜源」が信じられなくて、少し調べました。
すると、厳密には蜜ではなくて、樹液を吸うことがあるそうです。また針葉樹につくアブラムシの出す甘露(体液)を採集するともありました。ドイツでは、モミのハチミツが最高級とか。これはびっくりですね。

dunkelさん、ヨーロッパにいらっしゃるなら、ぜひ調査を(笑)。

本当にスギ花粉をハチが食べてくれるなら大歓迎なんですけどね。花粉も森林資源の一つとして使えないか。

チョウもハチも鳥も、冬眠穴も、森林の価値の要素として認めれば、新たな森林が見えてくる気がする。

面白そうな本ですね。その本の題名はなんでしょう?出版社はどこでしょう?古い本でしょうか?

今、手に入るのかな? 主にヨーロッパ(のフランス)の森林の本ですが。ずばり「森林の歴史」といいます。

古い本ですよ。しかも訳が硬いので読みにくい。私も10年くらい前に購入して、ほったらかしにしてました。

 なるほど、そんなこと考えながら山を歩いてみます。
 個人的には、クワガタ類が里の方にいなくなっている(私が小さいころと比較してですからもう何十年前との比較ですが)のが気になっています。奥にはいますけど。
 私が重視するのは、クワガタ類の数でしょうか。

こんな多様な森林の価値観を数値化して、評価の対象にできないですかね。クワガタ指数6点、キノコ指数7点、クマの冬眠穴指数3点……と採点して、総合評価Bです! とか。こういう森林認証制度があってもいい。

針葉樹の蜂蜜って、そういうことだったのですね。そんなにアブラムシのついた針葉樹を見たことがありませんが、高い枝の先ではそういうことも起こっているのでしょうか???

森林の評価指標、面白いですね。私の森を有利にするためには(指標って、自分に都合の良い評価を得るために作るものでしょ?)かかわったボランティアの労働日数(人日)をぜひ取り上げたいところです。ほかには、連れてきた研修者の人数でもいいかもしれません。

評価基準とは、目的に都合よく作るものです(キッパリ)。

森に関わった人の数を加えるのを、「沢畑式森林評価指数」として学会で発表しましょう。早いものがちです。

去年ポーランドの業者から買った蜜が針葉樹の蜜だった。
不思議に思って聞いてみたら、どうも樹液が甘くって、それを蜂蜜にするミツバチがいるらしい。カブトやクワガタの蜂蜜版だそうだ。

おお、どうやら本当のようですね。日本でも手に入るのかな。

しかし、ハチミツと言えば花、というイメージが崩れてしまう(笑)。

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