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2012/05/20

木力検定に挑戦!

森林ジャーナリストの木力は? と挑戦状(>_<)を受け取ったので、渋々挑戦することにした。

http://www.woodforum.jp/test/mokken/ である。

結論から書こう。

まず初級はなんなくクリア。

問題は中級、ウッドコンシェルジュだが、1点足らずで不合格。ただケアレスミスが2問あったから、ちゃんと問題読めよ! と自分に突っ込む。

とはいえ、ちょっと不満もある。

問題と解答に関してだ。つまりアサダ氏ほか木力検定委員への挑戦状(-_-メ;)。

たとえばこんな設問がある。

木材の乾燥方法に関する次の記述のうち,正しいものはどれでしょうか?

正  ① 屋外での天然乾燥では,長い時間かけても,室内で利用できる含水率まで下げることができない

これは、どうかな。たしかに天然乾燥では細胞間水分は除けても、細胞内水分は抜けないとされている。だから含水率30%が限度とか……。

が、私は天然乾燥で16%まで下げた例を見ている。約1年半の乾燥期間を置いていた。16%なら十分室内で利用できるだろう。これくらい乾燥させるのが本来の天然乾燥だという。集成材やプレカットなら10%以下に下げるケースもあるが、そこまで要求するのはどうだろうか。そもそも歴史的建造物の場合、もっと下がっているはずだ。100年くらい経った寺院なら、10%以下だろう。

ほかにも、間伐(除伐)を、生長を阻害する木を除くこと……とあるが、除伐はともかく間伐は利益を出す面(利用するため)もあるので、誤解を招く。間伐材が劣った木、安い木と思われがちであることは、林業界にとって困った問題だ。優秀な木から抜き伐りするケースも少なくないのだから。

木材や森林、林業に関することは、いろいろな意見や解釈があるので、一筋縄には行かない。これを一律に問題にするのは結構異論が出るのではないだろうか。

それにJAS規格とか、あまりに一般知識に関係ない問題もどうかなあ。

……ここに書き込むため、改めて木力検定を開いてみたら、昨夜と問題が変わっている。毎回同じではないのね。

また挑戦して、あら探しするか(⌒ー⌒)。

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森林学・モノローグ」カテゴリの記事

コメント

ご指摘ありがとうございます<(_ _)>

田中さんご指摘の通り、問題作成、表現には問題ありというか、苦心はしています。例外などが多い領域なので何をもってよしとするかは難しいところです。ただ、一般の方をはじめとして、森林、林業、木材への誤解、迷信を解くためには、ある程度基本的な範囲で収めることは意識しています。
また、検定システムの妥当性検証を可能にするため、すべての問題を「正しいもの」の選択形式にしています。その結果、いろいろと表現の難しいことが多く、これまでも修正を繰り返している途中です。

私が作った問題ではないので、どうしてそういう表現になったか、その経緯は説明できませんが、例に挙げていただいた間伐の問題などは微妙とは思いますが、間伐される木と残される木との相対的関係としてはおおむねよいかと思いますが、どうでしょう?

含水率の問題は、平衡含水率の問題ですから、最近の厳しい室内環境下での含水率にはならない、というのは教科書的な回答で、正しいと思います。平衡含水率の関係で、季節変動はあるでしょうけれど、日本国内ではせいぜい平均で14~16%程度が限界ですし。これが室内で・・・といわれると困りますが、天乾だと一般的に家具材で求められる含水率まではいかない、ということで、まあ正解でいいんじゃないかと思いますが、甘いですか?(^_^;) 

いずれにしてもご指摘ありがとうございます。現在問題は400問近くあります。問題を指摘されるごとに適宜表現などを修正しつつ、よりよい問題へと改善しています。ご指摘の点も早速管理者に連絡しておきます<(_ _)>

私どもでは、難しすぎる問題、レアすぎる問題がないかどうか、定期的に統計的に分析、抽出し、排除したりもしています。ただ、表現の問題は、前述のようにいつでも改善しますので、お気づきの点がありましたら、どなた様でもかまいませんので、引きつづきご指摘、ご連絡ください。

なお、これまでの初級受験者は2000名を超え、おそらく3000名に迫る勢いです。中級受験者はその6割くらいだったと思います。

ちなみに、私の作る問題は難しすぎると言われ、多くがボツになっています。どれとはいいませんが、私の問題に当たるのは、かなり確率的には低いです・・・

14~16%でも狂うと言われると、どうかと思いますが……。昔の家具は天然乾燥材で作っていた(今も大半は)のですから。

間伐も、これは基本的な寄って立つ場の違いですね。間伐の目的を伐られる木の視点か、残された木に向けるか、という。
ただ、世間的に間伐材はレベルの低い木という認識が広がることを恐れます。ときに細い木の方が高く売れるわけですから。

とりあえず、2度目で中級は合格しました(~_~;)。

含水率も間伐も、ごもっともなご意見だと思います<(_ _)>
考えれば考えるほど、問題は難解になります。とはいえ、普及ツールですから、手も抜けません。悩みどころです。

ところで、これに似たものが、スマホのアプリにもあります。
木材・木造基礎知識
木造建築士試験問題
です。いずれも無料です。問題は二択ですが、これまた悩ましい問題が多いです。苦心のほどがしのばれます(T-T)

また、ちょっとした調べ物には
木造建築用語基礎辞典
というのもあります。これも無料アプリです。
ご参考までに <(_ _)>

田中組長。

初級も中級も1発で合格しましたよ。
これで私もウッドコンシェルジュです(笑)
問題は、かなりお宅的ですね。

スマホのアプリも、またマニアックなものを……。いや、専門家向け勉強グッズかな。

こんなオタク問題を1発で解くなんて、しゃべり過ぎ?杉?爺さんも、オタクですねえ。

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