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2012/06/10

林業の魅力化構想~多様性対応システム

今日は自治会の草刈り。そこで役員の私は、それなりの役割をこなしたのだが、いつも挨拶程度の町内の人と言葉を交わせる機会が生まれる。そこで職業を聞かれるのだが、なかなか説明が難しい。ただ会社員でないことは伝えた。

自宅で仕事をしているとか、フリーランスというのは、なぜか感心される存在らしい。まあ、このご時世だから、会社の正社員でない就業の危うさも感じられるようでもあるが。

たしかに私は組織の一員ではないから「会社の歯車」といわれる状況ではない。が、社会の歯車ではあり、決して自由奔放に動けるわけでもない。

……そんなことを思っていると、チャップリンの『モダンタイムス』を思い出した。

当時、フォードが始めた流れ作業における機械組立作業は、大量生産を可能にして、アメリカ合衆国を巨大な工業国家に成長させた。だが、ベルトコンベアの前に立つ作業員は、機械に従属し、文字通り全体の中の1枚の歯車となってしまう。

そこにチャップリンは、非人間的労働を感じたのだろう。

なぜ、流れ作業は非人間的なのか。改めて考えてみると、まず自らの判断は求められず、選ぶこともできず、ベルトコンベアの速度も操られていることがある。

それだけでなく、目の前の一工程だけを与えられて、その以外の工程にはタッチできない。そして全工程もわからないことも苦痛になる。今自分が締めたボルトは、巨大な機械のうちのどこの部分で、何の役割があるのか把握できず、仕上げた達成感もほとんどない。

そんな仕事は面白くないだろう。

……と、ここで昨夜の「林業が面白くなくなった」につながるのである。

そうか、森づくり(植えて、育てて、収穫し、利用する)の全体像が見えないと面白くないのではないか。命じられるままに、草刈りをして、伐採をして、搬出をする。伐る木も自分で選べない……となったら面白くなくなる。伐る木は見つめるが、その隣の木に眼を向けない。草も雑木も意識しない。となると、いよいよ視界が狭くなる。そして伐った木を何に使うのかわかなければ、さらに達成感が弱まる。

森林林業再生プランも、理念はともかく、実際にやっていることは、「伐採-搬出」だけだから魅力的にならないのではないか。しかも、林業事業体では、伐採搬出施業の専門化が進んでいる

各工程を分解して、流れ作業にする労働は、近年見直されて、トヨタに代表されるような企業は「セル生産方式」を採用している。ある程度まとまった工程を一人に任せてやらせるのである。その方が、効率が高まることが証明されたのだ。また自主的な「改善」も進む。だから様々な状況に対応できる多品種少量生産にも向いている。
地域ごとに条件がすっかり変わる林業には、そんな多様性対応型の施業システムを組むべきだし、またやりがいにもつながるかもしれない。

林業を魅力的に……そのためには長期間と広範囲の展望を持ち、さまざまな仕事を手がけることの重要性と面白さに、気づくべきではないか。

チャップリンの映画も、最後は『街の灯』のように人との絆に結びつけて感動させるのだなあ。

とまあ日曜日の夜に、「林業魅力化」構想を、少しずつ発酵させているのである(^o^)。

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コメント

そうなんです!!
私も、高校の講師だったころは、
一部だけ任されたり、
全部任せてもらえたりと色々でしたが、
断然面白かったり成果が挙がるのは、
全部任せてもらえたときでした。
一部だけ任されたときは、
上司の先生と衝突もしたっけなあ・・・。

今じゃすべて自分で決める必要のある自営業です。
お金はないけど、毎日充実感だけは
たっぷりあります。

熊本の林業って、どんな感じなんでしょうね。
いつも丸太を満載したトレーラーしか見ませんが、
ちょっと現場も覗きたくなってきました。

フリー(自営業)の醍醐味は、結局そこに行き着きますね。
すべて自己責任。責任がなくても、自分が被る覚悟で取り組めること。
ま、きついけど(^^;)。

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