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森と林業と田舎の本

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2012/07/31

エメンタールのもう一つの顔

せっかくだから、ものすごくマニアックな話題を。

森林は、水を増やすか消費するか……この問題は、古今東西で科学者を悩ませてきた話題である。つまり、森林があると、水の総量を増やすのか、それとも生きものである草木が水を消費して減らすのか。

ときに森林土壌の保水力が論じられ、さらに森林が空気中の水分を捕捉するのではないか、という説も唱えられた。また森林が土壌から吸い上げた水を蒸散させることで、空気中の水分が増えて雲が発生する、というケースも考えられた。

そのほか、森と水の関係は、常に論議を呼んでいたわけだが、それらの関係を明らかにするためには、流域の降水量と流出する水量を厳密に計測しなければならない。また森林の有無による差も計らないといけない。

そこで流域全体で、降水量と流出量の計測を行う世界初の実験が行われた。それがスイスのエメンタールである。1900年のことだという。

エメンタールで択伐施業が開始される数年前だ。常にこの森は、世界の森林科学・林学の先端を担っていたのだね。

その結果は、もちろん現在に至るまで引き継がれている。日本の技術者も、この実験に看過されて、帰国後日本の各地で流域全体を使った実験を行っている。1906年からだ。日本の林学研究も、この頃は世界に遅れを取らぬスピードだった。

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エメンタールの森の中の林道。

よく見ると、路面が左に少し傾斜している。降水を分散して流すための工夫だそう。いろいろな試みがこの森では成されている。



     

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ついでにドーデモな写真を。

森の中にある小屋。キャンプなどに使うらしい。
が、よく見ると窓に人影が写っている……。

でも、中には誰もいなかったのだよ。。。。

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コメント

「20世紀の毎日、人間が観察してきたエメンタールでは、あらゆるところに観察する人間がいるのです。」
みたいなことを言えば、そういうことをありがたがるその筋の人が殺到するのでは? 

エメンタールは、今でもヨーロッパの林業関係者の間では聖地らしいのですが、どこも真似ていない点が微妙な立場ですね(~_~;)。

日本でも、そんな林業林学の聖地づくりをしたいものです。

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