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森と林業の本

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2012/07/14

崩落工

スイスの地形を単純に言えば、巨大な盆地だろうか。

真ん中になだらかな起伏の中央平原があり、その周辺に急峻な山々が聳え立つ。そして山は、アルプスのような切り立った高山もあるが、多くは尾根部が高原状。これは氷河の成せる技かもしれないが、平原部に街のほか農地が占め、高原は牧場。森林が残るのは、ほとんど斜面だ。

そして、この斜面が恐ろしいほど急峻。日本の山も真っ青なのだ。とくに急峻と思っていた紀伊半島が可愛く見える。そんな森林地帯が林業地でもある。(日本の林業関係者諸君、『日本は山が急峻でコストがかかる……』なんて言い訳していると笑われますよ。)

さて。ある山で見かけた崖の崩落工事。

Dsc_0485

見たところ、単純な崩落土砂の留め工である。落ちてきた石などを受け止めて道に広がることを防ぐだけ。




でも日本の治山工事と比べてほしい。これだけの急崖、日本の山ならすぐコンクリートで固めてしまうだろう。崩れないようにする工事なのだ。

その点、こちらは崩れることが前提の、崩落岩や土砂を広がらないようにするだけの工事だ。うーん、安上がり(笑)。どうせこんなに急峻なら崩れるんだし。

これぐらいの感覚で、ちょうどいいんじゃないか。

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