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2012/07/15

スイス鉄道のホームにて

なんだか、スイスのサバイバル意識とか、分権自治などの話を書いていると、「スイスって素晴らしい!」みたいになってきた。

まあ、本当のところ、どうなんだろうね(~_~;)。私が住みたいかどうかは別の話。だって、濃い紅茶が飲めないし……。

で、久々に鉄道話。
スイスは非常に鉄道が発達していて全土に張り巡らされている。車両もデザインがいい。

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さらに特急には子供専用?の「マジックチケット」なるものがあり、そのための車両には、なんと滑り台や抜け穴など幼児が遊べる設備がつくられている。


さらに登山鉄道ではスイッチバック式やアプト式などの線路が見られたのだが、まあ、それはおいておく。

気になったのは、ホームの低さと、車両乗り口の高さだ。段差がかなりある。オトナでも登るのは、エイッと気合を入れてステップを踏まねばならない。子供や障害者はどうしているのだろうか。

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それがわかる写真を探したのだが……これはグリンデルワルトの駅だが、線路とホームの高さはあまり変わらない。そして車両はずっと高いことを見てとってください。


これ、旅行者にとってはきつい。とくに重いスーツケースを持つ人には、ステップを登って座席に着くまでが大変だろう。車両内も2階建てだったりするし。

ある駅(ベルン?)では、2階席からホームを見ていると、対面の列車に乳母車を押した若い女性が乗ろうとしていた。しかし、一人で持ち上げられるものではない。さて、どうするかと「高みの見物」をしたのだが、女性はすぐに近くを歩いていた男性客に声をかけた。

すると男はあっさり乳母車を持ち上げる役を買って出た。一瞬、男性は知り合いなのかと思ったが、その後ほとんど挨拶(御礼?)を言っている様子もなく、別れた。

なるほど、スイスのインフラは決してバリアフリーではないが、それを補うのはマンパワーのようだ。

ハードの不備を人と人の助け合いで……こんな「美徳」は、スイスでは普遍的なのだろうか。

それで思い出した。同じことをシステマティックにしているところが、日本にもあった。

えちぜん鉄道」である。ここではアテンダントと呼ぶ女性たちがいる。彼女らはチケット販売から乗客の乗降手助け、観光案内、お土産販売までこなすのだ。
一時ローカル線ガールズと人気を呼んだ(本も出た)し、今も鉄ちゃんの垂涎の的なのかもしれないが、彼女らの存在は、そもそもハードの不備を補うためだった。一度倒産しているため、機械化や駅舎などの設備を改善する余裕はない。そこで人を配置したのだ。コストダウンのために機械化・人件費節約ではなく、資金不足を人力で補う発想だ。

そういや、以前えちぜん鉄道のことを、熱く語っていたね(~_~;)。

http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2008/05/post_0a4c.html

http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2009/08/post-074a.html

何もスイスが全部そうだと言いたいのではない。そこまで調べておらん。ただ、ハードを充実させるより、ソフトに頼った方が安上がりになるうえ、感動を呼べる気がする。

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コメント

日本の場合、首都圏の主要路線はホームドア化を推進しようとしていますが、確かに事故を防ぐのに一定の効果はあるでしょうが、それだけ鉄道を維持するのに設備投資が分厚くなることになる訳で、今後人口が減って乗客減に晒された時には設備のメンテナンス負担が大きく乗っかることになりかねないと思うんですよね。

その点では、そもそもあんなに高いプラットフォームにしておくよりはヨーロッパの様に落ちてもすぐに戻れる程度の高さのほうが遥かに将来の見通しが良かったんじゃないかと感じます。まぁ、既に車両も高プラットフォーム前提で作られている以上、今から切り替えるとなると却って改修が必要ですから、今更ではあるのですが。

日本は、いつの頃かハードばかりに頼る(人の力を信じない)国になってしまったんですね。贅肉だらけの国土と国民ですわ。

なおスイスの列車も、一部低い乗車両も登場していました。日本とは逆に列車を合わせざるを得ないのでしょう。路面電車LRT(次世代型の乗車床が低いタイプ)とよく似ています。

ドイツでもちょっと手を貸してくれない、ということはよく言われます。スーパーで買い物していて、知らない方から「あそこの上の棚にあるヨーグルトの一番奥のやつを取ってくれない」と普通に言われたり。レジの店員さんに普通にハローっていいますし。逆にそういう時に躊躇したりすると、とてもかっこ悪い。自然に手助けできるように、慣れていない方は意識を持って行動することが必要な国です。慣れてくるとどうということはないですけどね。

欧米は基本的に「話さないとわからない」文化なので、コミュニケーションをすごく重視していますね。それが市民レベルで根付いている。

逆に日本は、これまで「話さなくてもわかる」世界だったので、コミュニケーションが苦手なのかな。今や日本も「話さないとわからない」状況なのに。その穴埋めをハードに頼ってしまう・・・。

ちなみにスイスは、本来「ものすごく無愛想」な国民なんだそうです(笑)。

「人助け」の部分については、どうも日本とヨーロッパで「見知らぬ人への信頼の置き方」が異なる様な気がしますが、何処に食い違いがあるのか、うまく整理出来ないかな。どうも日本の場合は社会が急激に都市化したために、見知らぬ人への不信が先に立っている様に見えるんですが。だから、都市部では「そういうのは事業者の仕事」になってしまい、他方で人件費の削減を進める事業者が穴埋めのために機械導入に走ってしまう、という構図かなぁと。

信頼という点では、多分欧米人の方がお互いを信頼していませんね(^^;)。それを和らげるためにコミュニケーション能力が発達したのかも。そして、身近な助け合いは、さして損害がないからできるのかも。

日本人は、根拠のない信頼を持っている人が多い。森林所有者の森林組合への信頼とか(^^;)。カモにされてますよ、と言いたくなる。
一方で都市部では「人を見たら泥棒と思え」的な不信を持っている。

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