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森と林業と田舎の本

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2012/07/28

サバイバルとバブル

スイスの行動原理は、危機管理・サバイバルにあるのではないか……と先に書いた。

常に最悪の事態を予想して生き残ることを計算しているように感じたのだ。

それを森づくりに適用すると、目先の儲ける林業やあるいは環境保全なんて甘ちょろい言葉では説明できなくなる。常に森を維持し続ける施業法で、木材の流行や材価の変動に対応できるように多くの樹種を生やすこと……などを考えるようになるだろう。

が、よく考えると、たかだか100年ほど前、つまり19世紀まではドイツ式の皆伐や一斉造林を展開していたのだ。択伐施業を取り入れたのは1900年代に入ってからである。

それも全面的ではなく、ゆっくりと適合した地域だけである。現在は近自然的な考え方の森づくりを展開しているが、それもせいぜい数十年だろう。

結局、国土が狭くて平原から急峻、高原まで変化に富んでいること、そして小規模所有であること……などが影響している。そして、この近自然型林業では、十分な利益を出して専業で林業に取り組めないだろう。ただ、森林としての価値を上げることをめざさないといけない。そうなれば環境や景観づくりはもちろん、価値の高い木材生産が望める。もしかしたら、数十年に一度、銘木を出荷できるかもしれない。

言い換えると、現在は大半が赤字なのだ。とはいえ補助金はなく、環境関係でも手厚い援助はない。それなのに維持しているのは、民間の森林所有者にとっての林業は、副業だからではないか。ほかの職業で生活を支えているから可能なのだ。

それでは、日本の林業ビジネスモデルにはなり得ない……だろうか?

よく考えると、日本とまったく同じである。

地形や気象などの条件が多様で、小規模所有で、専業では経営が成り立たない……。

つまり日本にとって、スイスはオルタナティブな林業形態として見るべき点が多々あるのだ。ただ現場の施業を行う素材生産業者は、技術や機械類の継承と発展を考えねばならないから専業でなければならない。しかし、近自然林業では木材生産量は多くならない

となると、業者数を絞って、広い範囲を営業エリアにする必要がある。しかもオールマイティの施業技術をもたねばならぬ。厳しい経営になりそうだ。

ところで、現在のスイスを訪れて気になったのは、どこでも巨大なクレーンを見かけたこと。都会の古い町並みでも、新市街でも、そして田舎町でも。
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つまりスイスは建設ブームであった。




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なぜか? ユーロが下落する中、相対的にスイスフランの価値は高まっているようだ。日本のように円高で輸出経済が困ることもなく、投資が集まってきているのだ。つまり、バブル

質実剛健なスイス経済も、グローバル化の波の中でバブルを生じさせている。

ここからうまく軟着陸させることができるか? 強力なリーダーのいない「決められない政治」でありながら、いかにスイスの舵取りをするのか。バブルからのサバイバルを行えることに期待する。

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