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2012/07/16

スギを使うと和風になる?

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写真は、リースのフォレスター学校のロビー。

さすがに木がいっぱい使われた内装である。

よく確認しなかったが、使われているのは、たいていモミかトウヒ、それにアカマツの類だ。

いかにもスイスらしい? 少なくても洋風である。

この木材を、スギ材に変えたらどうなるか?

こんな話を現地でした。

きっと和風になるだろうなあ、というのがその時の結論だ。もちろん材質・木目や色の違いも影響するが、何かスギやヒノキには和風の要素が染みついている。

実は、今度「奈良県地域材認証制度」ができている。奈良県産材であることを証明するだけでなく、ヤング係数や含水率なども表示する。
奈良県産材とはいうものの、実質的に吉野材になることは間違いないが、これを使うことによる住宅助成制度まである。

それはいいんだが、どうもこの木を使った住宅の写真を見ると、和風の家になる(笑)。

そりゃ設計士や工務店の感性や選び方もあるんだろうが、吉野杉や桧を使うと和風にしてしまう(一応、洋室もあるんだが、なんとなく和風(^o^)なんだな)要素があるように感じた。

今の住宅の需要、つまり施主の要望は、圧倒的に洋風だ。畳の部屋はいらないし、極力生活まで洋風化しようとしている。つまり木材の質とは別の「好み」の要素で住宅を選ぼうとしているのではないか。

ほんの少し前、国産材を売るための手段に「価格」を前面に出していた。安くするから買ってくれ、というわけだ。あるいは「国産材は高いから売れない」と言い訳にも使えた。

今は、安定供給とか強度・含水率、そして環境など材質情報の大切さが強調されている。

もちろん、それはそのとおりなのだが、すでに消費の現場は次の「趣味」「好感覚」の段階にまで進んでいるのではないか。その点を見落とすと、国産材はいつまでたっても売れないかもしれない。

普通に使うと和風になってしまうスギ材やヒノキ材を、いかに消費者の好みのデザインにするか……。もっと頭を絞らないといけない。

単に価格と安定供給さえ外材なみにすれば、国産材はどんどん売れる、なんて思っているから、森林林業再生プランは行き詰まるのだ。どんどん搬出するものの売れずにだぶつき、価格が暴落してしまうのだ。

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木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

はじめまして!すさみ町のベルと申します。
木のことについて詳しいのですね~
私もこの地に移住して12年になりますが木についていろいろなことを
聞きかじりますと心配になりとうとうマイブログのようなことをはじめました。
夢のような計画ですが、とにかく勉強からはじめようとしております。
またいろいろなことを教えてくださいよろしくお願いいたします。
bell

プロですから(^^;)。

ぜひ、木に興味を持って、木から森へ、森から地域へと関心を広げてくださいませ。

やはり、木材(原木や製材品)を輸出するではなく、
円高の状況ではありますが
日本文化や和風、和装を輸出していくような感じでしょうか。

木材や木製品だけでなく、イメージや雰囲気、食や生活様式までのトータル。日本スタイルのような感じ。

日本が世界でかっこいいという風になったらなあ。もっと。
その一翼をスギやヒノキが担うことができたらなあ。
そう思いました。みんな考えていることだと思いますが。

和風がダメなのではなく、今の和風は昔のイメージを引きずっているからダメなんですよ。若者からすると、数寄屋づくりなんて、ダサイですからね。
スギやヒノキを使って、世界中の人がオオッというデザインを考えてほしい。

この場をお借りします。

bellさんへ。

そちらへ、県の西牟婁振興局からも
「ヤバイマジヤバイ!国の政策通りにバンバン搬出事業させたら、御坊の共販所とか木材溢れかえって受け入れ拒否な始末。材価激下がりで山主のモチベーション下がりまくり、搬出事業を熱心に推進した森林組合ほど大怪我。森林総研すら材価見て、一度決めた搬出事業を計画撤回し始めた。このままじゃみんな共倒れするから、出荷量相談(=公的カルテル結成)するから集まれ~」w
の、指令が来ましたか?そっちは田辺、竜神市場(いざというときは「(偽装)吉野産」で奈良の市場に持って行ける)だから関係ないのですかね?
 まあ、和歌山だけでなく、全国でこんな様子のようですが。

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