死後、残るもの
古いパソコンを立ち上げる機会があった。ブラウザを開くと、「お気に入り」に懐かしいブログが入っていた。
「森田稲子のブログ」である。
以前、このブログでも紹介したが、森田さんは第1プランニングセンターの経営者であり、会員誌「日本の森林を考える」の発行人でもあった。たしか若いころは全林協に勤めて林業に触れて、その後もずっと林業界に心を寄せてきた人だった。
彼女は、2009年12月に亡くなっている。独り身だったため、倒れた際に発見が遅れたことが致命的だったらしい。そして遺品も処分されたと聞いた。関わった人から伝え聞いたのである。
が、ブログはまだ残されている。内容は私との議論も含めて、森林林業に関することが詰まっている。
ブログは、本人が消さないと残されるんだなあ、と改めて感じた。こうした更新が止まったプログをサーバーの判断で削除することはあるのだろうか。その場合も、何か基準はあるのか。
私が、このブログや森田さんに触れた主な記事。
http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2008/12/post-1aaf.html
http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2012/04/post-241e.html
私が急死した場合、残るのは著作のほかに、このブログかもしれないなあ。ああ、裏ブログもあるが。私の文章は、書籍や雑誌記事とブログで、あまりに違いすぎる、と指摘されたことがあるが、こちらも人格(の一部)なのよ。でも、こんな遺産残して大丈夫やろか。
ブログは一過性、というのが私の立場であり、だからこそ書き飛ばしているのだが、それを残していいのか・・・・。
盂蘭盆会にふさわしい話だったかな?
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うーむ。
コメントも遺産?として残るのだなあ。。
妙にしみじみ。
お盆だな。
投稿: 熊(♀) | 2012/08/14 23:11
世界コメント遺産というのを認定しますかね。
熊(♀)さんの抱腹絶倒のコメントは、候補に入りますぜ。
投稿: 田中淳夫 | 2012/08/15 00:36
大学を卒業した頃、農家林家にならなかった私に、「畑は頑張れ、山はほとんど手をかけなくていい状況にしていくから」とオヤジが宣言していました。今でもまだやっています。多分好きなんです。山仕事。最近は、画像だけでなく、動画もとっているらしいです。山の動画なんですが・・・・。
爺さんは、30年周期ぐらいで山は(価格は)良くなったり悪くなったりする、って言いながら、なくなりました。そんな話を聞いて30年が経っています。ちなみに、沢ギリギリまで植えたことや収穫にとても苦労する
投稿: 鈴木浩之 | 2012/08/15 12:55
すいません。
続きです。
ような斜面に木を植えたことも反省をしている様子でした。その話を聞いた時には20歳ぐらいだったのでピンと来なかったのですが、役場で林業を担当して分かって来ました。
投稿: 鈴木浩之 | 2012/08/15 12:58
そうした言葉を残した祖父、父に感謝、ですね。
私は引き継ぐものも、引き継がせるものも何もないから、ある意味気楽かもしれません。まあ、相続手続きにはそれなりに苦労していますが……。
投稿: 田中淳夫 | 2012/08/15 21:28