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森と林業の本

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2012/08/18

生物多様性至上主義

「ロビンソン・クルーソー」。「15少年漂流記」。漫画なら「ガボテン島」なんかも好きだったな。あるいはアフリカを探検したリビングストンやアンコールワットを発見したアンリ・ムーオなどのノンフィクション。

これらの共通点は、南洋のジャングルが舞台であること。だから私も南洋のジャングルに分け入るのが夢だったのだ。何があるかわからない、ごたごた詰まっている感が好き。その正体は、今なら「生物多様性」ということなのか。

そして初めて実現したのが、大学生のときに訪れたボルネオだった。

その後も幾度となくボルネオは訪問したが、だんだんジャングルに入るワクワク感より森林問題に目を配るようになった。でもジャングルの魅力は理屈じゃないだろう。

と、思っていたところに現れたのが、二村 聡氏だ(笑)。

以前、「バイオマス発電なんて」にコメントをつけてくださった二村・ニムラ・ジェネティック・ソリューションズ社長である。東京のセミナーにも来ていただいたが、彼の書いた記事が、日経ビジネスオンラインに掲載されている。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120727/235047/?mlt

そこで自らを名乗っているのが、「生物多様性至上主義者」という言葉(^o^)。

詳しくは読んでもらえばよいが、「経済政策」や「国家安全保障政策」よりも「生物多様性の保全」を重要と考える、「狂信者」なのだそうだ。地球温暖化や異常気象も、CO2の増大よりも森林の減少が原因ではないか、とする。

まあ、私も至上主義とまでは言わないが、生物多様性優先主義者なので(^o^)、なかなか納得できる。実はCO2の排出削減よりも、吸収量を増やすこと(森林の増大など)の方が簡単だと思うし、また温暖化してしまってからの対策の方が焦眉の急ではないか、と密かに思っている。密か、というのは、主張するほど理論武装していないからである(~_~;)。

そういや、すっかり影が薄くなったが、2年前の2010年は、国際生物多様性年であり、名古屋でCOP10会議が開かれたのであった。そして愛知議定書、名古屋ターゲットも決められたのである。ところが、いまだに批准したのは2カ国のみ。日本もまだ様子眺めではなかったか。

いまや震災の記憶さえ薄れがちだが、その前年のことも忘れないようにしたい。それに生物多様性がとくに高い熱帯のジャングルは、人と森林や林業の関係を考える際の基本と思う。

ついでに言えば、森に持つロマンの原点でもある(^-^)。

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コメント

こんにちは。私も生物多様性優先主義者ぐらいですかね。

で、一つ気になったことがあったので...
愛知議定書の批准が遅れているのは、各国とも国内制度の整備に時間がかかっているからだと聞いています。その証拠に、署名した国ははるかに多くなっています。
日本は議長国でしたし、当然批准することを前提に準備しています。が、まだ国内制度の検討をしている段階ですので(^^;)、批准まではかなり時間はかかりそうですね。

いずれにしろ、COP11までに発効できなくなってしまったことは残念ですが…

各国の事情はあるでしょうね(~_~;)。でも署名しても批准しなければ、条約としては進まないでしょうから・・・。

日本政府は、もう忘れている(やる気が落ちている)んじゃないかと心配です。

スリランカの家の庭は、それこそ生物が多様です。
人間が暮らしやすいように、
便利な植物を植えて作り上げたものですが、
それが見事な調和を生み出しているような感じで、
ジャングルの中に家が点在しているような錯覚を覚えます。
ある意味、そうですが。

だからでしょうか、そんなに暑さを感じなかったんですよね・・・。
日本よりずっと、赤道に近いのに。

よし、スリランカに行くときは、案内をお願いします。

人と自然が織りなす生物多様性の空間、見てみたい。

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