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2012/10/10

製紙会社ビルの屋上

先日銀座のビルの屋上で行われている養蜂を紹介した(vs田中淳夫)が、実は銀座の屋上は、ほかにもいろいろ利用されている。

その一つが、製紙会社(中越パルプ工業)ビルの屋上。

3


これが何かわかるかな?

栽培しているのは、コウゾとミツマタである。

つまり、和紙の原料。



もちろん、現在の製紙は洋紙であり、樹木の繊維による紙を作っているが、日本の紙の原点はコウゾやミツマタ、それにガンピなどの低木の繊維(主に皮)でつくる和紙である。

そこで、象徴的にそれらの植物を栽培しているのだろう。

かつて和紙の材料は、多くが林床で栽培されていた。スギやヒノキなど用材を得るための人工林の下に、コウゾやミツマタなどが栽培されたのだ。それは林床の有効利用であるだけでなく、森林経営にも重要な役割を果たした。

用材を育てて得るためには何十年もかかるが、これらの低木は数年で育つから、林家の収入源になりやすかったのである。毎年は、こうした林床で栽培する植物を収穫・出荷して収入を得て、何年に一度、太い木を伐採して大きな収入を得る……という構造だ。
これは、間伐材の出荷とも関係している。

……とまあ、案内してくれた製紙会社の人に、そんなうんちくを垂れようかと思っていたら、そこに現れたのが社長(^^;)。

そして社長に「森林ジャーナリストです」と挨拶すると、「私の実家も山を持っていてね……」と話し出して、その山ではスギの林床でコウゾやミツマタを栽培していたと語りだしたのである!

いや、参りました。釈迦に説法になるところでした。実は、この林床栽培の話で記事を一本書こうと思っていたのだが、止めます(^^;)。

しかし和紙だけでなく、現在の製紙だって林業には大きく関わっている。そのことを林業関係者も製紙関係者も忘れがちだ。

紙を見て森をイメージし、森を見て紙を連想するような関わりを持ってほしい。


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コメント

うちの山にもミツマタあります。

昭和の恐慌の時
ひいおばあさんがその「カミソ(和紙の原料)」でコツコツためてたお金を出してきて、危機を乗り切った
という言い伝えが残ってます。

花もかわいらしいですよね!

山には他にもいっぱい使えるものがあります。
今なにも活用できてないことに反省…。

林業地では、林床でコウゾ、ミツマタを栽培するのは当たり前の話なんでしょうね。それが危機管理にもなっていたのか。

本当に、いっぱいある山の資源を有効利用する方法を考えないといけないなあ。

たしか、岡山県の西粟倉村でも杉林の下に昔から栽培していて残っていたミツマタを見つけて,さらに増やして活用しようというプロジェクトが始まってましたよ。


日本の紙幣の原料のコウゾやミツマタはほとんどが中国からの輸入品であることをご存知ですか。
それがないと紙幣印刷が出来ないと、紙の研究者から聞いて、驚いたことがあります。
ご存知でしたか?

ミツマタってシカが食べないんです。

西粟では、もうやっていますか。

紙幣どころか、一般に和紙と呼んでいるもののほとんどが輸入材料ですよ。「紙漉きの里」と言っても、材料は中国製(^o^)。もっとも、最近はベトナムやタイなど東南アジアが多くなってきたそうですが。
なんとか国産和紙材料を増やしたいものです。

シカの食べない林床植物という点から栽培するのも、手ですねえ。

木材生産だけの「林業」という今のあり方が多分変なんだろうな~と思っています。

実は、林業が木材生産だけに偏ったのは近代になってから、とくに戦後の話のようですよ。
昔は、山林という空間を使って、いろいろ多くの生産物があったみたい。

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