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2012/10/25

木材とレンガの類似性

あんまり連日、『森と近代日本を動かした男』の話題ばかりでは飽きるだろうから……(笑)。

生駒の町を歩いていると、いかにもハウスメーカーぽい、ミニ開発地域に並ぶ住宅群。そこで見かけたのは、外装にレンガ素材を多用して統一した町並みをつくろうとした家々。

2






住宅の間取りなどは違うのだが、だいたい、写真のようなレンガ外装をしており、似た感じを受ける家々が10数軒並んでいた。



 

各住宅を区切る塀にも、レンガを使っていた。


1_3

わざと表面のくすみ具合が1枚ずつ違っていて、凸凹もあり、手づくり感を出している。結構、こだわったと見た。











が、目の肥えた読者ならわかるだろう。このレンガは本当のレンガではない。あくまで表面の外装としてのレンガだと思う。

本来のレンガは、土を焼いてつくった塊であり、構造材だ。レンガを積み上げることで家の壁や柱、あるいは塀そのものを作り上げる。
が、写真に使われているレンガは、薄くて構造材の表面に張り付けて外見をつくるだけのものだ。おそらく荷重はかかっていないだろう。中はコンクリートか合板張りか……。

ようするに、構造材であった素材が、見た目を補う材料として使われているのだ。

それも、それぞれ違った汚れを描いて、いかにも焼きむらがある自然素材のように……。

偽物だ! と糾弾したいのではない(笑)。

レンガに求められるものが変わったということだ。古代のピラミッドにも使われたレンガ、今でも南アジアや中近東では泥を乾燥して固めただけの日干しレンガもあるが、いずれも建築物の構造材として使われてきたのに、日本ではレンガの見た目を求められている。

これって、木材の今後を暗示していないか?

木材も、本来は構造材である。柱、梁、土台……ログハウスのように壁材と兼ねる場合だって珍しくないが、まず構造を支えて、それが内装・外装にもなっていたものだ。

しかし、今後の木材は、構造材としての役割をコンクリートや鉄骨、樹脂、あるいは合板やボードなども加えてよいかと思うが、構造部分は多くが別の素材に取って代わられていくだろう。

だが、木材の質感や感触も捨てがたい人も少なくないはずだ。

となると、表面だけ木材で覆う建築物が増えていくのではないか。荷重は支えないが、見た目の木材、触るだけの木材。それはレンガと同じ道筋だ。

外装・内装にこそ、木材は生き残る道がある。残念ながら、その道を本腰入れて進もうと考える業者が少ないのだが……。

とくに期待されるのはツキ板のはず。そう思って、昨日はツキ板の業界団体(全国天然木化化粧単板工業協同組合連合会)のシンポジウムを覗いたのだが……。それはまた別の話。

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木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

全く同意です

木材や石材、草材くらいしか建築材料がなかった江戸時代までと違い、
現代は構造材として様々な素材があります。

林業行政は

「日本の木の家は世界一ィィィィィィ!
もっと木材を使おう、いや使うべきだ、使わないのはけしからん、使え、お前ら」

キャンペーンばかりやってますが、
そもそも何で家を建てようが個人の勝手です。


特に耐震性を考えると、木材は絶対に鉄筋コンクリートに及びません。
僕個人も木材の質感は好きですが、
家を建てるなら構造材に木材を使おうとは全く思いません。


「百○住宅」さんなんかも、
外装・内装にもっとふんだんに木材を活用したらいいのに。
せっかく高性能住宅なのに外見のセンス無いもんなー(笑)

ともあれ、いつまでも「総檜の家」とか、「オール木材の家」
にこだわっていては林業界・建築界の未来はないでしょうね。

人工林は木の畑。
刈って使うために植えたんだから、有効活用しなきゃ。

木材業界は、やはりボリュームが出る構造材に使ってほしいらしい。
でも、それって業界の都合にすぎない。使う方が木に求めるのは、見た目・感触などです。それは、基本的に構造材と関係ない。

ほかの素材が建築分野にどんどん進出しているのに、木材業界が旧態依然としていては、勝ち目はないでしょうね。

・・・なんて話をうっかりして以来、

アウェイ感満々の某県農林事務所森林部勤務の僕

どこの県だろうなあ~(^o^)。

本日、町内に住むある方が私のところに来て、廃材中心ではなく、伐採木を中心にしたバイオマス発電をやったらどうかという提案をしていきました。それなりの立場の方なので、それなりの展開が今後あると予想されました。
町と近隣を含む推計蓄積量、その推計成長量、現在の推計生産量、推計伐採量をご案内いたしました。

その際に、話題として、この記事を早速使わせていただきました。相手の方の心にとめていただけるような話し方はできなかったかもしれませんが・・・・。

話が、やっぱりバイオマス発電に戻っちゃうんですよね。まあ、立場のある方なので、話題についていくしかないのですが・・・・。

目に留まる木材の使い方っていうのも、ある程度インパクトがある話題だと思うのですが・・・・。バイオマス発電の買取制度のインパクトに比べれば、明確な利点がないので、魅力を感じないのかなあ。そういう世の中になったんだなあとつくづく思いました。

収支計算ができる規模ではなく、うちの町で供給できる程度の規模でやったらどうかという追加提案まで受けました(泣)。

私としては、やっぱり構造材も大事。そして、見える、魅せる使い方、もっともっと増やしていかなければ!って改めて思いました。

なぜ廃材でなく、伐採したばかりの木を燃やしたがるのでしょうね。
もっとももったいない、そしなもっとも利益も出なければ労力もいる使い方なのに。
それも、熱利用でなく、発電……。
失敗例を集めて、説得してくださいね。

例の「森から委員会」でも、バイオマス発電だけは潰さねばならない、と思っています。

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