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森と林業の本

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2012/10/03

林業界悩みの相談室~空中戦のススメ

本日は、林業界悩み相談室のお時間でした(^o^)。

いや、単に林業・木材業界に籍を置いて、行政も肝入りの新規事業にとりかかったのに、まった業界は動かず、本当にこの事業は必要なの? と悩んでいる林業乙女の話を聞いただけなんだけど。

わざわざ遠路生駒まで訪ねて来られたのだからと、奥座敷・ラッキーガーデンに案内したところ、そのまま5時間も粘り(!)、しかも食事をするわけではなく、カフェメニューだけ。あんまりと言えばあんまりだと、お店の人は思ったのか、紅茶をサービスに出してくれるという特別待遇(^o^)。

と、ともかく、彼女が今いる世界(一部、過去にいた業界含む)の実情を聞かせていただいた。まあ、なんだな。山主と素材生産業と製材業界が対立したり工務店が絡んでゴタゴタしているぐらいならわかるが、実は林業界製材業界も、地域ごとに作業内容が違うものだから足の引っ張り合いをしているわけで、まったく処置なし。

そこでわかったのは、いわゆる「現場の声を聞け」「地域密着」が必ずしもうまく行く条件にならないこと。いやならないと言うと語弊はあるが、その方法でみんなの意見を尊重しつつ全員の納得を得て事業を進める……というのは10年20年とかかるということ。(それだけかけてもうまく行くとは限らないし、そもそも現代のスピード社会では、数年で事情は変わり、問題点も変化する。)

そこでオススメしたのが、空中戦。本来なら戒めることなのだが、地元の声が届かないレベルからピンポイント爆撃することだ。

もっとも、政治家使ってトップダウンとか、有名人によるキャンペーンなんてことではない。それは根っこで反発を呼ぶ。

むしろ各界のしがらみを振り払って、一部の賛同者と急降下でゲリラ攻撃し、ヒットエンドランで逃げる(~_~;)。クレームが来たら、ひたすら頭を下げて、翌日、またもやピンポイント爆撃。
クレームなんて、雲の上のよそ者には聞こえないのよ。

さらに、マスコミを利用した怒濤の褒め殺し。こんなスゴい新規事業を始めたのだ! とマスコミが持ち上げたら文句は出にくい。そして成功事例が出ると、反対者も、いつのまにやら付いて来る。まるで自分が企画したような顔をして。

肝心なのは、周りのクレームは聞こえないふりすること。この乙女は、地元民ではないから、事業を成功させたら去る覚悟でよいのだ。去る覚悟だから、期間内に目標を設定して、さっさと仕上げてしまおう……なんてこと、オススメしておいた。

もちろん、この戦略のモデルは、ラッキーガーデンである。

今やラッキーガーデンの周りには、飲食店だらけ。棚田の中の一軒家レストランが千客万来となり、気がついたら周りに類似のお店が次々オープンしている。

空中戦からゲリラ攻撃で、地域制圧もできるのだよ。

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コメント

ラッキーガーデンて、棚田の中の一軒家なんですか!!!!
それなら、山鹿にも物件ありそう・・・・・。

なんだかちょっと、夢の持てる内容でした♪

公務ですから、賛否はあると思いますが、
町内の事業者との連携の取組は平等になる(見える)ように超気を使います。でも、町外の場合は、割とピンポイントで連携できたりします。
不思議です。
消費は都市部に多いので、都市部で活動できる方々と連携も必要だと考えています。このことから、連携を模索します。
でも、本当は地元の方々とやりたいのです。でも、時間と手間がかかる。役所主体でやっては後が続かないし、収益を追求できない。責任の所在とリスクもあいまいになる。
事業者主体の方が、状況が変化した時に即転換や修正がしやすいし。
そんなこと思いながら仕事をします。

ラッキーガーデンは、誰も(地元の人以外は)来ない山の中でしたが、今や人の流れができてしまい、周辺にいくつも店がオープンしました。今や生駒山のホットスポットです。
もちろん、当初は(今もか?)軋轢がありました。それを蹴散らしての成功です。

やっぱり本格的な料理と、ロケーション、そしてサービスがあってこそですけどね。

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