川上村詣で……奈良では本は売れぬ?
奈良の川上村を訪れた。
以前、紹介した古事記の講演会があったからだが、もう一つの目的は、やはり『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』(洋泉社)の出版でお世話になった人に挨拶することである。
なにしろ、執筆に関しては、多くの村の人の世話になった。資料や情報を提供してもらった人は数多い。全員にはとても渡せないのだが、幾人かに会って、見本を贈呈してきた。また村そのものにも1冊贈呈。これは村長に渡してくる。
そして、土倉庄三郎の墓に詣でて挨拶。
これが、庄三郎の墓。意外なほど小さい。文字も風化が進んでいて読みにくくなっている。それでも手を合わせて御礼を申し上げてきた。
急に思いついてだったので、何の用意もしていなかったけど、お花くらい持参すべきだったな……。
ただ土倉家の墓域は、随分整備されてきれいになっている。
やはり、庄三郎の地元の人々に読んでもらいたいものね。地元で売れないようでは先行き暗い。また少部数の出版だけに、すぐになくなるかもしれない。後々、地元の情報として必要となっても、手に入らない可能性がある。
ただ、版元に言わせると、「奈良は、本の売れないところだよ」と。。。
奈良に関する本(ガイドブックではなく、郷土史的なもの)を出版しても、肝心の奈良では非常に売れ行きが悪いのだそうだ。奈良人は、あんまり自分たちの故郷に関心ないかしら。書店も少ないというネックもあるが。
たしかに遠慮深いのか、他地方の人には、古都奈良の魅力を熱烈に語る人がいるのに、奈良の人は卑下ばかりする。いや卑下ではなく、そもそも興味を持たないのだったら。。。
ぜひ、奈良人よ、自らの土地と人に眼を向け、奮起してほしい。奈良といえば飛鳥時代と平城京のような古代史だけでなく、その後も奈良は日本の中心だったのだよ。その証の文献としても、『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』を読みましょう。
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