無料ブログはココログ

本の紹介

« 映画『人生、いろどり』 | トップページ | 『森と近代日本を動かした男 』発行10日前 »

2012/10/12

内装材が普及しない理由

木材価格の下落が続いている。

日本不動産研究所の調査結果では、今年3月末のヒノキの山元立木価格(全国平均、利用材積1立米当たり)は6856円で、前年比でマイナス18,6%。過去最大の下落率である。
スギは2600円でマイナス8,4%、マツは1464円でマイナス7,2%とのこと。

理由は、ひとえに搬出はするが需要が伸びないことにある。だからだぶついている。だふづけば、出荷を調整すればいいのに、それも止まらない。

……それで思い出した。

以前から、私は木材需要の潜在的伸びは、内装・外装材にある、と言い続けている。無理に構造材に木材を使う必要はない。見た目や五感(感性)に触れるところに木材の価値はあるのだから。

しかし、なかなか伸びないんだなあ。理由は、内装材はわずかな反りや縮みも許されないからである。壁材に小さな隙間ができるだけで、クレームの対象になる。住宅メーカー・ビルダーは、それが怖いから使いたがらない。

かつてマンションの内装に国産材を使う技術を開発したという人を取材した。その人は、主にヒノキ材だったが、狂わないように木材を内装に使っていたのだ。(『だれが日本の「森」を殺すのか』収録)

つまり、技術的にはクリアできたという。そして価格もそんなに高くならない。実際に施工したマンションは非常に評判がよい。となると、どんどん普及するか?

しなかったのである。

その理由を、最近ひょんなことからある人から聞いた。

どうやら偽物が出回ったらしい。狂わないためには、当然乾燥をしっかりしないといけないし、いろいろ工夫がいるわけだが、そうしたノウハウを無視して、勝手に真似して半端物を売り出す業者が後をたたなかったとか。

結果として、彼のところまでクレームが来て、一生懸命普及した努力が無駄になって、彼もやる気を失った……ということであった。

まあ、それだけが理由ではないだろうが、この業界、なかなかまとまって改善しようとしないのだなあ。それどころか足を引っ張り合う。いかに他者を出し抜くかがテーマであって、業界を変えることにはつながらない。

林業界・木材業界・工務店もうまく連携しないし、業界内でも分野が違うと協力しない。出荷調整して材価を上げる努力するより、補助金で稼ぐことを優先したり、山主を食い物にするケースもある。

また、私のやり方が一番正しい、と断言する人も多い(^^;)。森づくりにしろ、伐採搬出にしろ、あるいは工法なども、他者のやり方をこき下ろす。私が同じように頑張っているほかの業者や、技術・工法のことを質問すると、途端に悪口を言い出す例が少なくない。

きっと、木材価格の下落も、これで儲けられるんじゃないか、と考えている人がいるから止まらないのだよ。

« 映画『人生、いろどり』 | トップページ | 『森と近代日本を動かした男 』発行10日前 »

林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

全く以て、おっしゃる通りだと思います。

簡素な感想をありがとうございます(~_~;)。

単なるプロトタイプではなく、ちゃんとしたものとして始めた取組が後発のテキトーな行動によりやる気を失う・・・・。価格の競合もあったことでしょうけれども、大変残念なことです。
私も、先行事例をパクらせていただいている場合もあります(大半がそうだと思われますが)が、先人の邪魔だけはしないように気をつけているところです。
FSC森林認証を取得した時も、事務局として当グループの活動によりFSCの信頼性を失わないようにグループのメンバーと話をしたことを思い出しました。今では、ある程度のレベルで取り組みができていると(足りない点はあるわけですが)事務局として自己評価しています。
木材利用の方では、やり始めたことが先行者と完全にバッティングして(確認しない方が悪いのですが)途中でやめることがあったり、信頼して連携を始めたけれども、やっぱりや~めたって脱落する人が出たり、いろんなことがあります。それは、主導する側に「強固な気持」があったとしてもおこりうることだと感じています。実際に、この会社と組んで名をとどろかそうと思って2年ほどやってきたプロジェクトが相手様の意向だけで(というか勝手に)とん挫したこともありました。
でも、私はあきらめません。また、新しくプロジェクトが何個か動いています。プロジェクトというにはあまりに小さいですけれども・・・・。信頼できる人と話し合いを繰り返して、酒を酌み交わして、進めていくことが大事だし、異業種の方に入ってもらったり、たまには大風呂敷を広げたり、そんな本筋とは関係ないような行動を加味していくことが継続するきっかけになるのかもしれません(単なる私の例ですけど)。

鈴木様は、林業系公務員の鏡です! (笑)

後発の業者が現れるのはよいことなんですよ。先行者もライバルが現れることで切磋琢磨する。全体のパイを広げる効果も大です。
ようするに、先行者の築いた信頼(ブランド)に乗っかっていい加減な商品を出す、いわば詐欺行為が問題なわけで。

そしてバッティングも含めて、試行錯誤を続けるしかないのです。私も、何年も取材して、土壇場で先行者がいることがわかって断念した原稿と資料をいくつか眠らせております。
かのiPS細胞の山中教授も、10試して9失敗するのが研究だ、と言っているではありませんか(笑)。

田中様
最近は鏡が曇り気味で、何か打破するきっかけを探っています。
今日は、ある方からある施設でブレストを誘われたのですが、他に用事があって行けませんでした。その業者の方は打破のきっかけになる方だと密かに期待をしていますので、近々時間を見つけて面談をしていただこうかなあと思っています。相変わらず、雑貨とか家具とかの分野ですけど・・・。
建材の方は最終製品までかかわることが難しいし、チェーンを新しく作るときに難しい部分があるので、雑貨かぐ分野での動きのままになっています。建材の方は、業界に頑張っていただこうかなあって。
今日は、すごく遠くからわが町の山をわざわざ見に来てくれる方がいます。自伐林家が対応しますが、面白そうなので同行させていただくことにしました。FSC森林認証認証林エリアなので、相応の管理経営をしていますが、まったく環境が違うところの人がどんな話をしてくれるのか、それにうちの林家がどう応え、話が進むのか、はたまた私は黙っていられるのか、チョー楽しみです。

視察者が来るというだけでも、随分な進歩ですよ。
外部からの目を入れることが、きっと何かを生み出すはずです。

視察者、取材など微増中です。インパクトがあったのは、BS朝日テレビの取材。放映があったのは少し前ですが、そんなのが増えています。まあ、我々の場合は視察を受けるというよりも、山の中で現状を見ながらブレストをする、そんなイメージで進めています。
そんなこともあって、木材流通業者さんとか木工屋さんとかも来てくれるようになってきました。
県の職員の上層部の方も来ます。緑化推進協会のツアーもありました。
林家や山主、森林組合、町職員、そのシーンに合わせて対応しています。あるいは組み合わせ、場合によっては集合を掛ける場合もあります。

受け手側のメリットは非常に大きくて(科学的データにはなりませんが)、林家や森林組合の意識が徐々に変わっているように感じますし、責任も自覚するようになってきています。私ども町職員も勉強しないと恥ずかしいので、努力をしています(笑)。

もうちょっと、需要につながらないかなあ。

 内装材が普及しない訳、言われていることはもっともだと思います。
 林業界は他の産業からみるといい意味での改革が相当遅れているこ とはたしかです。

 

おや、業界関係者ですか?
もしそうなら、具体的なこと教えていただければ幸いなのですが……。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36391/55876061

この記事へのトラックバック一覧です: 内装材が普及しない理由:

« 映画『人生、いろどり』 | トップページ | 『森と近代日本を動かした男 』発行10日前 »

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

森と林業と田舎