クローズアップ現代「眠れる日本の宝の山」
NHKの「クローズアップ現代」が、林業を取り上げた。
タイトルは、予告時よりどんどん変化して「国産林暴落の衝撃」だったのが、「日本林業は自立できるか」となり、最終的に「眠れる日本の宝の山~林業再生への挑戦~」となったようだ。
※国産林というのも???だけど。国産材の誤字? 国産林業?
予告では、国産材の価格暴落を取り上げるような様子だったのに、放映されたものは、暴落話は導入にすぎず、しかも森林・林業再生プランを、まるでそのための対策かのような表現で紹介する。
反対である。再生プランが材価を暴落させたんでしょ……(-.-)。再生プランでは需要喚起も取り組んだようかに紹介しているが、私はそんな事実を知らないし。
しかも、再生の動きに西粟倉・森の学校を取り上げている(でも、なぜか製材所扱い)けど、再生プランの実践とは真逆の取組例じゃないの?
う~ん。きっと、この番組を見た林業に心を寄せる人の間では、議論百出、百花繚乱ではないか(^^;)。
ちなみに私の脳裏に浮かんだ言葉は、鉄面皮であった。。。
コメンテーターとして登場した梶山氏、肩書は富士通総研を使っているが、「元国家戦略室の内閣審議官」を使うべきだと思う。だって、森林・林業再生プランをつくった当事者なのだから。それを第三者の顔で評論するなんて……そんな他人事、もとい客観的な評論は、私に任せておきなさい(^o^)。
おそらく、タイトルだけでなく、プロデューサーは林業を取り上げようと思ったものの、焦点を当てるテーマに何にすべきか迷走を重ねたのだろう。材価暴落?始動した森林・林業再生プラン?各地の新しい動き? 頭を絞ったけど突破口が見つからず、取材したネタを丸めた団子のような総花的な扱いになってしまった……しかも現在の政策批判もできなかった(横やりがあったのかしらん)。
そんな作り手の迷い・戸惑いぶり・苦悩、そして能無しが伝わってきた番組だった。
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私も番組を見ました。
感想としては、まずNHKが30分番組で林業を、木材利用まで含めて、編成したこと。それが全国放送だったこと。そのあたりにありがたさを感じました。
梶山さんや牧さんには失礼ですが、林業家や作業員にも、現場のことから国策まで話ができる人材がいると思います。
今後、そんな方々にも着目した内容の番組が放映されていくことを期待しています。
そして、そこに一般の国民の話とかも織り交ぜてほしい。
あるいは、朝まで生テレビ方式の討論番組とか・・・・。生でなくてもいいけど(っていうか生ではやれないと思う)。
投稿: 鈴木浩之 | 2012/11/14 08:31
番組に対する林業的評価はさまざまだろうし、エールを送る人も、怒り心頭の人もいるでしょう……(^^;)。
ただ私は、番組の出来という点から感心しません。政策立案の当事者をコメンテーター(第三者)のスタンスで発言させるのはどうかと思うし、編集構成の面から見てもテーマを絞りきれていない。25分の番組で総花的な状況を描いても訴求力が落ちると思いますね。
投稿: 田中淳夫 | 2012/11/14 11:26
明らかにムカついてる国谷祐子キャスターと
少し後ろめたそうな(しかも最初だけ、後半開き直り&当事者意識なしモードな)梶山氏コメンテーターが
とても印象的でした。
投稿: 島崎三歩 | 2012/11/14 12:25
ムカついているように見えましたか(笑)。私も、会話が噛み合わず、いらついているようには感じました。
もしかして、梶山氏は、事前の打ち合わせとちがうことをしゃべったのかもしれません。
投稿: 田中淳夫 | 2012/11/14 13:27