無料ブログはココログ

本の紹介

« 皆伐と択伐はどこがちがうのか | トップページ | 紅葉の林床に……in 奈良女子大 »

2012/12/01

「主伐」という言葉は誤訳?

このところ、林業の伐採に関する言葉をいろいろ扱ったが、その中に登場しなかった「主伐」について考えてみよう。

そもそも「主伐」とは何か。文字通りに捉えれば、主なる伐採であり、育てた人工林を全部伐採して大きな収入を得ることを意味しているように思える。

が、主伐に該当する英語は、ファイナル・カッティングである。つまり最後の伐採。主なる伐採ではないのだ。本来なら最終伐採、終伐とでも記すべきだろう。ウが抜け落ちてたんだね。

考えてみれば、植林からじゅんじゅんに間伐を進めて、最後に残った木を全部伐採する作業なのである。では、間伐材と終伐材のどちらが収入が多いか、決めつけできるだろうか。

もしかしたら間伐材の方が収益を上げる場合もあるのではないか

そう考えると、「主伐」の「主」という漢字を使うことが、無意識に施業に上下関係を付けるよう助長してしまうのかもしれない。経営上大切なのは主伐だと思い込んだり、間伐は利益が出ないもので切り捨てでもかまわないと決めつけたり……。

終伐なら、単に林業サイクルの最後の伐採を指すだけになり、誤解しなくてもよい。

これが択伐などで複層林施業などを思い浮かべたら、全部伐採する(皆伐)ことはしないわけだから、終伐は存在しない。常に抜き伐りで木材を得て収入にする。

« 皆伐と択伐はどこがちがうのか | トップページ | 紅葉の林床に……in 奈良女子大 »

林業・林産業」カテゴリの記事

コメント

漸伐には「終伐」が定義されてますね。予備伐、下種伐、受光伐と来て更新を担う幼木が揃った段階で母樹を伐採する「終伐」を行い、その代を終えて次の代にうつる。

依然誰かに聞いたのですが「伐採とは更新技術の一つであって、更新方法によって伐採方法は自ずと決まってくる。金だけがその主眼であってはいけない。」と。
どんな方法の「伐採」でもかまいませんが、更新(持続)が前提の話であるということだと思います。

またずれた・・・。

どこが始まりで、どこが終わりと考えるのではなくて、「循環」の中に植林も伐採もあると捉えるべきでしょうね。

ちなみに「持続」「持続可能」という言葉も、なんか違和感。昔は(林業用語として?)「保続」という言葉を使っていた記憶があります。

間伐材という言葉の独り歩きがよくない。
この言葉のイメージを作り上げてしまったこの業界は反省すべきだと思います。
何かにつけて、”これ間伐材でできているのですか”とよく聞かれます。
間伐材という品質の材木はないのに。
なので私はなるべく、間伐材という表現を使わないようにしています。(なので割箸の説明にも間伐材とはつかっていません)

間伐、主伐という流れが、間伐材を一等下に見るのかもしれないですね。

適時に伐採する、適伐とか、なんか新しい言葉を作りたいものです。
すると終伐が暗くなるかもしれん(笑)。

特に吉野林業では長期間を行いますから、小径木の一般的な間伐材と混同されると困ります。
50年生でも100年生でも吉野では間伐材ですからね(^_^;)

吉野材の割り箸などには、樹齢80年以上の木を使いながら、間伐材マークを付けていますね。あれ、間違いではないけど、なんかヤバくない?(笑)。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/36391/56231972

この記事へのトラックバック一覧です: 「主伐」という言葉は誤訳?:

« 皆伐と択伐はどこがちがうのか | トップページ | 紅葉の林床に……in 奈良女子大 »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

森と林業と田舎