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森と林業の本

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2012/12/26

樹木葬と墓地林業

今年も押し迫った。そして1年を振り返る企画がテレビなり新聞なり雑誌なりで行われている。なかでも、物故者の紹介は大きなテーマだ。

 

我が家も身内が亡くなったが、ほかにも知り合いで亡くなった人が多く出た。そんな年回りなのだろう。

 

我が家は、ありきたりの葬儀で済ませたが、墓を用意する過程で知ったのは、「永代供養」とい言っておきながら、実は30年で打ち切りということだ。延長料金(!)を払わないと、30年過ぎた墓は撤去されてしまう。

 

そして、生きているうちに撤去する例さえあるという。墓を守ってくれる子孫がいないので、代々の墓を処分して、自分は散骨など跡に残らない方法を選ぶのだそうだ。

 

そこで思いついたのが、樹木葬だ。墓石の代わりに樹木を植えるわけである。日本では岩手県一関市の寺院が発案して、里山保全をかねる形で展開されたと読んだ。そして新しい試みとして各地に広がった。やり方も、さまざまで散骨に近いものもあれば、木の壺に骨を入れて埋める方法もあるらしい。ただ管理のやり方には工夫がいる。間伐はどうするのか。枯死したら、困ったことになる。そしてあまりに大木に育ったら、それはそれで困る(^^;)。

 

 

 

ところで、樹木葬に近い形態は、世界中にある……というよりちゃんと制度化しているそうだ。

 

ドイツやスイスは結構進んでいるらしいが、とくに韓国は国が主導して樹木葬を広めたという。もともと韓国では儒教の影響からか土葬が多く、しかも結構な面積を費やしていた。それが森林破壊を生み出すまでになったというのだ。すでに国土に占める墓地面積は1%を超え、その墓地面積も一人当たりで住居の3~4倍も当てられていた。おかげで墓地不足も酷くなったのだ。

 

1990年代にキャンペーンが繰り広げられ、政府は火葬を奨励するようになったが、さらに樹木葬も推進した。埋葬で森林を壊されるのではなく、埋葬で森を作り出そうという発想だ。そのため制度も整備して、国有林も提供したらしい。

 

 

 

樹木葬林も誕生した。なかなか上手い方法だ。墓参りが森林散策になったりするし、山村と町の交流にもなる。そして一定のお金を地元に落とす。地域振興にもなるわけだ。もちろん森林保全にはもってこいだろう。簡単に「開発」を言い出す業者はいない(笑)。

 

日本でも、同じような発想で取り組んでいる例を知っているが、制度がイマイチ整備されていない。もっとシステマティックに仕立てると、機能すると思うのだが。

 

いっそのこと、森林葬を提案してみよう。植えた樹木に立木権を設定して、売買システムを作り上げる。間伐や太すぎて択伐する場合は、その分の木材に相当するものを提供する。途中で枯死した場合は、なにがしかの権利買い戻しを行う。また公園としての収益も計上する。一種の分収林である。

 

これで墓地林業を展開しよう……。ちょっと無理があるか。

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コメント

墓地林には伐採反対という意見が必ず出るので、土地の有効利用という観点からはどうでしょうか
あと、墓地で育った木材に対して需要は無いのでは?

ダメですかねえ。植えてから4,50年たったら、忘れてくれないかな(^^;)。大々的に「再生の儀式」をして、「伐ることで、魂は新たな次元に飛び立つ」と御託を並べたら……。

木材は、大量に出るものではないので、わずかずつ墓地林の施設に使うとか、大木になったら仏像彫るとか。護摩木なんでどうでしょう?

ある町民の方と半年ほど前に樹木葬について密談(大袈裟、立ち話程度)をしています。
檀家の手前もあるので、ぼちぼちと(お墓名だけに・・・・)。
立ち話で終わりそうな気配もありますが。。。。

ということで、このブログ記事のダイレクトアドレスを先程その方にメールしました。

檀家の手前って……ご住職ですか(~_~;)。
ぜひ挑戦してほしいですねえ。ま、この記事は、「思いつき」の域を出ませんが。墓地で林業やるというより、森づくりにつながれば面白い。

樹木葬墓地をやっているお寺さんの自然学校で、活動してます。
ステキな園内の好きな場所に埋めてもらえますが、一人一本ではなく、全体のレイアウトをデザインするのはお寺側。
どちらかというと公園墓地といった感じ。
これなら混みすぎることもないかと。
森林の中に入りたい人には物足りないでしょうけど…。
需要は多いそうですよ。

まだまだ、樹林であって森ではないということですか。

今後の墓地の方向性かもしれませんね。少子化・無縁化で墓を守る子孫が減っていますから。

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