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2012/12/04

誰も損をしない構図~「外資が森を」

本日は、某新聞社の記者が、「外資が日本の森を買い占め、水資源を狙っている」問題について取材に来た。

この件を取材して回ったが、まともに外国人が森を買っているケースは見つからなかったし、水を狙っているという根拠も発見できなかったという。誰もが明確な証拠を持たないのに、言説だけが一人歩きする不思議。その中でようやく行き当たったのが私だったという。

この問題で、表に出て真正面から否定しているのは私だけらしい。考えてみたら、これは恐ろしいことである。証拠もないのに、マスコミが情報を広げ、議員が動き、それを規制する目的の法律や条例が次々と作られていく……。そして異論さえ出ない。

そこで、生駒山を案内しながら、持論を展開した。と言っても、内容はここ数年間、折に触れて本ブログで書いてきたことをまとめたようなものである。だから紹介する必要はないだろう。

ただ、私の意見だけでなく、彼が取材の中で出てきた事実や蠢く人々の状況から「なぜ、こんなヘンな事態が展開され、何年たってもモグラたたきのように消えないのか」という点に、興味が湧いた。

すると浮かび上がってきたのは、「誰も損をしない構図」であった。

最初に騒ぎたてて、レポート書いた輩からすると、自らの影響力を世間に示し、本を売って講演して……と儲かる商売と化している。

それを真に受けたか利用しようとするのは政治家たち。ナショナリズムを煽るのは、ヘタな公約より簡単で責任を負わずに済む。有権者たちに利益をもたらさずに勇ましさだけで集票が期待できる。総選挙が告示されたが、ナショナリズムが大手を振っている中に、外資が森を買っていると叫ぶ候補者も少なくない。。

林野官僚からすると、無駄な仕事を増やしやがって……という恨み節は聞こえてくるものの、結果的に調査費なんぞの予算が取れたり、林野行政という地味な分野に世間の注目を集められて、案外満更でもない様子。

そして、「外資が狙っている」噂をばらまいて、一山当てようと蠢く山林ブローカーたち。

山主だって「外資に売られたくなかったら買い取ってくれ」と国や自治体にかみついたり、金満家に高く売りつけるチャンスを狙っている。

もちろん森林組合だって、これをネタに「ちゃんと管理するためには……」と補助金の増額を訴えている。

騒いでいる市民から議員まで、実際のところ、自分たちの腹は痛まず、威勢のよい外資(中国)批判を声高に叫んでストレス解消。マスコミは、センセーショナルな記事を書いて部数が伸びれば万歳だし、しょせん書きっぱなし。

正直言って、誰も損をしない。マトモな頭を持っている人は、水資源狙いで日本の森を外国人が買うことはありえないことを知っている(実は、煽っている中心部にいる人ほどわかっているはずだ)。が、良心のかけらもなく、煽ることに意義がある。

そうか。皆が損をしないから続けていられるのだ。そして、皆がなにがしかの利益を得られているのだ。これでは、間違っていると薄々感じても、誰も止めない、いや煽る。
本当は、高く売りつけられた上に、いわれのない非難を浴びせられる中国人などが怒り、損をしているように思うが、別に日本国内の批判なんて痛くもかゆくもない。実は彼らだって投資感覚で土地を購入しているのだから、リスクを背負いつつ一攫千金狙いでもある。

あああ、損をしているのは、私だけかもしれない。本ブログでこの問題を否定し笑い物にしているだけだが、これで結構仕事を失っているよ(;_;)。

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コメント

私は、経済的な損失は受けていませんが、否定することによって、真剣に心配している一部の住民の皆さんからの信頼を失っている模様です。
心配されている方々の根拠はマスコミや政治の流れ。私の根拠は実例が確認されていないこと。
心配されている方からにとって、私はノー天気なバカ役場職員というわけです。将来そうなったら、お前責任どうやってとるんだ!という意見です。

あとは、外国人に売りたがっている方も。そうしちゃう前に町で購入してくれないかなあ、という相談。町ではその山林は購入しないのですが、外国人に売ることができたのだろうか。その山林は、今のところ所有権の移転はないようです。なんで、売る相手が誰でもいいはずなのに、あえて外国人に売るという話を私に持ってきたのか・・・・。

個人的に担当者としてビビっていたり、牽制している想定案件は別のところにありますから、そっちはマークしています。

クレームを付けてくる住民は、山林を持っているわけではないんでしょうね。山主なら、心配なら売らなければいいわけだし(本当に買い手が現れたらの話だけど)、本音は高く売りたいのでしょう。

信頼を失う損失を負った鈴木さんは御愁傷様。ストレスの捌け口になってしまってます。「森林を心配してくれて、ありがとう! いっそ、日本の森林のために国産材を買いませんか」と売り込みましょう。

・・・某新聞社って、東京新聞ですか?それとも中日新聞でしょうか?
(爆)(^^;)

 なにはともあれ、この件で動く新聞社がいる事はいい事・・・だと思いたい
です・・・(^^;)

 >誰も存しない

 たしかに、その視点というか、考えは無かったですね~だからこそ、
妙な感じで、思い出したように沸いてでてくる(^^;)

 でも、こうした流れや「空気」を「悪用して」、詐欺を目論む輩がいて、その
被害者は損していますから、やっぱりこの「暴論」はなんとかストップの
方向でマスコミなどが動いてほしいのですが・・・無理かな~(^^;)

今年5月から取材をしているそうですが、記事になったら紹介しましょう(^o^)。できれば選挙期間中にぶつけたい、と言っていたが……。

詐欺の被害者はいますねえ……土地を高値で買わされた中国人とか。。実際、これは原野商法ですから。売りつけた方が日本の益となる。あああ、こんな「暴論」言ったら、また仕事が減るか(>_<)。
日本人の皆さんは、詐欺に引っかからないでくださいね。使い道のない山林を高値で買える金満家の皆さんは。

何事も、存続するには「誰も損をしない構図」もしくは、「損をしていると感じない構図」が、必要なのね。(シミジミ)
「自分は損していて、誰かが得しているっ。」って言う人が多い産業は存続のためには、これを見習わないといかん。(^_^;)

私も講演とかでこの問題を質問されることがあると真っ向から否定してます。いろいろ理由を説明するんですけど、いつもほとんど口論になりますね(-"-メ) 
まあ、私は田中さんみたいに取材して歩いているわけではないですから、情報が少ないので、最後は「じゃあホントだったら責任とれるのか」って、口封じされてしまいます。一部の材木屋さんからは「素人のくせに」と陰口をたたかれ・・。

いやいや、この問題に素人もなにもあるかーっ!!と叫びたい。

あさださん
>最後は「じゃあホントだったら責任とれるのか」って、口封じされてしまいます。

「じゃお前が山を買えよ」(もう少し丁寧な言い方は可能)と言い返すことはできませんか?

水俣の山を買って巨大産廃処分場を作ろうとしたのは日本資本、後ろについていた銀行も日本資本でした。

「外資が森を」という情報操作は、田中さんが指摘するのとは逆に、みんなが得する構図ではないでしょうか?
根も葉もない情報をあたかも本当のように情報操作することで、
山主は誰も買ってくれない山を高く売ることが出来るし、
政治家や官僚は法律を立案して仕事ができるし、
森林組合も市町村に森を買えと言えるし、
三方よしの構図ですね。
唯一それが嘘だという某森林ライターだけが、損をする(笑)

某新聞社が、正しい事実を報道して、噂が事実に反していることをキチンと記事にして欲しいものですね。それが本当のマスコミの役割です。

皆さん、少数ながら孤軍奮闘されている人はいるんですね。。(シミジミ)

ある意味、反論するマニュアルが必要かもしれん(^^;)。まさに心配な人が山を買えばいいんです。間違っても税金を投入してはいかん。公有化こそが、もっとも山を荒らします。
同時に高値で国や自治体に買い取らせられたら、既存の山主だけでなく、すでに買った中国人も喜ぶでしょう。

たしかに「損をしない」ではなく、「得をする」と見てもいいかもしれません。タイトルを換えようかな…。

>唯一それが嘘だという某森林ライターだけが、損をする(笑)

(泣)

10月にあった報道どおりだと、
あと15万9,853年で日本中の森林が外資に…。

日本中に知らせないとね!

へへっ。

記者には、このブログで扱った「外資が森を」騒動の記事を紹介しておきましたよ(-_^)。

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