今日は、朝から雪。なかなか冷える。となると、やはりストーブに頼るわけだが……。

ここで考えたいのは、薪ストーブ。いや、薪燃料。
16日に、日本薪協会の設立大会が開かれるそうだ。これは、基本的に薪ストーブや薪ボイラーに供給する薪に関した活動をするのだろう。まだ活動内容は、よくわからないが。。。
各地で薪ストーブの見直しが進んでいる。先の森林総研の報告会でも、薪ストーブの普及に関する研究がなされていた。
かねがね木質バイオマスに関する疑問を呈して、木質バイオマス発電など愚の骨頂、熱利用だって、木質ペレット推進などについては、日本三大林業愚策の一つだと発言して各所から反発を食らってきた私である。
しかし、まともに考えればわかるはず。1~3割程度の発電効率では木質(エネルギー)の無駄遣いだし、燃料化も加工すればするほど熱量が失われるからである。ペレットのように木粉にしてまた固めるなんて、馬鹿げているだろう。また遠くに移動させるのも輸送エネルギーを考えれば再生可能エネルギーという自慢の意味が薄れる。
その中で、かろうじて見込みのあるのは薪利用だとも言ってきた。薪は加工度が低く、しかも一般的に利用は地場であるから、輸送距離が短い。何より炎を楽しめれば、情操面の利点がある。
だから今般の薪に対する世間の注目は、私がいかに先見の明を持っていたかを示しているわけである( ̄^ ̄)。エヘン
が、流行れば、それが本当に正しいのかと茶々を入れたくなるのが、私の悪い癖(^o^)。
そこで、改めて薪利用に関する疑問を振り返ってみた。
ここでは薪の流通ルートが整備されていずに調達が大変とか、価格がどうかとか扱い方が難しく点火しづらいとか、あるいは本気で薪需要が膨らんだら山が荒れるかも……なんて従来のイチャモンは付けない。
ただ薪、つまり木質燃料の持つ熱量が低いのは、如何ともしがたい事実なのだ。いくら加工度が低くても、元から内包しているエネルギー量は、全乾でも石油系燃料の約半分しかないとされる。つまり同じ重量があっても、熱は半分しか発生しないわけだ。実際はどうしても水分を含むから、もっと低いだろう。そしてかさばる。保管のための空間を多用する。
これはコストだけでなく、生産・運搬から保管や燃焼までエネルギーと空間と時間の効率が悪くて、多くのロスを生み出しやすいことを意味する。決して、燃料として優れているわけではないのだ。
……にもかかわらず、薪ストープ礼讃者は、薪のすばらしさを訴える。とくに不可解なのは、「薪の方が部屋が温まる」というのである。
よく温まる? なかなか冷めない? 暖房に止まらず、さらに薪で沸かした風呂や調理まで一般のガスなどより心地よいという体感報告。なぜだ?
単に、石油系燃料より大量に燃料を消費しているだけではないのか。石油の2倍以上燃やして、ようやく同等の熱量が発生し、3倍くらい燃やして「薪は温かい」と言っているのかもしれないよ。
もしかして、「薪はもったいない?」(あっ、このタイトルで本書こうかな。)
木質バイオマスはガンガン使っていいんだよ、と認める(開き直る?)のなら納得だが、そうでなく「だって、使ってみたら本当にそうなんだ、薪は燃料として優れているのだ」と言い張るのなら、その効果はどこから生まれるのか、研究してほしい。もし証明されなかったら、過大主張(広告)だ(笑)。それとも、「薪には樹木の生命を取り込んだ神秘の力が宿っている」というか。
結局、薪燃料がほかの燃料より優れている点は、情操面に限られるのではないか。もし効率のよさが証明できたり保温効果などが理論的に説明できるのなら、それこそ薪利用に弾みをつけられるだろうけどね。
以上、こうした問題点の指摘は、決して私が薪ストーブを所持していないからではないよ(⌒ー⌒)。
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