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2013/01/28

選木は碁盤で学ぶ

昨日まで丹波を訪れていたのは、木材コーディネーター養成講座の講師としてだった。

地元関西圏だけでなく北海道や岩手からの受講生もいて、また身分も森林組合の職員から製材所、建築家、行政関係者まで幅広く、また多くの人が個人的に受講していることを知り、「学ぶ」ことへの熱心さに心打たれるものがあった。

そこで思い出したのは、先日の吉野の視察である。

清光林業の岡橋会長に案内していただく中で、間伐のやり方についても伺った。基本的には、山を預かる山守が行うのだが、間伐の選木法は、吉野林業は間伐にあり、といわれるほど重要なのだ。なんしろ1ヘクタール1万本と言われるほどの苗を植え、弱度間伐を幾度も(過去の例では林齢80年に達するまで15,6回したそうだ)繰り返しつつ、望む森に仕立てるのだから。

その理論はいくつもあり、劣勢間伐あり優勢間伐あり永代木施業あり。永代木施業は今流行り? の将来木施業とも少し違っていたりするし、実にきめ細やかな考え方から、山守が行ってきたようだ。

しかし、その選木法をどのように身につけるのか? そして学ぶのか?

すると面白いことを教えてくれた。

通常、山主によって山守は違う。同じ山主の山でも場所が違えば担当する山守も違うことも多い。だが、間伐する際には、担当の山に関係なく集まって行うのだそうだ。とくにベテランの親方の選木に中堅若手は同行する。そして選木法を見て覚える。ときに任せられて評価されたりする。ようはOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)。山守同士の勉強会みたいなものである。ベテランが若手を鍛えるのだ。

今なら別会社、ライバル会社の新人も含めてビジネスのイロハを教えるようなものだろう。

そういや落語界でも、師匠がやらない噺は、ほかの師匠のところに通って教わってもよいそうだ。お互いの弟子が行き来して勉強するのである。

同じことを吉野林業はやっていたのだ。とくに昔は、山から山へと選木して回ると自宅に帰れず、夜は一緒に旅館などに泊まる。すると碁盤に碁石を並べて選木の研究をしたという。

「こんなふうに木が並んでいたら、お前なら、どの木を選ぶ?」
「……これです。あ、いやまてよ、こちらの木にします」
「ほお、この木を寝かしても(伐っても)いいのか?」
「親方、オレなら、この木を……」
「おやおや、本気か? これまで何を見てきたんだ」

……なんて会話、碁盤を囲んであったのかもね(^o^)。

ビシバシきついこという親方もいただろうなあ。こうして鍛えられたからこそ、吉野の技術伝統は守られたのだ。

残念ながら、現在はめっきり間伐も減ったし、山守も個別に動くようになって教育機会も減ったそうだ。山守だって、伐った木を出荷して、その売値が自らの収入に直結するわけだから、今ほど材価が下落したら昔のように理想の森づくり的選木ばかりしていられないのが本音ではなかろうか。

しかし、本気で伝承方法を考えないと、体系化していない選木技術は消えてしまいかねない。かといってマニュアル化しても文書のような形で残しても伝わらないだろう。やはり、現場を歩いて直に聞かないと。。。

8

 


中島彩さんも、熱心にメモ取っていたなあ。

 


私は手ぶらで震えていただけ……(^^;)。


そして、パッと見には、ライバル関係だったり異業種同士が集まり交わりつつ学ぶ機会も必要だろう。そして厳しくビシバシ評価されて、めげながらも頑張って身につけていくのだ。

あ、これは何も私が皆のプレゼンに対して厳しい講評を連発したことの言い訳じゃないよ(~_~;)。

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コメント

そ、そんなに厳しい講評だったのですか。。
ムチとムチとムチとアメとムチと・・・・みたいな?
(↑想像)

そこに反応するか! まあ、たしかに1残3伐の列状間伐のような……。え?

後で気がついたのだけど、前夜に私が講演しているわけで、これはいわば私のプレゼン。その翌日に皆がプレゼンしたわけだから、見本の役割があったわけだ(°o °;)。案外、みんな「昨夜の講演、講評したろか」と毒づいていたりして。

先日はありがとうございました。
トップバッターとして最初にムチを受け・・あるいは間伐されたものです。
(ρ_;)
妄想ぐらいのことがよかったんですね-
じつはプレゼンした以外のことで、本当にやってみたいことはあったのですが今の自分の立場から見るとはみ出した事のように思えて違う事を、
プレゼンしてしまいました。
今は他の人のプレゼン聞いてさらに妄想が膨らんでいるところです。
もっとプレゼン能力を上げて、妄想をビジネスプランにもっていって
将来木として残してもらえるようになりたいです。

ちなみに「昨夜の講演、講評したろか」と毒づいているのではないかと
ありますがプレゼン前日にそんな心の余裕はありません。
逆の日程だったら毒づいたかもしれませんが( ̄ー ̄)ニヤリ

そう、プレゼンのテーマは、「妄想」ぐらいの気宇壮大なものを取り上げてほしかった。そして、それでも聞き手を納得させるような説得力を持たせたら大成功ですね。
そのためにも、聞きやすく、読みやすく、理解しやすい構成を期待します。

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