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2013/01/08

限界集落の森林管理と入会権

本日は、森林総研関西支所の業務報告会へオブザーバー出席。

ようするに研究発表会である。各人の研究内容を伝える会議だ。

実に幅広いテーマで、自らの興味と求められる研究内容と。6時間の長丁場だけに聞くだけでヘトヘト(^^;)。が、面白いものも多かった。

アリの獲物を奪って、地域のファウナやフローラ(動物層・植物層)を探れないか、という発想は冗談ぽいながらファーブル昆虫記なみの観察で笑えて楽しい。こんなところから発見できる真実もあるのではないか。

が、ちょっと気になったのは「限界集落における持続可能な森林管理のあり方」。これは、共有林や入会権を、放棄林に生かそうという発想だったようだ。

私も、共有林を持つ集落が限界化して住民が減れば、自然と集約化につながらないか、という思いを持っていた。集落を出た人は、共有林の権利を失うからである。入会権も、消滅する。最後に残った人が森林の権利を一手に持てば、何らかの展開が期待できる。あるいは、そうはさせじと集落に人が残るか?

が、調査した秋田県の阿仁では、集落を出ても権利を保持したがる人が多いのだそうだ。かといって作業を行うわけではなく、いわば先祖の作った森の権利を手放さない、言い換えると個人の所有権の要求である。裁判になると、現在の法制度では集落側が負ける可能性もあって、無碍に断れないらしい。

この共有林は、金になる木を生産するという事情もあるのだろうが、入会権の理念はもう昔のものか。とても限界集落の共同管理につながりそうにない。

私は、集約化さえしておけば、森林にいつか次のチャンスが巡ってくると信じているが、入会権を処理できないようだと、将来は暗いなあ。

ともあれ、研究から浮かび上がるのは世間の一面。それを日社会に活かせるかどうか。日本には政府系だけでなく、自治体や大学など研究機関はやまほどあるのだから、無駄にはしてほしくない。

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コメント

国勢調査の人口と,住民基本台帳の人口がまったく一致しないことがあります。なんで?と掘り下げると,そういう問題が…。

入会権以前に、移転しても住民票を移さないケースはざらですから。
でも、本当に共有意識が保たれれば、森のため集落のためには、何が一番よい選択肢かわかるはずなんですが……。

お金がからむと,一気に複雑になりますね。とはいえ,放置するのは問題で…うむむ。

上記の集落の共有林は、結構な利益の出る森らしいです。だから、手放したくないのでしょうが……。

いっそ、まったく利益の出ない共有林なら、最後の住人が総取りしても許されるかも。

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