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森と林業の本

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2013/01/07

土倉翁外伝4 ~探検家・龍次郎

土倉庄三郎を取り巻く一族の中で、私が一番興味を惹かれたのは、次男・龍次郎である。

彼については、『山林王・土倉庄三郎の生涯』 の中でも比較的多く触れたが、彼は実業家として傑出していたし、林業への思いも強かった。本来なら、彼が土倉家の山林を継ぐべきだったと思う。

同志社に学ぶ過程で新島襄の薫陶を受け、彼が21歳でアメリカへ渡ったことに影響を受けて、自らも海外をめざす。そして台湾で山林経営を企て、また発電事業や樟脳事業を展開。が、本家の苦境に財産をすべて売却する……。その後、カーネーション栽培に活路を見出し、またカルピスの誕生にも関わっている。

だが、私が本音のところ興味を持ったのは、そうした事蹟よりも、日清戦争直後、日本が台湾を領有したばかりの時期に現地に渡ったことである。日本の領有に対して現地では抵抗運動が展開されていたし、山間部には高砂族と呼んだ先住民族が割拠していた。

そこに探検に入り台湾山岳部を縦断したのである。これは、当時としてはとてつもない行為であったはずだ。にもかかわらず、日本の探検史上に、まず彼の名前は出てこない。

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探検中らしい。

台湾山岳部を行く探検隊だとされる写真。中には先住民らしき顔ぶれもある。

左から2番目の人物が龍次郎だろうか。十分にわからない。

つまり土倉龍次郎は、「知られざる探検家」であり、「忘れられた探検家」なのである。

しかも、この探検にガイドとして参加した尾形正基という男が登場する。彼は、清国領だった時代の台湾に潜入して国情を偵察していた男なのである。彼の素性がよくわからないが、彼も「知られざる探検家」なのである。

私は、自分のホームページに「知られざる探検家列伝 」のコーナーを設けているように、あまり知られていない探検行為を行った人物を発掘するのを趣味としている(今は中座してしまっているが……)。

だから土倉龍次郎や尾形についてもう少し調べて、このコーナーにぜひ取り上げたいと思っている。

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土倉家の人々」カテゴリの記事

コメント

私の県では、地元の木で家を建てようと言うプロジェクトが数カ所活動しています。日本建築の場合、地元で取れた木がその土地に最も合った適性を持っているとの考えからです。このプロジェクトの特徴は、家を建てたい人、工務店、設計事務所、製材業者、林業家が一つのチームを組んで動いていることです。家を建てたい人が、実際に林業家の山林で自分の家を建ててもらう木を見る所から始め、それを製材する所、工務店での加工、建て前等を全て観察することです。勿論、設計事務所も日本建築でどのような家を建てたいかを事前に納得行くまで打ち合わせをします。即ち、川上から川下まで見える化に基づき、納得して家が出来ることを見ます。地元の木が地元の気候にマッチ(調湿作用)し、長持ちする家だと理解している家主が居るからです。

何も昔ながらの家を建てる訳では有りません。床暖房も入れますし、窓も日本建築にマッチした密閉性の良いサッシ等を使います。節穴が有っても拘らない人も多いです。むしろ、節穴の有る側板や天井をモダーンだと考える家主もいます。

従来の林業家は自分の山林の木がどの様に使われるか、製材所も工務店でどう加工されるかを余り知らされない所が多かったのを、全て繋げて日本建築の良さを実感することが出来ることを喜んでいます。

昔ながらの日本建築の工務店は、きちんとした日本建築の家は100年以上持つことを知っています。欠点としては、日本建築は比較的高価であることと、林業家からの木から日本建築の家が出来上がるのに1年近く掛かることです。プレハブ住宅は工場生産でパネル等を生産し、現地で家を建てるのに2、3ヶ月位しか掛からないことです。また、材木はほとんど外材です。
プレハブ住宅は建てたときが最も強度が高く、30年近くで寿命が来ます。だから、住宅ローンも30年から長くても35年位しか認めません。一方、純日本建築は30年後くらいで最も強度が上がります。それは、木材は年々微妙に収縮します。それを調整する様な工夫(縮みを補正する/くさび等)が施されています。また、それを過ぎると木はほとんど縮じまず、強度がしっかりすることです。

そうだ!
探検家ものを本に。。。
そしたら、ポルノやジュニア小説とかに手を染めなくても。。
いや、あの、書きたいなら別ですが。(^^;

ちょっと興味あったりして。。。(ポルノに?)

林業や木の家論じているより、探検モンのほうが楽しいじゃないですか。

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