無料ブログはココログ

森と林業と動物の本

« 雪見酒 | トップページ | 山を買わされた?県会議長 »

2013/02/02

本棚自作の件

本棚を自作しようかと思っている。

できる限り収納量を増やしたいから、壁の高さまで目一杯、幅も可能な限り伸ばしたい、一方で本の横寸に合わせて無駄な奥行きを短縮すれば、部屋空間に占める体積は減る……。しかし、市販の本棚では思い通りの形のものは手に入らない。そもそも木製は少なく、合板?いやボードや紙製かもしれない代物だ。あきらかに安っぽい。

ならば、自作すればよいか、と思いついたのだ。素材はホームセンターで簡単に手に入る。高級感はなくても、木製ゆえの目に入る穏やかさはある。それに寸法のバラエティは細かくて、プレカットもされていて、板を差し込みネジ(ネジ穴まで空けてある)を締めればよいだけだ。部材の寸法は様々なものが揃っているので、希望の寸法にかなり近いものが短時間で作れるだろう。実は、以前に似たものを一つ作っている。

と、ぼんやり考えていて、それをこの前の丹波に行ったときに、何気なく中島彩さんに口にしたら、あっさり攻撃された。

だって、ホームセンターで売っている素材は、ラジアータパイン製だと口走ったからだ。外材なのである。しかも集成材だ。フィンガージョイントもされている。

「ブログに書いて告発しますよ」と威す(;_;)。森林ジャーナリストたるもの、国産材を使わねばならない、からだそうだ。

それなら、と先に自分で書いてやったぜ(⌒ー⌒)。

しかし、ここで改めて考えてみた。

ラジアータパイン材の集成モノでは、何がいけないか。板はホワイトウッド製もあって、こちらはモルダーかけもしっかりされていて、木目も細やかで見た目も美しい。

いや、私だって職業柄、国産材は使おうと心がけていますよ。多少高くたって、我慢我慢。日本の林業に貢献できれば……。(言い訳モード

しかし、どこで手に入る? 遠くの製材所にスギかヒノキで挽いてもらい、希望の寸法の材を特注するか。棚の高さを調製てきるようにプレカットはできるだろうか。
そして発送してもらうか。重くてかさばる部材の送料は馬鹿になるまい。原価だって安くない。いったい手に入るのにいくらかかるだろう? 届くまでの日数は? 

国産材にこだわらなければ、身近にホームセンターが3つ4つあり、板なら1枚千数百円ですぐ手に入る。自らの車で持ち帰り、その日のうちに組み立ては終わるだろう。

価格だって、1割高程度なら許容範囲でも、2割3割、いや2倍とかになっても平気か。あるいは注文してから届くまで1カ月近くかかったらどうする? それでも国産材だからというだけで購入できるほど、こちとら心が広くねえや(開き直りモード)。

さらに、品質だってどちらがいいかわからんぞ。乾燥が悪ければ、時間とともに接合部に隙間が生じるとか、反るとかねじれるとかするかもしれん。
見た目もスギの赤身ばかりの集成材ならいいが、白(辺材)だと強度が心配。本をどっさりのせるとグニャリとたわむかもしれないや。それとも赤白のだんだら模様の板かよ。ええ、そんな気色悪い見た目の本棚作って満足しろってえのかよ(逆ギレモード)。

そもそも発注された方も、困るんでないの。大量に作るのならともかく、柱用の角材が4~6本、板が5、6枚なんて、仕事にならないでしょ。利益も出ないでしょ。手間でしょ。そうでしょ(わかってよ哀願モード)。

国産材の木づかい運動なんていったって、こうした問題点をクリアしないと実効性はないのだよ。わかったかね、中島彩クン。(-_-メ)

さあて。どうする? 国産材VS外材。まるで社会の縮図だ(笑)。

« 雪見酒 | トップページ | 山を買わされた?県会議長 »

木製品・木造建築」カテゴリの記事

コメント

おお♪
元気を取り戻しましたね。
と、感じてしまいました。(^^)

こんなところで元気になっても……。

でも、かかってこい!

ちょっと前までは国産材的(というか地元の木?)なもの
にもこだわってみようとしましたが、何せ時間と手間とお
金がかかるw
で、同じようにホームセンターに行くと・・・。
「買い支えろ!」といわれても物がないのではどうにもで
きません。
金に糸目をつけなければ可能なこともあるでしょうが、そ
んな富豪でもないので・・・。
個人的には森林ジャーナリストだからこそ、国産材の不
甲斐なさを憂い、あ・え・て!外材のホームセンター物を
買いましょう!
 
 「お前たちにこれと同じことができるかぁ!(熱血」

そして最後に自分の不器用さに嘆くのです...orz

とりあえず近所のホームセンターで聞いてみては?
客の問い合わせがある=需要がある=「置いてみるか?」とホームセンターが思う、という図式ではないでしょうか
ホームセンターって、大型化すると同じ商品での種類数が増えますが、木材の材質の多様化には向かわない(=飽和して増えない)のが一般的と思います
また、国産材=エコ需要と思いますが、ホームセンターは「便利で安い」指向なのでエコとは馴染まないのかも

ホームセンターの担当者が木材の知識が無いだけなのかも
あるいは国産材扱ってる部材問屋が存在してないとか?
ホームセンター向けの商談会みたいなのがあるなら、そういうところでアピールするとか?

ホームセンターで国産材を探すと、一部にあるのですが、荒材だったりします。寸法もほとんどバラエティなし。
自ら裁断し、かんながけも行う昔ながらの日曜大工なら可能でしょうか。

それでもネットなら、簡易な国産材家具キットもわずかに出ている。
が、試みに国産材で同じような本棚を想定して必要量から価格を計算すると、上記に「2割3割、いや2倍とか」なんて書きましたが、甘かった。3倍、下手したら4倍近くになる。増える手間は考えずに、です。

いっそ、ホームセンター側で、国産材によるDIY家具づくりイベントでも開いてくれないかな。ホームセンター仕様のキットを特売するとか、話題を呼ぶにはいいネタだと思うが。

数回「スギヒノキないですか?」作戦をしたのですが、SPFを勧められました(泣)。めげずに続けるようにします。

ネット通販で、材木やさんのどなたか、国産材の本棚キット販売始めてくださらないでしょうか。お洒落に、リーズナブルに。

ほんで、そういうところに国の補助金出してもらえないのでしょうか。

商品に補助金は、出せないですね。
オシャレにするのはデザイナーの腕の見せ所だけど、リーズナブルにするのはむずかしい……。

でも、SPF材も、そのうち資源枯渇で高くなるかもね。

鈴木さまの「スギヒノキないですか?」作戦は、複数で集中的に実行すると効果あるかも。
例えば、田中ブログの読者全員が、2月中に、各自2店舗以上で実施とかですね。。。(思いつきコメント)(^^;

近所のホームセンターは、赤松(外材)のラインナップが最近全てスギに変わりました。秋田杉、と書いてあります。ちなみに当方静岡県です。赤松が高くなった、という話は耳にはさんでいたので「安い」スギ材にシフトしたんでしょうね。非常にシンプルな反応だと思いました。
さて、DIYの際には田中さんと全く同じ状況になります。ホワイトウッドは内装に使用する際(特に本棚とか)には便利ですよねー(笑)
でも最近は無理して買わないようにしてます!「外材不買運動」です・・・
果たして何らかの効果があるでしょうか???

なずなさま
当方DIYにはあまり詳しくないので、ちょっと違うかもしれませんが…
こんなサービスがあるのを御存知ですか?
 ↓
http://www.storio.co.jp/diy/index.htm

材料と設計図を指定すると、材料をそのとおりにカットして送ってくれるというサービスです。そのほかにキットも販売していたり。
材料は会社で指定したものの中から選ぶ方式ですが、中に「杉レイア板」というのがあります。多分国産(新潟県産)材です。

ど、どうでしょう?

ええ、ホームセンターは便利です(^o^)。でも、国産材はまだまだ少ないです。だから私は「外材は(素)敵だ」気分ですな。

たしかに、最近は少々国産材の製材も並んでいますね。「秋田杉」「吉野杉」と臆面もなく?書いてありますね。産地偽装じゃないとしても、銘木の意味ではなく秋田産、吉野産の間伐材くらいなのでしょう。(木目が全然銘木ぽくない)
アイテムは少ないから、なかなか使いにくいけど、まずは応援したいですね。


ストーリオとは、面白いサービスですね。価格はどの程度安いのかわかりませんが、使えるかもしれません。これを国産材専門でやる業者が出てきたらいいのに。林業地のベンチャーとして興してみたらどうかな。

はじめまして。
弊社の商品は如何でしょうか?
http://www.shirotori-rinko.or.jp/
ご連絡いただければ、サンプルを送らせて頂きます。

私は最近、組手什を購入。
つくりたい場所に試行錯誤しながら好きなように本棚つくれるので、楽しいですよ。
是非、おためしあれ。

いやあ、ここに書き込んだおかげで、各地の国産材家具キットの情報が集まってきたなあ。感謝です。これは具体化に向けて考えてみようかしら。

しかし、外材製でも金属製のラックの2倍近くするのに、国産材にするとまた割高というのは、なかなか厳しいマーケットですね。

 ホームセンターのコーナン御坊店と田辺店には、以前、高知県の製材会社の製品で、「国産ヒノキ間伐材組み立てラックシリーズ」がありました。好みのプレカット部材とボルト・ナット等で組み立てるものです。
 結構安かったので、メーカー名シールをよく見ると「MADE IN VIETNAM」でした。日本で加工すると高くなるので、高知から間伐材ヒノキをベトナムの工場に送り、そこで加工しているようです。なんていう企業だったか…
 こちらは製材所だらけの地域で、コーナンに普通にスギ・ヒノキ板各種が並んでいてカットもしてくれる、またそこらの製材屋でもヒノキ板各種が買えるので、いまいち売れなかったようです。

私もコーナンで探したのですが……ラジアータパインでした(^^;)。

高知県の池田木材だったかなあ。ベトナムへ荒材をコンテナ輸出して、現地で加工して逆輸入しています。簀の子とかが多かったはずだけど、ラックのキットもありましたか。
でも、今は撤退?

寂しいなあ。世間が、国産材に価値を認めていないのでしょうか。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 本棚自作の件:

« 雪見酒 | トップページ | 山を買わされた?県会議長 »

April 2025
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

森と筆者の関連リンク先

  • Yahoo!ニュース エキスパート
    Yahoo!ニュースに執筆した記事一覧。テーマは森林、林業、野生動物……自然科学に第一次産業など。速報性や時事性より、長く読まれることを期待している。
  • Wedge ONLINE執筆記事
    WedgeおよびWedge on lineに執筆した記事一覧。扱うテーマはYahoo!ニュースより幅広く、森林、林業、野生動物、地域おこし……なんだ、変わらんか。
  • 林業ニュース
    日々、森林・林業関係のニュースがずらり。
  • 森林ジャーナリストの裏ブログ
    本ブログの前身。裏ブログとして、どーでもよい話題が満載(^o^)
  • 森林ジャーナリストの仕事館
    田中淳夫の公式ホームページ。著作紹介のほか、エッセイ、日記、幻の記事、著作も掲載。