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森と林業の本

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2013/03/07

職人って……

ただ今、実家の玄関をリフォーム中。

まあ、そんなに大袈裟なものではなくて、門から昇る階段部分を昇りやすく段を増やしたり、段差を調節している。

私は、最初にその計画を聞いたときは、それなりの理想の姿を考えて、業者を探して、相談して、デザインや日数、価格も含めて交渉し、落ち着くところに落ちてから工事開始! のイメージを持っていた。古くさい和風の門構えを一新したい気持ちもあった。

が、それより早く、父は隣家に来ていた庭師をつかまえて頼んでしまったのである。と言っても、どこの何という業者かも確認していない。

それが昨年末(^^;)。年を越して忘れかけていたが、その業者(と言っても、一人造園家)が今週に突然姿を見せて、工事を開始した。

どのように直すかは、父との立ち話だけ。やりながら決める部分もある。価格も、だいたい。また工事中にあまり覗くと嫌がるらしい。

朝は8時前からやってきて、黙々と工事を開始する。昼は、お茶を差し入れて、弁当を黙々と食べてすぐ仕事。一人だけだが、よく動く。結構石を動かしたりもしている。……いかにも、古いタイプの職人庭師という感じだ。

そして、正直あまり私の望んでいるデザインにはなりそうにない。でも、父が満足しているのだから、私の口をはさむ隙間もない。そして、父は職人の名前も住所もいまだに知らない。向こうも、こちらのこと知らないんじゃないか。

どうだろ? こういう流儀は。

かつての家づくりは、大工も左官も庭師も皆こんな感じで仕事していたのだろうか。そして依頼主は、職人の腕と感性にゆだねたのだろうか。そして出来上がったものが、想像とかけ離れていても、満足?したのか。

もちろん、今風の業者に依頼すれば、複数のプランに見積もりも出して来て、「お客様」の要望をしっかり実現しますよ~的な仕事をしてくれるに違いない。が、価格は上がるだろうし、大量生産的な資材しか使えず、大きな業者なら流れ作業的に作業員を派遣してくるケースもあるかもしれない。

どちらの方式が、満足感が大きいのか、理に適っているのか、わからない。

が、古いタイプの職人が減っていくのは、理解できるような気がする。郷愁的に職人芸を語るのはよいが、いざ自分の家も含めて利害が絡んだときに、どちらを求めるのか。

直接ユーザーに接する職人ではなく、さらに奥まったところで仕事をする現場(機械工場なり、農業なり、林業などが典型だろう)の職人が古いタイプだった場合は、よほど扱いの慣れた管理者がいなければ、仕事が回らなくなるだろう。

……そんなことをボンヤリ考える今日この頃(^o^)。

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