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2013/03/17

奈良県でバイオマスエネルギー?

以前、このブログでバイオマス発電に関してボロクソけなした中で、「奈良県もバイオマス発電の可能性の調査をしたが、結果から無理だと判断して手を出さなかった」旨の記事を書いた。そして、通常は改革の動きが遅く、新しい理念に飛びつかない奈良県(の、とくに林業界)を苦々しく思っていたが、これは久々に正しい判断だとした。

ところが、このところ奈良県がまたもやバイオマスエネルギーの活用事業案を練り始めたという。正確に言えば、再生可能エネルギーの中の一つだが、太陽光や小水力、風力などと比べてダントツにバイオマスに頼ろうとしている。

http://www.pref.nara.jp/item/81936.htm

そして今秋からバイオマス実証実験を始める。コストや燃焼効率を調べるのだそうだ。この場合のバイオマスとは、林地残材を指しているようだが、単に燃やすのではなく、固形燃料づくりを行うという。これって、木質ペレット?

もちろん、現段階では「実験」だし、「採算が合えば」という条件付きで推進するとあるのだが、なんか危険な香り(笑)。

おそらくFIT(固定買取制度)によってバイオマスでも成り立つのではないかという希望と、国の推進する政策に乗っかりたいお気持ちが重なっているのだろう。
実験は、新たにできた「奈良の木ブランド推進課」の担当のようだが、新しい部署だから新しいことに取り組みたいのかもなあ。

しかし、問題はコストだけでなく、そもそも奈良に燃やすほど余った木はないことだ。奈良の木材産業は、生産額はそこそこあるが、生産量は低い、林業県とは思えないほど少ない現実がある。しかもブランドとして推進したくなるほどの品質の木を、もっとも安易で低価格の燃料に? 

そして、主眼は発電のようだが、本丸の熱利用を忘れては困る。

安定供給がむずかしい林地残材による(熱ではなく)発電

長い年月と手間をかけて育てた木材をもっとも低価格にする利用法。

製造エネルギーとコストが高い木質ペレット

私が批判しているバイオマスエネルギーに関する3点を見事に網羅している……。

どうせやるなら、世間(他の自治体)と反対を目指してほしい。

たとえば、徹底して熱利用に重点を置く。

熱源としてのブランド化

木を細かな粉にしてまた固めるようなお馬鹿なペレットではなく、できる限り丸太のまま活用して木育にもつなげる……。

量より質。発電量より販売高。奈良の木の薪は、ほかの山の薪より一桁高いんだぜ。だって、燃やすと1300年の歴史がパチパチはぜて浮かび上がるんだ、と自慢するようなバイオマスエネルギーを確立してほしい。

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コメント

実験?
よそのデータはアテにならないのでしょうか。
いろんなデータがあるはずだと思うのですが。
ペレットの製造コストもあるでしょうし、発電コストだって結構たくさんあると思ったりします。
ちなみに、私の町は6年前にほかのところのデータを元にある事業を諦めました。

「実験」で予算付けることに意義があるんじゃないですか(^^;)。

実験結果を真摯に受け止めて、事業の成否を決めたらまだいいんですが、どんな結果が出ても「やりたい!」で暴走するケースもあるから、それが心配。。。

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