ビジネス森林セラピー?
日経ビジネスオンライン(最近、ネタ元になりつつあるな。。。)に、河野透・NPO法人森林セラピーソサエティ事務局長のインタビューを載せている。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130327/245705/?mlp
私も肩書に惹かれて読んでみたが、前編は前職のソニーの時代の話ばかり。カリスマ的な経営者、大賀典雄氏に仕えてストレスいっぱいだった話題である(笑)。
で、今回の後編で、ようやく森林セラピーの話が出てきた。
紹介している山梨県のケースでは、結構あけすけに余剰施設の活用を謳っているが、自慢が無線LAN(笑)。
ようするに、森の中でも情報は得られるようにしたから仕事しようね、ということ\(^o^)/。
そして、情報と切り離されることがストレスなんだと。だから提案するのも「ビジネス森林セラピー」なのである。と言っても内容は、たいしたことない。
セラピー基地で一定時間は仕事もする。が、終わると周りの森林環境でリラックスするというメニューだ。ようするに1日の中に仕事の時間と森の中の時間を混ぜるわけである。
これって、リラックスする(森の中の時間)のは短くてよい、仕事を忘れて何日も療養する必要がないということ? セラピーというより仕事場環境の提供である。
もはや森林療法どころか森林セラピーの精神からも離れているのが面白い。しかも河野さんは、森に行くよりニューヨークの雑踏が好きだというのである。
こういう人は、基本的に仕事でストレスを感じない人なのだろう。むしろ仕事が好き。休むと疲れる(^^;)。だから森林セラピーソサエティの事務局長も、仕事の一環なのだろう。実際に森林療法が必要な人の存在が見えないか、あるいは事業から遮断している。鬱症状な人を、こんなセラピーに受け入れることはできないだろう。
おそらく、これはセラピーではなく、森林オフィスの発想だ。
山村に、完全なIT網を作って、都会の中と変わらない状況で仕事をこなす発想は、これまでもよく出た。実際に導入した会社もある。私も取材した。
まあ、本当は職場に限らず、衣食住まで含めた生活環境が必要となってしまうのだが、1週間程度の出張サテライトオフィスの感覚なら、よいかもしれない。
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>情報と切り離されることがストレス
それやったら、森へ行くのなんか、やめなはれ
投稿: とり | 2013/04/03 08:12
だから、この人はニューヨークに行くんですよ(^^;)。
投稿: 田中淳夫 | 2013/04/03 09:12