酒席で考えた
先日会った、元林野庁の職員だったという人。
「なぜ、辞めたんですか」と聞くと、こんな答。
「私、優秀だったんですよ~」。
もちろん、お酒入ってます(笑)。で、優秀で、案件をバリバリこなして、業者もみんなかしずくようになって……。
「それで、人に頭下げなくなったから」。
わかったような、わからない理由だ(^^;)。
ただ、私も他人に以前勤めていた会社を辞めた理由を聞かれると、同じようなことを口にしていた。
「私は優秀でねえ、将来の編集長候補だったんだ」
(^^;)(^^;)(^^;)。
部下はいたりいなかったりだが、フリーのライターやらカメラマン、イラストレーターを数十人動かして、週に何十本もの原稿を入れて紙面づくりを行い……。たしかにバリバリやってはいただろうな。会社には朝7時前に行って、帰りは午前様だったりしていたし。会社に、よく泊まっていた。
だから、私が会社を辞めたから日本経済のバブルがハジケタと豪語していた(20年前)。
まあ、酒の席の話ではあるが、バリバリやっていた最中に、ふと糸を切りたくなる時があるものだ。(切れるんじゃなく、自分で切りたくなるのだよ。)
それが正解かどうかはわからない。たいてい失敗だったりする。
まあ、頭を下げなくなった自分が正常だと思ってそのまま勤めて出世コースに乗る人生より、すっぱり第2の人生切り開く覚悟を持つ方がマトモかもしれない。
それに「現在の成功の中に将来の失敗の種がある」というからね。今までの成功体験に溺れていると、時代の流れを見誤る。それは林業界全体、いやアベノミクスに踊る日本経済そのものも同じかもしれない。昔の木材バブルを夢見たり、高度成長よもう一度とこれまで通りの内容を拡大した量の経済を目指したり。
未知の領域への質的転換は怖い。とりあえず安定した今の地位を捨て去る覚悟もいる。
で、こんなこと書くのは、今夜もお酒飲んでるから(^^;)。
同席したのは、某林業家。
彼の言うには、今年も材価は下がる一方。来年以降は消費税がアップして住宅も建たなくなるし、目端の利く業者は必要な木材はもう手当て済。需要が伸びる要素はない。だから素材生産は休止すると。次のステージを今から準備しなければ未来はない。
商売換えしよっかな、ということだった。
まあ、今に安住しては「私は優秀だった」と吠えるのと同じだし、「将来の失敗の種」を育てるだけかもしれない。私も、昔の自慢話はするかもしれないけれど(^^;)、それは酒の上で興が乗ったときだけにして、失敗しそうな火中の栗を拾って、あえて邁進するのだ。
……これも酔いが覚めたら、忘れているかなあ。。。。
« 奈良女子大のキャリアセミナー | トップページ | 木装の砂防ダム »
「森林学・モノローグ」カテゴリの記事
- トランプ米大統領と、緑の植民地主義(2025.01.21)
- 阪神大震災、改めて思い出す(2025.01.17)
- 雪化粧。そして、うぴ子(2025.01.12)
- ジビエ嫌いのジビエ・ビジネス(2025.01.11)
- 森の奥で根っこを張る(2025.01.05)
今日の毎日新聞読みましたよー
あれは全国版ですかね?
そーいや私も転職するかも?です
投稿: DT | 2013/04/12 09:55
ああ、私はまだです(^^;)。これから公民館にでも、行こうかな。
掲載は関西版だけですが、後にほかの地方にも転載するかも、とのことでした。
転職? オルガン職人ですか?
投稿: 田中淳夫 | 2013/04/12 11:19
正確に言えば兼業ですかね?
まあ木に関係するし
反省して国内の木使ってオルガン作ろーかなー
次作は完全自作オリジナルの予定
ほんのちょっとだけの問題が
「顧客がいるんか?」です(笑)
記事はスキャンして送ります
なかなかの記事
売れそーです
投稿: DT | 2013/04/12 14:05