春日大社の杜に見るシカとの攻防
所用で訪れた春日大社。
その鎮守の森(杜)は、なかなか特徴的だった。
こんな一角がある。
春日大社は、説明するまでもなく世界遺産に指定された古社で、広大な杜を持つ。そもそも春日山全体が春日大社の神域なのだ。
そんな林内でも、参道近くの各所に、金網で囲ったところがある。
しかし、外側はすっきりした林床。
おそらく、鹿対策なのか、実験をしているのだろうか。
なんたって奈良公園。鹿を排除することはできない。神の鹿だもの。
でも、食べ過ぎ。林床に何もなくなってしまう。
こんな木々もある。
大木だが、こんなに枝が広がったのは、やはり鹿に食べられたからだろうなあ。
かなりの大木が多いが、逆に稚樹は少ない。つまり少子高齢化の進んだ森なのだ。
実は、春日大社の杜は、危機的である。本来のシイ、カシなどの照葉樹は軒並み鹿に食べられて大木しか残っていない。ドングリも食べられるから、新たに芽吹くこともない。
そして鹿が好まないアセビとナギが目立つ。ナギの純林?なんて珍しい。だが、これも生態系を破壊していると言えるだろうな。
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なんかインドの牛みたいですなあ。
いや、牛より獣害かも。。。
投稿: 島崎三歩 | 2013/04/17 22:55
なんたって奈良の鹿は、「春日大社の神の鹿」ですからね。本家が駆除できないよなあ。
むしろ、病気や怪我した鹿、あるいは妊娠中の鹿を保護しているちらいだから。。。
投稿: 田中淳夫 | 2013/04/17 23:06