木装の砂防ダム
近頃、家から散歩に出ると、同じようなルートばかりになって変化がなくなったので、車で少し出てから歩くことにしている。とくに大阪側に入ると、未知のルートがいっぱい(^o^)。
生駒山は、各地の自治体がいろいろな「自然ふれあい施設」を作っているから、その中でも人気のなさそうな(^^;)ものを選ぶ。基本、賑やかなところを散歩するのは苦手なのだ。
今回も、最初は人気がなかった。が、やはり季節なのか、池で釣りする人やハイカーが出没しだした。
私は、前方に人影を見ると、可能な限り脇道にそれる。道がなくても藪に分け入ってしまう。ただ奈良側ほど地形に詳しくないから、下手にそれたら危険だ。
今回も、わりとしっかりした道を選んでそれた。
池の端に道が伸びていた。これなら池を一周するだけだ。前にいたハイカーと交わらない。
が、一周したところ、また人の気配が。
つい、別の道にそれる。
なんか、やっかいな道になってきた。急斜面をトラバースしていかねばならん。もう踏み分け跡だよ。
でも、この程度であきらめるほど、ヤワじゃない。
おいおい、倒木かよ。これをくぐって進む。すると、また倒木……。
なんて道だ。いや、もう道なのだろうか。。。
でも、まだ進めるよ。これくらいでは「遭難」なんて言わない。
こうなりゃ、意地。進む。撤退の文字はないのだ。遭難でもない。
なんか、怪しい。川筋を進んで近づく。
これって、木造じゃないか。小径木ログに覆われている。
木造ダムは開発されたが、やはり木材だと長持ちしないので滅多に見かけない。こんなところにあるとは。
近づくと、木造ではなく、コンクリート製ながら、表面にログを張り付けた木装仕立てであることがわかった。
なるほど、これなら何年ごとかに造り直す必要はないだろうし、景観上はかなり自然に溶け込める。折衷型である。
こんな工法も生まれていたのか。
そうか、今回の道をそれたのは、このダムに出会うためだったのだな。決して遭難ではないことを証明している。
……が、ここで道は途絶えた。だが、近くに道路があるらしく車の走る音。
ならば、とブッシュの斜面をかき分け登ることにした。
なに、これくらい。慣れたもんだ。ほんの一息……。
やっと、道路端にたどり着いたぜ。
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やっぱこれですよ、これ。予定調和の甘い生ぬるい世界を拒絶する柵! 「鹿よけネットを鹿の目で見る遭難ジャーナリスト」の新しい地平! 今後に大いに期待を持ちました。
投稿: 沢畑 | 2013/04/12 22:32
沢畑さま。同感です。
そして、柵をどうクリアしたのか、楽しい想像。。(^^)
投稿: 熊(♀) | 2013/04/12 22:40
いや、あの、今回は木装ダムを取り上げたんだけどね。。。
別に遭難してないし。
鹿の目にもなってないし(泣)。
投稿: 田中淳夫 | 2013/04/12 22:43
木装ダムの写真、フェイスブックに上げました。
投稿: 沢畑 | 2013/04/12 22:48
な、なんで、柵があるんだよ……。>
森から外に特定の生き物が出てこないようにするためです^p^
(失礼w)
投稿: B3 | 2013/04/12 22:50
鹿でさえ、鹿よけネットを軽々と越える時代に人間様が柵ごときにまけるけないじゃないですか。
もっとも、柵から道路に出たら、あまりに車が通るので怖かった……。
投稿: 田中淳夫 | 2013/04/12 22:59
木装ダム。神奈川の丹沢でも見かけます。
コンクリート製のダムの表面に貼りつけて飾るだけのものから作られはじめ、間伐材の利用促進から小径木をそのまま表裏の型枠としているものも出始めました。最近では表面は劣化が激しいからか、裏側だけ小径木型枠となっているものも出始めています。
景観上自然に溶け込む事からはじまり、間伐材利用促進というテコ入れをしたはいいが、実用を重視した結果、溶け込む事は消えてしまったのでしょうか。
土木屋さんに聞くと低質材だと曲がりや節が多く、そのまま型枠として使うのは相当苦労するようで、太さの揃った節や曲がりの無いのが欲しいそうですw
表側に使われなくなったのは、そのせいもあるかもしれません。
投稿: shindo.kohta | 2013/04/14 10:08
裏側だけでは、景観上の意味はほとんどなくなりますね……。なんか、本末転倒なんだなあ。
表面が劣化してもコンクリート部分がしっかりしていればいいのに。それが味になる。どうしてもイヤなら、丸太を耐腐植性にすればいい。土木関係者は感性がずれていますね。
小径木に曲りや節のないものを要求されるのもなあ。型枠として使う加工技術の開発も必要でしょうが。
投稿: 田中淳夫 | 2013/04/14 11:02
『全天候型フォレストベンチ』なるものに関わっていますので一言ご紹介。
斜面を『棚田風』に切って平地を造り、平地垂直面に、鋼鉄製の金網フェンス(風)を設置してそれを地山から張り出したアンカーワイヤーで固定し、フェンス面は『間伐材=大抵は半割材』で化粧をしかつ平地には植樹して、木の根(の生育?)でもって、土地がより強固になるようにするとか、『果樹を植えると根張りと同時に果樹園(?)にもなるし、大きくなるような植樹と植樹のアイダは畑としても使える・・・』
一言では言いきれませんでした。お許しください。詳しくは『全天候型フォレストベンチ』をキーワードに検索してご覧ください。
投稿: ベンツ仙人 | 2013/04/15 08:19