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森と林業の本

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2013/04/28

境界線越え

世の中は、GW、つまりゴキブリウワー……いや、ゴールデンウィークに突入したらしい。

休日とほとんど関係のない生活を送っている私が行ったのは、山林の境界線の確認。

タナカ一族は生駒山に小さな山林を持っているのだが、実は明確な境界線を知らないままだった。そこで、今のうちに確認しておこうというもの。これまで地元で管理を請け負ってきた人も、もはや83歳。彼以外に知っている人もいないのだ。そして所有名義の叔父は92歳と来ている。急がないとね……。というわけて、私と従兄弟連中で現地を歩いた。

幸い83歳のじいちゃんと言っても、元気そのもので道のない急斜面でもスタスタ歩き、「ここからこっち。この下は○○さん」という調子で説明してくれる。

何カ所か不明確なところはあったが、隣の所有者と連絡がつかないこともあって、そこは改めて、ということになった。いずれにしても数坪のズレがあるかないか程度だ。

今回も、一応スコップは手にしていて、もし途中でタケノコを見つけたら掘ろうと思っていた。が、案の定というか、前回と変わりなくイノシシの餌食になったまま。

それで、ちょっと地所から出て、近くの池回りを歩いていると、その小道沿いにタケノコがわんさか出ているではないか。ああ、ここは人目が届く場所だからイノシシも来ないのかな……と思っていたら、じいちゃんがさっさと掘り出した。

あれ、ここはうちの地所ではないのだけど、じいちゃんは地の人だからいいのか。

と思って、我々も手伝いだした。あっというまに4本5本。

が、甘かった。すぐに地元の人が怒鳴り込んできたのである。グダグダと文句を言われる。ここの道のタケノコを掘りたければ、自治会の許諾を取れ、だと。応対した従兄弟は、最初こそ、だって……と反応したが、すぐに平身低頭謝って、許してもらった。

その間、じいちゃんは知らん顔である(^^;)。

地元同士なんだから、顔で黙認されるか許してもらえるかと思ったのだが、全然効果がない。むしろ険悪。

実は、じいちゃんの住む地所と、タケノコを掘った場所の地所は違うところ。と言っても隣同士なのだが、字の境界線を越えていたのである。そして、二つの字は、昔から仲が悪かったそうである。というのも、棚田の上と下に当たり、江戸時代から水争いをしてきたからだ。今では水争いどころか耕作放棄地が増えている有り様だが、歴史的な感情は払拭されていないのだろう。

地元とか田舎と表現しても、全部一緒くたにはできない。隣の集落まで、今なら自動車などで1分の距離も、かつて山道を歩けば30分くらいかかったかもしれない。細かな字、大字に分かれているように、集落の歴史が違う。さらに人間関係も複雑だ。
今も字ごとに厳然たる「境界線」があるのか。。。

「この田舎は……」とか「この地域の特性は……」「ここの地元の人は」と大雑把に語れないものなんだなあ。

私は、ある意味よそ者でよかったかもしれない。(でも、地主なんだよお。)

ちなみに、堀り取ったタケノコは、やはり山分けして持ち帰る。そして購入したのではない、初物のタケノコを食したのであった。

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コメント

祝!
念願の初物!!

「初物を食べると寿命が75日延びる。」
そうですが
どうやら、その前に
寿命の縮む思い、されたみたいですね…。

プラスマイナス、ゼロですか……。

よく煮て、あく抜きだけはしっかりやりましたぜ( ̄ー ̄)。

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