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2013年5月

2013/05/31

Y!ニュース 「森林浴、森林療法、そして森林セラピーの真実」について

ようやく更新。

森林浴、森林療法、そして森林セラピーの真実(田中 淳夫) - Y!ニュース

う~む。業界のタブーに触れたかもしれん(笑)。ま、小さな業界だけど。

書き出したときは、そんなことを書くつもりじゃなかったんだけどねえ。筆が、いやキーボードが滑った? というより、以前からの思いが溜まっていたのかもしれない。真面目に取り組んでいる人が多いだけに。。。

なお森林セラピー基地の審査料に関しては、認定を受けた自治体の人から直接聞いたものだが、年度や地域によっては違っているかもしれない。

2013/05/30

視察する資格・視察の前の見る目

北海道十勝の石井山林を訪ねたことは、すでに幾度も触れた。

改めて紹介すると、現在は三井物産が所有し、三井物産フォレストが管理しているが、もともと石井家の3代続く山林だ。初代は広葉樹材による炭焼きを行うとともにカラマツを植林していたが、2代目に当たる故・石井賀孝氏が高密度路網を入れて、画一的な皆伐を中止し、択伐中心の天然林施業に転換。トドマツ、タモ、ニレ、カンバ類などによる針広混交林に仕立てた。路網も、総延長57キロメートル(180m/ha)という驚くべき密度に達している。
そのなかには初代が植えた樹齢90年になろうとする76本の「先代カラマツ」が残されている。これは道内ではもっとも古く太いカラマツの一つになるだろう。

私は、石井山林を最初に見たとき、昨年視察で訪れたスイスの森を想起した。針広混交林で林床には次世代の稚樹が生え、択伐で進めている施業など、見た目がそっくりなのである。

スイスは、ドイツやオーストリアとともに中央ヨーロッパの林業地を形成している。100年を超す択伐施業を続けたエメンタール地方など、人によっては世界でもっとも進んだ林業とする人もいるほどだ。
何より森は美しい。そして質の高い木材を生産している。もちろん歴史をたどれば試行錯誤しつつ現在の森づくりに至った経緯はあり、一概に進んでいるとか理想的というべきではないが、やはり将来の林業を考える際のモデルにはなるだろう。

そんなスイスの森と北海道の石井山林が相似しているのだ。緯度も近く、気候が似ていることも影響しているかもしれないが、何より森づくりの思想がどちらもしっかりしていることに感銘を受けた。

これは、アンチ森林・林業再生プランのモデルになるかもしれない……。

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石井山林の8割方は人工林だが……。

写真に、エゾジカが走っているんだけど、わからないなあ。

 




さて昨年、この石井山林に管直人前首相と梶山恵司 元内閣官房国家戦略室員・内閣審議官が視察にきたという。







えっ、この森を見て、森林・林業再生プランをつくったの? もちろん、再生プランが始動したのは2009年だから、順序は逆だが、もともとドイツをモデルにつくったと常に語られてきた。しかし、ドイツの森と林業も、私が見てきたスイスの森とそんなに変わらないはずだ。つまりドイツの森も石井山林に似ているはず……。

それなのに、大規模化、機械化、画一化を進める森林・林業再生プランは、ドイツがモデルなの? ドイツでは古くなった将来木施業や絶対にやらせない列状間伐を推進しているの?

もちろん、ドイツだってグーグルで見るとわかる通り、そこかしこに皆伐地が広がっているし、作業員の就業時間が1日16時間だったりする例もあるし、理想的にはいかない。不成績造林地(天然更新不成績地)もあるらしい。
しかし、一応の理想は掲げており、視察するならそこを視察して真似るべきではないのか。

一体、何を見てきたのか。何を学んできたのか。反面教師を視察して、反面だと気づかず、そのまま真似たのか……。あるいは、石井山林の凄さに気づかなかったのか。雑木の多い荒れた山だと感じていたのか? 単に作業道が密に入っている点だけを見て、森づくりの思想を読み取れなかったのかもしれない。

そういや、ドイツから招聘したフォレスターが、林野庁の案内したモデルの北海道の林業地をボロクソにけなした後に、石井山林を訪ねて、「ここがモデルになる」と言ったという話も伝わる。

視察しても、モデルを真似ても、結局は根本的な森を見る目がないと誤解曲解するのだ。

2013/05/29

これが現在の北海道の林業?

Img004


東北海道木材協会の会長に見せていただいたパンフレットの中の1ページ。

パンフのタイトルは、「森・みどりのめぐみ」とあり、項目としては、「森林のおいたち」「森林の働き」「暮らしを守る森林」などのイラストが並ぶ。そのうちの一つが、林業を説明した「木材と生活」なのだろう。

つまり、このパンフは素人に森の働きと林業について普及するためのものと思われる。もちろん今年も各所に配布しているらしい。

発行元は、北海道林業改良普及協会だ。ただ制作は、プロダクション名が書いてある。武士の情け?で匿名にしておく。頒布価格は250円だと。全6ページだが……。

でもって、会長はご立腹なのである。「こんな林業、何十年前なんだ!」

なるほど。よくイラストを見てほしい。

チェンソーの持ち方がなんかヘンなのは目をつぶるとして、今どきブルドーザーで伐った原木を引きずって出す集材があるか?  トラックに積むのも、丸太をワイヤーで縛ってクレーンで吊り上げる?  ついでに言えば、トラックの積み方もちょっと違和感がある。中央部に高く積み上げたら、荷崩れしやいのではないか。

う~ん。こんなことやっていたのは何十年前だろう。現在の北海道の林業は、全国的に見ても機械化が進んでるから、フォワーダやグラップル、ハーベスタなどは一通り揃っているわな。

イラストレーターが現代の林業に通じていないのはしょうがない。イラストのプロだが、林業は門外漢だろう。しかし参考とした資料はいつのものだろうか。その資料だって発注元が提供したと思うが、どこから引っ張りだしてきた? もしかして、イラストの元にすべき資料の収集も丸投げしたか。イラストレーターは仕方なしに、インターネットなどで時代を考えずに見つけ出したものを使ったのか。あるいは、完全に頭の中で描いた?

しかし、上がってきたイラストのチェックは発注元がするものだよな。

林業に無知なプロダクションなどに丸投げして、写真もイラストも、チェックさえせずに印刷に回した状況が浮かび上がって来る。

肝心の発注者は、天下りなどで仕事に対する意欲もなく、丸投げ後に校正もせずに放置したのかも、と想像をたくましくする。あああ、そもそも担当者もデスクワーク専門で林業現場を知らなかったりして。チェックしていてもイラストのおかしさに気づかないとか。。。

でも、これで林業を「改良」「普及」しているんだよなあ。。

2013/05/28

ダニ対策は、これだ!

最近、急にマダニを介して感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に注目が集まっている。国内で発見されたのは今年1月だが、後々振り返れば、この感染症だったんだ、という例が次々と見つかるのだ。

感染者は、現在のところ国内で17人確認され、死者は9人も出た。今後も増えるかもしれない。

マダニの感染症には、ほかにライム病や日本紅斑熱、Q熱とあるが、ときに死に至るケースもあるから怖い。そして山に入る者にとって、ダニは避けられぬ存在だ。いくら気をつけても、どこからか忍び寄る。

気がつけば、ズボンの裾から上がってきたり、風に乗って飛んでくることさえある。そして血を吸って、どんどん大きく膨れ上がる。そして1~2週間離れない。

ダニが怖いのは、単に吸血するのではなく、皮膚を切り裂き、ほとんど頭を突っ込んで接合したような状態になること。食いつかれたら、簡単にたたきつぶしたり引きちぎってはダメなのだ。ダニの頭だけが体内に残ることになる(>_<)。

そんな怖い怖いダニに食いつかれても、はい、大丈夫。

とっておきの商品を紹介しましょう。どん!

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富士平工業の、ダニ取りピンセット。

これさえあれば、怖い怖いダニが簡単にとれるのです。

見てくださ~い。ボールペンのような外見ですが、長さはたった10センチ足らず。

お尻を押すか、レバーをスライドさせると、先っぽのピンセット(形状は、むしろとげ抜きか毛抜き)が開いて突き出しますから、エイッと食いついたダニをつまんでください。

そして、ここからですよぉ。ピンセットごと左にひねると、あら不思議、簡単にダニを取り除けるのです。反対に回しちゃダメ。気をつけてね。

お値段は、驚きの○×○円!

……閑話休題。

こんな優れモノなのに、意外と知られていないのは、これが医療用の道具で、動物病院でしか売っていないこと。人間用に販売されていないらしい。

これを教えてくださったのは、石井山林の石井さんである。山林を見学中にダニが出て、メンバーが恐慌状態(^^;)になったときに出してくれた。そしてお土産?にいただいた。

これは、林業や森林散策などアウトドアに関わる人に必需品かも。

ただし、無事ダニを取り除けても、感染してしまっているかもしれないから、症状が出たらすくに病院へ。

2013/05/27

エゾジカの溜め糞

石井山林の話だが、驚いたことの一つ。

それはエゾジカの糞であった。

ご多分にもれず、この山にもシカは多く、角研ぎなどで傷ついた木々をたくさん見たが、糞も多い。が、このとおり、どっさり一カ所にかたまって糞の山があるのだ。

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シカが同じところに糞をする、いわゆる溜め糞の習慣があるとは聞いたことがなかった。タヌキじゃあるまいし。

少なくても、奈良公園ではシカの糞は各所に分散している。いや、「奈良のシカ」は、歩きながらするなど所選ばず、だ。

それは草食動物の習性ではないか。糞をする場所を決めると、肉食動物に襲われる確率が増えるからだ。

エゾジカは、事情が違うのか?

ところで、別のケースも。

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これは、石井山林の一角にある小屋。

その入り口には屋根がある。

その屋根の下にどっさりとあったのが……!

写真を拡大してみよう。

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こんなに糞が溜まっている。

糞は、結構古くなっていたから、最近はしていないらしい。

おそらく雪の積もっている季節に、ここでしたのではないか。


実は、別の扉のない物置のなかには、もっと凄い糞の山があった。気持ち悪くて、写真を撮らなかったほど。

つまり、屋根のあるところで糞をするという習性があるのか?

最初の溜め糞も、樹木の下だったから、多少屋根効果があったのかもしれない。

エゾジカは、雪の上ではなく、地面に糞をしたがる? それが溜め糞を生み出した?

この仮説はいかがだろう。

2013/05/26

石井山林とスイスの森

話は、また北海道にもどす。

こちらで訪れたのは、十勝郡浦幌町の石井山林である。現在の所有は、三井物産。私は、かなり強引に見学をお願いして実現した。三井物産フォレストの方々には、非常にお世話になった。この場を借りて、御礼申し上げます。

さて、肝心の石井山林は、実は三井物産のものになったのは2011年。つい最近のことで、その前までは石井家の山だった。現在も石井家は管理を任されており、山の案内もしてもらった。

面積は308ヘクタール。かつては炭焼きのためほとんどナラ類を伐ってしまったそうだが、戦後は一転して択伐・天然更新・混交林化を図り、美しい森となっている。

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カラマツ林だが、よく見るとトドマツや多種、さらに広葉樹もたくさん入っている。何より林床に稚樹がいっぱい育っている。

なかには樹齢が90年近いカラマツの巨木も76本残されており、これは北海道最古の人工林らしい。石井家の先代が植えたというので、「先代カラマツ」と名付けられている。

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直径を図る。

85センチほどあった。カラマツは、やはり生長がよい。今も毎年数ミリずつ太っているというから、樹勢は旺盛だ。

そして驚くのは、縦横に入った作業道だ。ヘクタールあたり180メートルという。幅は4メートルくらいありそうな道が大半を占める。しかも、等高線上に入れているのでなだらかで、ほとんど崩れることがないという。

ただ、一部は稚樹が繁っていた。このままだと、作業道は細くなる?

これを戦後すぐに、故石井氏は、自力で作り上げたのだ。まだ馬搬が中心だった時代に、これほど密に、これほど幅広の道を入れた先見性は凄い。

そして、この森を見て連想したのが、昨年見てきたスイスの森である。参考までに写真を示そう。

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カラマツやトドマツ、トウヒ、そして広葉樹の入った混交林仕立てで、稚樹が生い茂っている。もちろん、択伐施業の天然更新。

石井氏は、中部ヨーロッパで主流となっている天然更新や混交林施業を知って真似たわけではないだろう。自身で美しい森づくりを目指した結果が、この石井山林なのである。しかも50年ほどで、一応の完成を見たのだから、意外と?早くできるものだ。
ちなみに三井物産も、この施業方針を引き継ぐそうだ。

洋の東西、発想は違っても理想の森づくりを描くと、同じような森になる、相似形の施業になるというのは、もっと意識すべきではないか。

この石井山林に関して感じたことは、もっといろいあるのだが、それは次の機会に。



2013/05/25

「緑マントのペテン師」論~後藤國利氏

話は、宮崎にもどす。

ここで私とともに講演を行ったのは、後藤國利氏。現在の肩書は、有限会社うすき林業取締役などで、自身が林業家なのだが、むしろ大分県の県会議員を始め、臼杵市市長を3期務めた政治家的なイメージがある。

私は、雑誌などで名前を拝見していて、「草食系林業家」などの言葉遣いの感覚が優れていると思っていた。この点は、以前にも記した。

http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2013/04/post-2834.html

実際にお会いすると、実は入院中汝のだが、この日のために抜け出してきたという。しかも講演中はイスも使わず、熱弁を奮い、いやはや、熱い、熱い人だ。

おだやかな話し方にも関わらず、その舌鋒の鋭いこと。ずばずば林業界を斬っていく勢いに圧倒された。ここに林業界の論客あり、と感じた次第。

なかでも印象深かったのは、これ。

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この図を見よ。

人工林の断面を表している。現在の人工林は、「外から見たら緑のマントを羽織っているが、中身はない

つまりペテン師だというのだ。

これは、強烈。

そして日本の林業のダメさ加減をあばいていく。

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政治家なら、言葉は選ぶし、また両者を立てて柔らかく表現することが多いが、ズバ!ズバ!とかっさばいていくのだ。

それも、どこかの市長のように、威勢がいいだけ、本音で訴えると暴論を薄っぺらにひけらす手合いとは違い、実に細かく内容を吟味している。

なんしろ、自身が林業家として森を見てきて身をもって体験しているのだから。また経済学の知識もしっかり抑えている。

そして、政策も極めて具体的。森林経営計画の建前(根幹の意味)と運用もしっかり指摘する。補助金制度の改革を、農地解放に続く実質的な「林地解放」と捉えている。

また「森林・林業再生プランは、早晩立ち往生する」と言いつつ、処方箋も示すから説得力がある。

聞いていて、気持ちよかったなあ。林業界の論客、ここにあり、と感じたよ。

終了後はすぐに帰られたから、あまり話はできなかったが、幸い資料をたくさんいただいたから、今後じっくり読ませていただこう。

2013/05/24

Y!ニュース(個人)アップしました。

Y!ニュース 、書きました。

日本人は、森が嫌い? (田中 淳夫) -

2013/05/23

タンポポの国

なんか、谷山チックなタイトルつけてしまったが……。

北海道より帰宅しました。

今朝は雨まじりで寒い北の空でした。そして関西は28度越えの熱帯(⌒~⌒ι)。
なんじゃあ、この天候。そもそも北海道に入った日は寒くて、山に入るための防寒着を用意していたのに、肝心の中日(21,22日)は暑くて暑くて……そして帰る日はまた寒空かよ。

それはともかく、今回の北海道の印象は、タンポポ。

とにかくタンポポが咲き乱れている。

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町中に少しでも土があると、タンポポ。

ときに一面タンポポ。牧場もタンポポ。

ウシやウマは、タンポポ食べて大丈夫なのだろうか。

写真は中央分離帯なのだが、少し寒くて開きが悪い。





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こちらは、池田町の葡萄園。

葡萄は短く剪定されてしまい、タンポポ畑のごとく。。。

しかし、昨年も5月に北海道に来ているのだが、タンポポを見た記憶がない。

咲くのは、本来なら春先であり、今は少し遅め。これも天候不順のおかげで今回の訪問時に目にすることができたのかもしれない。


一応、手に取って調べたのだが、どうやらセイヨウタンポポ。つまり外来種だ。

おそらく、近年急に分布を広げたのではないのかなあ。これはこれできれいなのだけど。。。

2013/05/22

なが〜いベンチ

なが〜いベンチ
帯広市内の公園にあったなが〜いベンチ。

これ、いいなあ。広いグリーンの一辺を覆うばかりの長さ。100メートルくらいあるんじゃないか。
使っている木材量も多いだろうし。

単なるベンチより、何か解放感?があるわ。

見つけた!

見つけた!
駅前の長崎屋に入っている喜久屋書店で見つけた!

さて、私の本は何冊あるでしょう?

2013/05/20

今日は何の日?in 帯広

今日は何の日?in<br />
 帯広
帯広に来ている。異常気象とかで、寒い。山には雪も残っていたりして。

そんでもって、町で見かけた看板。
「今日は何の日?」森林の日!

知らなかった…。

牛肉のからすみも知らなかったけど。

他にも森に関した看板・コピーが目立つ街角だった。

2013/05/19

太いクヌギ人工林が見たい

諸塚村で空き時間を利用して見学したのは、クヌギ林であった。

林業的には、当然諸塚村もスギ林が主体なのだが、「スギなんて、見飽きたでしょ」とうそぶいて(^^;)、見たいと申し出たのはクヌギかコナラの林なのである。

というのも、諸塚村はシイタケ栽培が盛んで、その原木としてクヌギやコナラが植林されているのだ。山はさまざまな林齢 のスギやヒノキと並んで、クヌギの人工林がパッチ状に広がる。おかげで「諸塚のモザイク林相」として一部では有名である。

実際、クヌギの植栽はかなり広範囲に広がるが、今の季節、みな新緑。美しいのだ。それだけでも見る価値はある。

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年若い植栽地。

せいぜい3~5年かなあ。






が、何もそれだけでスギよりクヌギ、と言ったわけではない。

実は、先々月の東京のシンポジウムで見て来たワイスワイスの家具。これは、国産材でつくっていることが売り物であるが、そのことは、すでに拙ブログでも紹介した。

http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2013/03/post-75fe.html

そして、その国産広葉樹材の産地の一つが諸塚村のクヌギやコナラなのだ。

もちろん、シイタケ原木用としてのクヌギなどは、せいぜい10年15年で伐採して利用する。だから細くて家具材にはならない。が、近年のシイタケ不況で、原木需要も落ちており、結果的に伐採されずに放置され、太く育ってしまったクヌギやコナラが少なくない。これらをドングリ材として木工素材に利用しよう……という発想が元になっている。

そこで「太いクヌギかコナラが見たい」というのが要望なのである。

そんなわけで案内されたのが、実は案内してくれた村の職員の持ち山であった。「太くなってしまって恥ずかしい」そうなのだが、それこそ見たいのだよ。

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そんな一つが、こんなクヌギ。これは道端であるが、直径20センチくらいかな。ほかに、もっと太くなったもの……と言っても30センチには届いていなかった。

それでも、なんとか幹のうちまっすぐな部分を2メートルくらいは取れるか。家具用なら使える。が。

正直、がっかりである(-_-)。

私は、見上げんばかりのクヌギの巨木を期待していたから。。。

たしかに直径20センチにもなったクヌギの丸太は、シイタケのホダキには向いていない。しかし、材としては細くね? だいたいクヌギは樹皮のコルク層が分厚くて、それを除くと数センチ小さくなるだろう。

私は、生駒山山中で、それこそコナラなどの巨木をたくさん見ている。目回り1メートルどころか2メートルに届きそうなものもある。直径にしたら60センチは優に超す。なかには直径1メートル以上のものもある。

http://ikoma.cocolog-nifty.com/moritoinaka/2012/05/post-bfe1.html

考えてみたら、戦後ずっと放置され生長し続けた生駒山の木と違って、諸塚村の木は放置されたと言っても、この20年30年くらいまでだろう。ほとんどは目的を持って植えられ、ホダキに適した太さになれば、伐採されて再び萌芽から育つか、あるいはドングリを育てた苗を植えたのだ。

だからこそ、太くなってしまった木はちゃんと利用しなかったことを意味するから、「恥ずかしい」のである。

こんなところに、森の歴史と生業の記憶を感じた諸塚であった。

最後に。諸塚村の診療所内。

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診療所内の食堂のテーブルとイス。ワイスワイスの家具だ。これこそ、村のクヌギでつくられていた。

まともに購入したら、イス一脚でも、6万円を越える。クッションつきだから、もっとする。テーブルにいたっては、30万円を越える。

それらが待合室などにも使われている。なんと贅沢なんだ……。

2013/05/18

民宿の食事

諸塚村より帰りました。

いやはや、なかなか有意義な数日間を過ごしたのだが……さまざまな話題は今後小出しにすることにして。

初日に泊まった宿「樹の里」の夕食は素晴らしかった。

多くが村内産品や手づくり料理である。こんにゃくや岩魚の刺身のほか、シイタケ尽くし。とくにシイタケとナスの南蛮がよかったなあ。最後は手打ち蕎麦まで出た。またツマモノもオシャレに使っている。みんな家の周辺で取ったものだという。

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なかでもクサギ菜と呼んだクサギの樹の若芽はほのかな苦みがステキな山菜だった。クサギは庭木にでもしているのかと思いきや、高枝伐り挟みを持って山に登って収穫してくるのだという。また手づくりの柚子山椒も辛味が効いて大いに気に入った。

ついでに言えば、諸塚村内でつくられている焼酎がイケルのよ。「園の露」だったかなあ。さわやかな香りがして、30度と強めの度数もお気に入り。一人で何杯も飲み続ける。なんでも生産量が少ないので、村内しか出回らないそうだ。お土産に購入するつもりたったのに、忘れてしまった(泣)。

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さてさて、そんな話とは別に、一波乱。

食卓に出ているのはプラスチックの箸なのだ!

写真に写っているのは、私のマイ割り箸。






もちろん、私は「マイ割り箸」を出しましたよ。聞けば、女将さんはマイ箸を持っているのだという。そう聞けば、私の心に火がつく(笑)。

割り箸の素晴らしさ、そして国産割り箸を使うことが林業を支えるのだ、とひと腐り。

うるさい客に化けたのであった。

2013/05/17

練習の会

練習の会
諸塚村なう。

夜はお決まりの宴会なのだが、会場しいたけの館で見かけたもの。

練習の会とは、ようするに酒を飲む練習といういみらしい。乾杯の前の一杯。。
それはいいが、会頭の名前に注意。

2013/05/16

諸塚村の産業は?

諸塚村の産業は?
本日より宮崎県諸塚村に。

諸塚村といえば、やはり山村であり産業は林業を思い起こす。

が、目の前にあるのは茶畑。その奥にはクリ林。さらに奥にはスギ林とその林床のシイタケのほだ木。他にも田畑が目に入る。これらが皆、村の産業だ。

その全体を見ないと、村の生業を見誤る。
そこにあるのはアグロフォレストリーの発想だろう。

2013/05/15

国際キヌア年もあった

昨日は「国際水協力年」を紹介したが、実は2013年にはもう一つの国連の決めた国際年がある。

それが、国際キヌア年だ。

キヌアを知っているだろうか。私も、雑穀ということしか知らなかったので調べてみると、

キヌアは、アンデス原産のアカザ科の1年草で、大量に実をつけ収穫できるうえ、栄養価が高い。しかも栽培はマイナス8度から38度まで可能で、湿度も40%~88%まで平気。標高も4000メートル級の高地でも育つ。高塩分濃度土壌や痩せ地でも適応する……というスーパー穀物らしい。

現在は南米6カ国の生産だが、これを認知させて世界中に広めれば食料危機に対応できる……ということで、国連年に選ばれたという。

そういや、先日訪れた京都文化博物館のインカ帝国展でも、この作物の展示があったなあ。マチュピチュでも栽培していたのだろう。トウモロコシに並ぶ新大陸の強力作物だ。(これにトマトやジャガイモ、トウガラシ類を加えたら、農業世界を席巻している。)

キヌアの種類は非常に多いが野性味が強く育ちやすいというから、日本の山野でも育つだろうか。野放図に栽培されたら外来種問題に抵触するが、ひと頃流行ったケナフよりはマシというか、有用な気がする。

日本で雑穀と言えば、アワやヒエだが、主に山間部、焼畑を中心に栽培されてきた。ソバも同じだ。鳥獣害に強いのかどうかはわからないが、山間部でキヌア栽培はどうだろう。

たとえば植林地に木の苗とともに植える。キヌアは1年で1~2メートルにも成長するから苗は草に覆われたように見えるだろうが、収穫する行為が下刈りに相当するか、さもなくても枯れる。ならば下刈りもいらない。

ただ、やはり需要があるのかどうかが問題かな。。。食料不足にあえいでいる国ならともかく、日本ではキワモノ扱い……と言って悪ければ、健康食品とかエスニックな料理の一品程度に見えてしまう。

とはいえ日本でも、わずかに輸入販売されているし、なんとクックパッドにも料理法がアップされているのだから、意外と抵抗なくひろがるかもしれないよ。需要がアワやヒエのレベルでとどまるか、ソバのように広く愛好されるまで需要を高められるか……。

ま、こんな夢想をするのも、国際キヌア年ならでは、だね。

2013/05/14

「国際水協力年」って知ってる?

国際生物多様性年(2010年)や国際森林年(2011年)。

昨年は国際協同組合年だったが、今年、2013年は何の年?

実は、「国際水協力年」だった。もう半年近くすぎてから指摘するのも馬鹿げているが、基本的には世界各国が「水」という貴重な資源を利用していくうえで、協調して取り組む基盤づくりを目指しているのだそうだ。

いまや世界中で水不足が深刻化しており、水資源を巡る争いごとは絶えない。だからこそ問題を提起して協力を目ざす意味があるわけだが……。

私のアンテナの方向が違うせいか、これまでまったく伝わってこなかったが、果たして水業界では盛り上がっているのだろうか。

しかし、やはり「水資源」 と言えば、「外資が森を……」を思い出しますね(^o^)。

私の調べた範囲内では、まったくの杞憂ではあるが、最初の時点における問題提起としてはよかったと思う。外国人が日本の土地を買う可能性を指摘して、それが何を意味するのか、考えるきっかけにはなっただろう。その場所の一つとして森林が選択に入っていたことも、日本の森林の実情が浮かび上がる契機になった。

しかし、その目的・動機として「水源を狙っている」はないよなあ。アジテーターの頭の悪さが浮かび上がる(笑)。なんとかそれらしい理由をでっち上げるためにひねり出したのだろうけど、ツッコミどころ満載であった。

仮に私に、外資が日本の森を買おうとしている(かもしれない)問題に対してキャンペーンを打ちたいという打診があったら、もっと納得できる理由や社会構造を示してあげたのに。
そして、日本の森林を守るのは日本人ですよ、とキャンペーンを張って、森林保全のために投入する補助金を増やすお手伝いができたかもしれない\(^o^)/。



ま、そんな戯れ言はともかく、水協力年である。

水資源の豊富で、しかも島国ゆえ隣国と水で争う心配も少ない日本だが、これを国内向けにアレンジして森林問題とつなげることは可能ではないか、と思っている。

そもそも利水のためのダム建設や渇水時の各県の取水問題は、本当は水利権の融通でほとんど解決する。たとえば水利権を証券化して取引する市場をつくればよいと思っている。

そして水利権を債権化すれば、川下の町から川上の村への金融の流れをつくれるかもしれない……と密かに考えたこともあった。そもそも現在、自治体が独自の課税をしている森林環境税も、当初は国レベルで検討されたこともあるのだ。そして当時の仮名称は水源税であった。

木材も川上から川下へ流れるが、ゆっくりすぎる(^^;)。水の方が早くてわかりやすい。

さらに水が絡んだ砂防・治山も、山側と川(水)側が協力することで大きく前進するだろう。土倉庄三郎が「林業意見」で提案した「山川省」の設置構想も、実は砂防-治山-造林-林業へと結びつけることが可能だったのである。

あと半年しかないが、水協力年の今年、再び考えてみないかなあ。

2013/05/13

ヤフーニュースに関して

よいこの皆さんはお気づきのことと思うが、このところ、ヤフーニュース個人というページに投稿している。

ヤフーニュースにはさまざまなカテゴリーがあるが、最近個人のオピニオンを載せるコーナーも生まれたのである。そして、長年森林や林業について書き散らしている私にも依頼がきたというわけだ。

と言っても、ブログの転載OKだし、ノルマもない。ついでに言えばギャラもない(^^;)。正確に言えば、たまに広告収入のおすそ分けがあるらしいが……せいぜい数百円程度。

私も気軽に引き受けて、ブログの延長で書き始めたが、転載OKと言われても、つい書き下ろしてしまう。またブログほどくだけた書き方もできないし、多少プレッシャー増加。
そのうえにブログも書くのでは、単に量が増えただけ。本業の原稿はいつ書いているのか、そもそも本業の隠し子と、違った、書く仕事はあるのか。ないから、こちらに熱を入れてんじゃねーのか。

……という誤解?を招くかもしれないので、はっきりさせておくことにした。

ヤフーニュースに記した日は、原則としてブログは書きません。あるいはブログにリンクを示すだけにしておく。

ちなみに今日は、
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaatsuo/20130513-00024904/

まあ、のんびりやります。あまり時事性は求めず、何年も前のブログなどの記事を改めて今風に取り上げてみようかとも思う。

2013/05/12

毛虫の雨が降る

谷山浩子の曲に「穀物の雨が降る」というのがあって、街にトカゲは出るわ、地球は止まるわ、と破滅的な歌なのだが、毛虫も雨のように降ることを知った。

今日は遭難する余裕もなく、わずかに丘陵地の遊歩道を歩いた。多少とも新緑を感じて癒されるか……むかつくことも多いからなあ……と進み出すと、上からバラ、バラと何かが。

ジェジェジェ!! (ちょっと流行りの言葉、使ってみました)

気がつくと、目の前 ち毛虫がぶら下がっているのだ。あわてて避ける。が、避けた先にまた。それも1匹や2匹ではない。まさに糸を引いて上から懸崖降下してくる。気がつくと服に着いていたりする。そして地面は毛虫が点々と。

なんと、道を覆い被さるように伸びた新緑の木々の枝から空挺部隊の訓練か! と毒づきたくなるほど毛虫が降りてくる。いや、途中でプッツンするものも多いのか完全な落下も少なくない。

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わかるかな?

なかなかピントが合わない。

しかも動く。風で揺れる。毛虫もウネウネ体をくねらす。

思わず、カメラを構えて、なんとか宙ぶらりんの毛虫を撮ろうとする。

すると「撮らないで!」という声が。

え?

見ると、毛虫の向こうに女性が二人。カメラを彼女らに向けているように見えたのね。

幸い、もう片方の女性が、私の被写体にしようとしているのが何か気づいたようで、恥ずかしそうに去っていき問題にはならなかったが、毛虫のおかげで冤罪かぶるところじゃった(泣)。

その間にも、毛虫の雨が降る。おわらない雨が♪

どひゃひゃ、と避けて立ち止まると、森の中でパサ、パサと間断なく音がする。

ああ、森の中に毛虫の雨が降る(泣)。どうやら毛虫だけでなく、毛虫の糞も落ちているようだ。つまり、バリバリと新緑の葉を食べて、糞を落として、ついでに自分も落ちる。まだサナギになるには早いはずだが……。

このような葉食性の虫の食べるバイオマス量は馬鹿にならないだろう。見上げると、新緑もみんな穴だらけになっていた。実は、これが森の物質循環に大きな役割を果たしているのであり、決して虫、じゃなく無視できないのだが。

しかし、空気もよく、青空で、涼しい風の吹く今日のような日よりなのに、毛虫におびえて、全然癒されなかったわ。早々に引き返しました。

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この写真の中に、何匹の毛虫が写っているでしょう……。

2013/05/11

お休みします。

なぜか毎日書き続けている本ブログだが、本日はお休みします。

別に理由はないよ。

2013/05/10

木材利用ポイントのお勉強

今更ながら、木材利用ポイントについてお勉強してみた。

http://mokuzai-points.jp/common/file/about/release_130329.pdf

定義付けとか登録業者のなんたらとか、読めば読むほど、めんどくさくなる(^^;)。

それでも、一応自分が理解するために説明してみよう。おそらく読者には、もっと詳しい人や当事者(登録業者など)もいるだろうから、皆さんの感想なり解釈なり裏事情なりを教えてください。面白ネタは使わせてもらいまっせ(笑)。

まず目的は、

「地域材の需要拡大の取組を促進し、地域材需要を大きく喚起する対策として、地域材の利用に対してポイントを付与し、第一次産業をはじめとした地域産業、ひいては農山漁村地域経済全体への波及効果を及ぼす取組への支援を行う。」

とある。で、木材利用ポイントの付与対象としては、次のとおり。都道府県に登録された事業者が工事を行うか製造していることが必要だ。

(1) 木造住宅
(2) 内装・外装木質化
(3) 木材製品及び木質ペレットストーブ等

木質ペレットがいいのなら、割り箸もいいじゃないかと思わぬでもない。割り箸をどんどん使ってポイントを貯めよう、とか面白いのに。

それはともかく、この後の項目が法律的な定義とか業界向けで、読んでいて面白くない。いや何よりわからん。

むしろ私が興味を抱いたのは、本文より別紙にさらりと書いてあること。

まず木の樹種は、次のように定められている。

スギ、ヒノキ、カラマツ、トドマツ、アカマツ、クロマツ、リュウキュウマツ及びアスナロ

これで、国産材の建材はほとんど網羅しているのかな? 家具などは広葉樹材が多いだろうが、入っていない。モミやコウヤマキは? トドマツはあってエゾマツはない? などツッコミどころはあるが。。。

さらに工法(構法)も、定められている。

・スギ、ヒノキ、カラマツ、トドマツ、アカマツ、クロマツ、リュウキュウマツ又はアスナロを主要構造材等として過半使用する木造軸組工法
・スギ、ヒノキ、カラマツ、トドマツを主要構造材等として過半使用する丸太組構法
・スギ、ヒノキ、カラマツ、トドマツを主要構造材等として過半使用する枠組壁工法

ようするに、在来構法とログハウスとツーバイフォーなどパネル構法ということか。なんだ、みんな該当する。つまり輸入材も排除していない。
あからさまに国産材だけとしたら、WTO条約違反になりかねないからだろう。すでに輸入材を使っているハウスメーカーは、外国政府を経由して申し入れ?抗議?をさせて、骨抜きを画策していると聞くが……。

次に対象地域材とは、次の(基準を満たすもの。

(1) 次の①から③までのいずれかに該当するもの
① 都道府県により産地が証明される制度又はこれと同程度の内容を有する制度により認証される木材・木材製品
② 森林経営の持続性や環境保全への配慮などについて、民間の第三者機関により認証された森林から産出される木材・木材製品
③ 「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」(平成18年2月・林野庁)に基づき合法性が証明される木材・木材製品

①は、自治体の木材認証制度、②は森林認証制度、③が合法木材証明ということかなあ。

②は出荷量が少ないから、あまり期待できない。①も各地バラバラにあるが、量的にはどうだろう。ほとんど利用されなくて休眠状態の認証もあるそうだが。
だが③には、たいていの国産材は該当するから、ほとんど国産材ならOKになる。ただし市場に出たものであり、自分の山の木を自分で使うような場合は認定されにくいだろう。ある意味、「顔の見える家づくり」などと推進していた“
山主と結びついた産直”は排除しているのではないか。もっとも「合法証明」自体がナンデモアリの形骸化した代物だが。


(2) 資源量が増加しているものであって、事業目的に照らし適切と認め、あらかじめ定める樹種のほか、基金管理委員会が、林野庁と協議の上、資源量が増加しているものであって、事業目的に照らし適切と認め、指定したものであること

これが曲者だ(^^;)。

資源量が増加しているもの? おそらく林野庁は、国内の森林はみんな増加していると認定してしまうだろう。が、輸入材はどうなるか。そんな資源調査をして申請する輸入業者がいるだろうか。熱帯材やロシア材は難しい。(でも、書類くらいならいくらでも作るかも。)米材もビミョー。ヨーロッパ材なら増加していると証明できるかもしれないが。

ようするに、ここで輸入材を実質的に排除するわけね。巧妙なフルイだ。

もっともしたたかに輸入材によるハウスメーカーは、木材利用ポイント還元セールとか名打って、ポイントに相当する30万円くらいは値引きして対抗するかもしれない。消費税還元セールを禁止しようとする自民党に頼んで、こちらも禁止してもらわねばならない(笑)。

どうかなあ。こんな理解で。

2013/05/09

混交林? 放置林?

昨日の福知山行。

車の中から撮ったのだが、各地でこんな山を見かけた。

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新緑が鮮やかで、針葉樹林と広葉樹林の分布が一目でわかる。



針葉樹林は間違いなく杉などの人工林。そこに入り込む広葉樹の新緑……。

写真は、車の止まったところでサッと撮ったもので、多少棲み分けているように映るが、完全にモザイク状に混交しているところが多かった。

これって、針広混交林と見るべきか、人工林の放置による広葉樹の侵入と見るべきか。

やっぱ、放置だな(^^;)。

でも、こんなに美しいんならいいじゃないか。

2013/05/08

コウゾの芽吹き

今日は、京都北部の福知山市へ。

そこで見かけたのは、コウゾ畑。

そう、和紙の材料になるコウゾ(楮)である。もっとも、昨秋に刈り取った跡。

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コウゾはひこばえから生長する。毎年刈り取っているから、このとおりの状態だが、少し遅めの芽吹きが始まったようだ。




これが、半年、いや4、5か月後には高さ4~5メートルにも生長するのだ。

ちょっと信じられんような生長速度だ。いっとき流行った外来種のケナフを植えるくらいなら、コウゾを植えた方がよいのではないか。なにより在来種だし、いまや和紙の材料であるコウゾやミツマタ、ガンピは9割以上は中国産なのだから。

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そしてここは、丹後和紙のふるさとであった。。。

次は夏の盛りに伸びたコウゾ畑を見に来よう。

2013/05/07

「見えない税金」としてのFITと花粉症

日本には「見えない税金」がたくさんある、と唱えたのは、たしか大前研一だったように記憶している(かなり古い。おそらく30年くらい前)。つまり一般に納税する金以外に、この世の商品やサービスの金額に上乗せされいる経費のことである。

たとえば複雑で厳しすぎる規制によって無駄にかかる経費とか、競争させないための高止まり価格とか、官僚の天下りが生み出す無駄な人件費とか、不当な接待費など会社が吸う甘い汁とか……。だから電気代などエネルギーやチャンスロスの損害をかぶせた商品価格、そして通信費などが世界標準より高くなっており、それは国民に見えない税金を払わせているようなものである、という理屈である。

つまり、あまりいい意味ではない。

そんな言葉を思い出したのは、FIT(再生エネルギー全量買取制度)による電力料金への転化である。

バイオマスの未利用木材を例に見れば、たしか33,6円/kwhとかなり高い金額を設定している。これは通常なら引き合わない山から搬出する経費やバイオマス発電所の建設費を電気代に上乗せすることを元に計算されたからだ。

この価格が妥当かどうかはさておき、目に見える徴税と支払われる補助金の関係とは違って、電気代に含まれることで見えないように徴収し、見えないように林業家に助成される金だ。国も財政が痛まない。

もちろん、再生可能エネルギーを普及させるという大命題の元に設計された制度であり、「見えない税金」だから全ていけないというわけではない。
そもそも「見えない税金」を撤廃すると、意外や経済が縮む面もある。接待費削減で冷え込む歓楽街もあれば、無駄がないゆえのぎすぎすした人間関係になったり、緊急時に対応できる「遊び部分」の消失も考えられる。「働かないアリに意義はある」のだ。

ところで花粉症の季節もそろそろ終わりに近づいたかと思うが、花粉症がもたらす国民の支出は年間4000~5000億円と推計されるそうだ。主な林業収益である素材生産額が約2200億円だというから、その巨大さがわかる。

そこで、花粉症支出は「見えない税金」かも、と考えたのである。単純に不必要な負の経費と考えるか、花粉症によって医療研究が進んだ面もあるし、医療医薬品、グッズ類の経済に貢献したとも言える。花粉症経済が成り立っているかもしれないのだ。

同時に、補助金出しても間伐してスギを減らせ、という林業家向きの助成を生み出している面も結構大きい。また林業無関心層を否応なく日本の山へ振り向かせる効果も大きな目で見れば少なくない。みんながみんなスギを嫌うのではなく、山にスギがたくさん生えている理由を考えた人も結構いると思う。

なぜ、FITは歓迎されるのに、花粉症経済は歓迎されないのか?

花粉症は、人生への投資である! 花粉症になったら喜んで医療費を払え! と主張したら、袋たたきに逢うかもね(⌒ー⌒)。

2013/05/06

小さな家を

連休最終日……と言っても、私にはとくに連休でもないのだが……は、自宅の庭の掃除をした。気がつけば、草ぼうぼう。娘にも「荒れているな」と言われたのだ。

仕方ないので、落ち葉をはき集め、草を刈り、新芽の出始めた木々の枝を剪定し、ついでに繁ってきたフキをとって皮を剥いて茹でて……ああ、また脱線してしまった。

それはともかく、なんとか恰好をつけた。

実は、現在自宅と実家の二つの家を掛け持ちでいるので、私が関与する家の面積は随分広くなった。これを維持するのは、かなり大変である。掃除だけでもぐったりするし、さまざまな家事がある。私の場合は仕事場でもあるわけで、さらにメンドウ。


先日、何気なく読んでいた新聞記事のエッセイに、人口減少について触れているものがあって、住宅着工件数は、年間60万軒を割るようになるだろう、とあった。

ほんの数年前まで100万軒以上のオーダーを維持し続けていたのだが、リーマンショックで80万軒まで下がった。その後、政策的なてこ入れもあったから多少持ち直した年もあるが、おそらく当面は80万軒を保つのが精一杯だろう。(今年も、消費税アップ前ということで駆け込み需要がありそう)

しかし、確実に減少局面にある。多分、後10年もせずに60万軒まで下がるというのは現実味のある数字だ。それでも空き家は増えるだろう。
すでに住宅の2割くらいは空き家だという推計もある。多くは団地やアパートだが、今後は戸建てに広がるのは想像がつく。

事態は軒数の減少だけでないと私は予測する。建てられる家も、集合住宅が増え、一軒家も小さな家になるに違いない。なぜなら家族数が減るからだ。
4人家族さえ珍しくなり、1人2人で住むのが常態化するのではないだろうか。3人以上なんて、子供が小さい一時期だけで、どんどん独立し、老人家庭が増える。

そうなれば、部屋数の多い家は、負担になるだけ。新築が小さくなるだけでなく、現在の家の間取りを減らす「減築」も進むだろう。さらに集合住宅はシェアハウスやグループホームも増えて行くかもしれない。

おいそれと木材需要の拡大など不可能ではないか。

……そんなことを考えていると、絶対に木材需要は減る、と確信したのである。それなのに、木をたくさん使うことで林業振興を計画するのはムリでしょ。

なかには、日本の人口が減っても、輸出があると必死にいう人がいるが、お隣の韓国や台湾も人口減少社会に入る。中国も近い。そして、なんとアメリカさえ高齢化が進んでいるそうだ。移民がいるから減少は目立たないが、そんなに余裕はない。
そもそも日本は基本的に内需経済国家で、輸出を10倍にしても全体では小さい。

いやいやバイオマス需要があると必死の声もあがるが、何十年と植え育てた木を燃やすだけとはあまりに情けない。しかもコストは絶対に合わないから公金で補てんする(FITも税金みたいなもんだ)しかなく、それは財政をいびつにして、経済として確実に破綻する。

それよりも、木材需要が縮んだ社会を前提に林業を再構築して、森づくりとまちづくりを考えてくれないか。木材の量が売れなくても山の暮らしを維持できる経済社会を。

私も、小さな家に住みたい希望はあるけどなあ。小さくなっても、今と同じ経費をかける気になる家の質があり、暮らしに満足を生む家を。。。

2013/05/05

「山林」の図書紹介に

大日本山林会の機関誌「山林」5月号に載った。

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ありがとうございますm(._.)m。

もう少し長めだと、もっと有り難いんだけど\(_ _ )。

2013/05/04

東大寺大仏への木材寄進者数

なぜか神戸で奈良の東大寺の大仏建立に関する木簡が見つかったそうだ。

天平19年(西暦747年)、大仏の鋳造が始まった年に、庶民が2文とか10文とかを「智識」したことを記されてあるそうだ。「智識」(知識)とは、仏教上の寄付のことである。知識がある、というのは、仏教に寄付するもの(情報?)があるということ?

大仏建立が庶民レベルの寄付を仰いでいたことを示す資料である。

ちなみに東大寺には、寺の歴史に関する過去帳があり、そこには「木材智識5万1590人」という記載があるらしい。寄付は金や労働だけでなく、木材の寄付もあったわけだ。

しかし5万人とは……。どんな木材だろうか。建材なのか、鋳造に必要な燃料なのか。大仏殿の巨大な建材は、近江の田上山から切り出されたことはよく知られているが、そんな遠くから運ばれた木材とは違い、もっと庶民の寄付があったのかもしれない。

少し脱線するが、大仏のモデルとなった仏像は、現在の大阪府柏原市にあった「智識寺」にあったと聞く。ここに、巨大な盧遮那仏があったのである。(おそらく高さ3~5メートルくらいと想定されている) 現在は、石神社となっていて、当時の寺の礎石だけが残されている。

寺の名前から、これも寄進で建てられたのだろうか。

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石神社の塔の礎石跡。

この丸い部分に治まる大木を柱としたのだろうか。

2013/05/03

ボルネオの焼畑写真

「椎葉の焼畑写真」を披露したが、また焼畑の写真が見つかった。

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これは……ボルネオだ!

正確には、東マレーシアのサラワク州のルマ・サンパイという村の焼畑。

先に、かつて焼畑に凝っていたと記したが、日本国内ではあきたらずボルネオまで焼畑を見に行ったのは、20数年前か。

こちらも、着いたら火入れが終わった直後だった(~_~;)。まだ煙と炎が上がっていた。

そんな中、すぐに種まきが始まっている。

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私も、さっそく見様見真似で種まきをさせてもらった。

要領は簡単。棒で焼けて灰になった地面に穴をほじくって、そこに籠から取り出した種を幾粒かほおりこんで、足で埋める。
ただ、この種は一種類ではなく、何種類もある。トウモロコシや陸稲のほか、野菜の種子も何種類かまぜて蒔く。水はまかない。雨が降るのを待つだけ。

この多種を同時に蒔くことが結構重要みたいだ。まいた場所の条件に適したどれかが育つのだ。ただし、発芽率は非常に高い。ほとんど100%らしい。

なぜなら焼くことで地中の水分が膨張してふかふかの土壌になっているし、菌類も焼けて死滅している。雑草の種も焼けたからライバルに先んじて成長できる。

なかなか合理的な農法なのだ。

ただし、ボルネオの場合、たった1年で放棄する。日本なら3年~7年くらい続けるんだけどね。なぜ1年で放棄するのか尋ねると、「雑草が生えるから」。

2年目は雑草の方が生長がよくなって作物が負けるのだ。(もしくは収量が落ちる。)それほど植物はすぐに復活する。そして10年15年で森にもどる。

焼畑のメカニズムは、森を復活させるシステムが組み込まれているようだ。

2013/05/02

企画「緑の埋葬巡礼記」

樹木葬」について、少し調べてみた。

遺骨を山林に埋め、墓石の代わりに樹木を墓標として埋葬する形式の墓である。日本では岩手県一関市の祥雲寺が、1999年から里山を買い、樹木葬墓地として開発し始めたのが最初とされる。
その後、それを真似た樹木葬が各地に登場しているが、なかには遺骨の灰をまくだけとか、記念樹の回りにお骨を埋めるものなど、当初の趣旨とは違うものが増えている模様だ。

樹木葬は、基本的に里山などの環境を守るためという動機と、遺骨を自然に帰す発想をクロスさせた埋葬法である。

以前、韓国にも樹木葬が広がっているという話題を本ブログで触れたことがあったが、改めて調べると、もっと世界的なものだった。

墓地という特殊性を利用して生物多様性保全のためのサンクチュアリにする考えは、1996年にアメリカ西部のベリー・キャンベルという男によって提唱された。環境に負荷を書けない埋葬のことを「緑の埋葬」と呼び、自然保護区と統合してつくるものである。日本だと保護区内を墓地として利用することを認めてくれるだろうか。

それはヨーロッパにも次々と広がった。イギリスでは火葬した灰を墓地に撒いたり、土葬された棺の上に木を植えて故人をしのぶという習慣が根づいているという。さらに、ドイツやスイスでも行われているという。

ところが、さらにさかのぼると、キャンベルはこのアイデアをニューギニア高地で行われる埋葬にヒントを得たという。その埋葬の地を「聖なる森」として、伐採や狩猟をタブーとし、自然環境を守るのだ。
緑の埋葬、樹木葬と名付けると、自然保護の新しい発想というイメージが浮かぶが、原点は自然の中で生きる民族の文化にあったのか。

ともあれ、墓地にする土地を、コンクリートのような人工物で固めるより、故人を忍ぶ場としての埋葬地と森林環境は相性がいいように思う。

死は森の中で再生し、再びの生を授かるのである。緑として蘇り、新たな命が復活する哲学を感じる。

いっそ、「世界の樹木葬」を調べて回ろうかなあ。そして本にする。もちろん、美しい写真が必要だ。これをネタに、日本全国・世界各国を回るというのはどうだろう。

タイトルは、そうだな、「緑の埋葬巡礼記 ~命の森の物語」。

ああ、なんかいけそうな気がしてきた(~_~;)。

……私が訪れたソロモン・ニューギニアでも各所で墓を見たが、多くはキリスト教式になっていた。ただ頭蓋骨を祀る古いタイプのところも訪問している。そこは森の中だった。思わず、しゃれこうべを手に記念撮影したが、不謹慎だっただろうか。。。こんなテイストでは、ダメだな。

2013/05/01

「スイス林業連盟からの報告」

気がつけば、連休の狭間。世間は、また仕事にもどっているのでしょうか。そんなときこそ、私はさぼらなければ(⌒ー⌒)。

昨年の今頃、スイスの林業視察が決まってバタバタと準備していたはず。

もう1年か……と感慨にふけるところ、ポロリと出てきた切り取り記事には、「スイス林業連盟からの報告」というタイトルが……。

どうやら森林組合関係の雑誌?らしいのだが、第2回「森林認証制度研究セミナー」を開催して、その中にスイスから招いた連盟の理事らが行った事例報告の記録らしい。その内容は、「スイスにおける林業教育」になっている。期日は、平成14年10月である。つまり、10年以上前!

いや、まあ、なんと。昨年の視察のテーマでは「スイスの林業教育」の部分がたくさんあったのだが、その10年前の記録を私は保持していたことになる。これを読んでから出かけていたら実りも少しは増えただろうに、まったく記憶になかった。知らなんだ(^^;)。


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今読み返すと、なるほど~と感心するということは、昨年何を見聞していたんだ、ということにもなるね。。。記事に登場する「リュスの教育の場所」とは、我々も訪れた「リースのフォレスター学校」のことだろう。

それはともかく、最後に「個人的な将来展望」が興味深かった。

連盟から見ると、スイスで行われている職業教育は、林業の経済性という面をあまりに軽視している、と述べているのだ。外国との競争もあり、合理的な生産という面も必要ではないか、という。

実は、私も視察における今だに溶けぬ疑問として、あれほど丁寧な施業や細かな法律や取り決めの中で林業を行って、しかも人件費が高いスイスで、どうやって採算を合わせているのだろう、という点があった。(補助金もなし!)
基本的には、木材商品を高値で売るという理屈なのだが、安い外国の商品と比べて太刀打ちできるのが不思議であった。

私の訪問時より10年前の記録ではあるが、やはり現場では葛藤があるのね。

もっとも最後には、林業の経営者の主体的な努力が必要で、林業事業体にもっと自由裁量の余地を与えろ、と結ばれている。

この点は、現在の日本の林業経営者および行政関係者にそのまま投げかけたい。

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森と林業と田舎