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森と林業の本

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2013/05/15

国際キヌア年もあった

昨日は「国際水協力年」を紹介したが、実は2013年にはもう一つの国連の決めた国際年がある。

それが、国際キヌア年だ。

キヌアを知っているだろうか。私も、雑穀ということしか知らなかったので調べてみると、

キヌアは、アンデス原産のアカザ科の1年草で、大量に実をつけ収穫できるうえ、栄養価が高い。しかも栽培はマイナス8度から38度まで可能で、湿度も40%~88%まで平気。標高も4000メートル級の高地でも育つ。高塩分濃度土壌や痩せ地でも適応する……というスーパー穀物らしい。

現在は南米6カ国の生産だが、これを認知させて世界中に広めれば食料危機に対応できる……ということで、国連年に選ばれたという。

そういや、先日訪れた京都文化博物館のインカ帝国展でも、この作物の展示があったなあ。マチュピチュでも栽培していたのだろう。トウモロコシに並ぶ新大陸の強力作物だ。(これにトマトやジャガイモ、トウガラシ類を加えたら、農業世界を席巻している。)

キヌアの種類は非常に多いが野性味が強く育ちやすいというから、日本の山野でも育つだろうか。野放図に栽培されたら外来種問題に抵触するが、ひと頃流行ったケナフよりはマシというか、有用な気がする。

日本で雑穀と言えば、アワやヒエだが、主に山間部、焼畑を中心に栽培されてきた。ソバも同じだ。鳥獣害に強いのかどうかはわからないが、山間部でキヌア栽培はどうだろう。

たとえば植林地に木の苗とともに植える。キヌアは1年で1~2メートルにも成長するから苗は草に覆われたように見えるだろうが、収穫する行為が下刈りに相当するか、さもなくても枯れる。ならば下刈りもいらない。

ただ、やはり需要があるのかどうかが問題かな。。。食料不足にあえいでいる国ならともかく、日本ではキワモノ扱い……と言って悪ければ、健康食品とかエスニックな料理の一品程度に見えてしまう。

とはいえ日本でも、わずかに輸入販売されているし、なんとクックパッドにも料理法がアップされているのだから、意外と抵抗なくひろがるかもしれないよ。需要がアワやヒエのレベルでとどまるか、ソバのように広く愛好されるまで需要を高められるか……。

ま、こんな夢想をするのも、国際キヌア年ならでは、だね。

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コメント

キヌアは当然むこうでは食ったことあるんですが
なんというか決定版の食い方ってのがなかった感じで・・・

日本に帰ってからも試行錯誤してそのままフェードアウト(笑)
粟のほうが断然使い勝手がいいです

アンデス、行きましたか。
スープに入れたりほかの穀物と混ぜたり……と、あまり自分を主張しない食べ方の印象です。決してまずいわけではないんでしょうけど。

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