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2013/06/26

CLTは林業界に何をもたらすか

近頃、木材業界で注目を集めているCLT(クロス・ラミナ・ティンバー)。

林野庁も国交省も、日本に導入して木材業の一大革命を、という勢いだ。一部の製材業者も日本CLT協会を設立したとか。なんだか期待の星☆という雰囲気だが……。

ようするに集成材の一種なのだが、張り合わせる板(ラミナ)の繊維方向を90度ずつずらせることで、縦横に強いマテリアルになる。私は、集成材というより合板に近いと思っている。ただ単板(ベニヤ)ではなく、少し厚めの板(ラミナ)を張り合わせてつくるパネルと考えた方がイメージに近いと思う。

Photo


こんな感じ。5層以上にした分厚いパネルである。

写真は、外材だが……。

ヨーロッパでは大流行りで、CLTを使えば5階建て、10階建てのビルも建てられる(すでに建てている)と大はしゃぎだ。しかも材料を選ばない。辺材心材、節あり、なんでもあり。木材利用の歩留りも上がるだろう。もちろん建築資材としても、コンクリートより軽いし加工は楽だし……といろいろ利点はあるらしい。

これを日本に導入して、できればスギ材でもつくれば、国産材の大きな需要を生み出すぞ、というわけだ。ただし、今のところ建築基準法を適用できるようにするとか、JAS認定にするとか、いろいろ課題はある。が、国ののめり込み具合を見ると、遠からずクリアするだろう。

……で、本当にCLTは、アカルイ希望なのか。

建築関係者、そして木材業界の一部の製材関係者は期待するだろう。新世代の構法が広がるかもしれない。しかし、林業関係者にも「これで木材需要が伸びる」と期待する声があるのは理解できない。

落ち着いて考えてもらいたい。CLTの価格はいくらなのか。その原材料としての木材価格はどの程度なのか。そのことに頭を巡らせずに期待する林業関係者は、ちょっと甘すぎる。

もちろん、日本製はまだつくられていないが、作り方や材料の性質を考えれば、合板と似たりよったりの材料で間に合う。つまり価格も合板用のB材価格。これで山に還元できる?

CLTのセミナーでイタリアの関係者の発言らしいが、立米単価2万円にできる、と言ったそうだ。驚異の安さだが、これを材料価格にすると? この当たりの計算は疎いのだが、だいたい10分の1くらいではないか。

つまり1立米2000円! 高くても3000円行くとは思えない。

これでは製紙チップ価格並?

とても、これで出荷する林業家がいるとは思えないが、国産材を使うこからと高くしたら、外国製が入ってくるだけだ。だから、常に国際価格に連動する。

つまり、林業界には何のメリットもない。それどころか価格暴落を誘う可能性大だ。

それだけではない。構造材としてCLTを使った建物は、その上から外装・内装とも化粧する。それが石膏ボードかクロスか新建材か知らないが、少なくても木肌は見えなくなるだろう。それでは木材使用感もあるまい。

しかも建築に大工はいらず、組立式になる。クレーンさえあればOK。大工消滅を後押ししてくれる。いや大工が少ないからCLTを使うのか、CLTを使うから大工が減るのか……。

これで、いいの? と森側からの視点で考える。

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コメント

売れ残っている国産木材を発電用素材として燃やすより、森を愛するわたしは林業感を強く感じる企画です~。

大工消滅流れ圧は、この企画以外のものが圧倒的に大きいと見積もります。

もちろん大工の減少は、別の要素が大きいです。が、CLT構法はさらに職場を奪うでしょうね。
それに売れ残っている木材なんて、あるのか。単価が搬出価格を下回るから出せないのであって、出して売れないケースは少ないと思いますよ。そして搬出価格を上回るには、材価が高くならないといけない。それとも補助金を注ぎ込むか。


ちなみに発電用のチップは、FITのおかげで7000円くらいになりそうだし、山への還元はよいかもしれない。

発電用にチップを利用することにもろ手を挙げて賛成する訳ではないのですが、『林地残材』を利用すると言うのならば、まあまあ肯定的になります。
なんと言っても林地残材の撤去が『森林整備』のスタートてあり、『林業関係各種取り組みへの始まり』だと思いますよ。
関東各地で間伐のハシゴをやっていた時期がありますが、何処へ行ってもとにかく足元は足の踏み場が悪く、作業がし辛いだけでなく、これじゃ『危険』そのもの・・・『伐倒するぞ、逃げろ、ピー(笛の音)』・・・転んだり足元の枝に引っかかったり、藪に隠れて見えない小岩に躓いたりで、思うように避難できない事もしばしばでした。・・・暗い森だとなおさらに危険が増します。

『林地残材を撤去したうえで林業(ボランティア林業も)を論じよ!!』と言いたい。

CLT話題に触れずに投稿してしまいました。(失礼しました)

さて、店閉いセール実施の店に行った時、CLT(確か)材も売っていました。セール価格にビックリしたです。が、利用途がある訳じゃないのでそれは買わず替わりに『赤松テーブルクリア塗装済み=集積材』を求めました。
1500×850(mm)厚みは3cm・・・1,000円にビックリ。家に戻ってじっくり観察した結果『買い得だ!!』と言う訳で直ぐに『買い足し』に行きましたが後の祭り(売り切れっ)。聞けば『定価』は一万円以上だと。
私は思いました→キット仕入れ値は1,000円を切るのだろうな、外材ってこんな感じなんだろうな、国産材は勝てないのだろうな、と。

発電用のチップ7000円の内、水は4000円くらいと見込みます。

乾燥すれば10000円超えるでしょう。

林地残材を使うのは結構なんですが、その搬出費用が引き合うものならば、それなりの高値になります。はたして、それでCLTがつくれるのか?

ホームセンターで売っていたCLTの価格、調べてきてくださいね。原料価格の見当がつく。

>発電用のチップ7000円の内、水は4000円くらいと見込みます。

この計算の意味、わかりません。FITは発電量に対する対価です。水を含んだ木材は価値が下がります。

私も、CLTのネタをアップした後、製材業者さんから”あれ、㎥いくらか知っている?”と質問されました。
その方は3万円ぐらいと言っていましたが。
田中さんのおっしゃる通り原木いくらになるのと言う心配と大工仕事ではないねと言う心配ありますが、一つ新しい用途として需要先を作っていかないと、材が山土場から出ていきません。

こちらでは、発電用のチップ材(林地残材)を同じく立米7000円で購入するとコンサルから話がありました。
生木での価格ですので、その中に含まれる水に払っている金額のことを4000円と言ったのだと思いますよ。

FIT価格は、含水率何%で計算しているのか気になりますが、7000円のうち水代4000円なら、木材価格は3000円ということになりますね。山元で乾燥させたら、その分高値になるかと言えば怪しい。いずれにしろ発電量に対して支払われるので、原料価格を決めるのは発電側でしょう。

材が山土場から出ないのは、材価が安すぎるからではありませんか?
もし立米2000~3000円でよいのなら引き取り手はCLT用に限らずいるのでは。

店の木材売り場は鎖が張られ、立ち入り禁止の標識。数日前の売り場の様子は『跡形も無く』。。。。売り場の専任担当者も居らず、商社マン風の人では「話にならず」、結局『CLT価格』は調べられませんでした。

森林残渣というか所謂森林ゴミを何らかの方式で束ねてそれを(マシンの)ウィンチで引っ張り出しそして当該マシン付属のチッパーでチップ化した後、当該車両で運搬する=特殊車両たるベンツウニモグならば一台で全作業をこなせると思うのですが、、、、?!しかもウニモグは悪路とか雪道とかも走破できるので大それた作業道の敷設が要らないとなればこれは検討に値するのではないでしょうか?!

ご苦労さまでした。そうか、閉店ですか。。。
でも、CLT価格は、高くても3万円程度じゃないかなあ。

ウニモグですか。ファンがいますね(^^;)。機械の性能よりも、林地の面積やら所有権やら、運用コストやらで、なかなか大型機械の導入はむずかしいですね。

これって、例えば材料が国産杉なんかだと、Jパネルと比べて価格、性能などどうなんでしょうかねえ。

スギで作られた商品はまだないと思いますが……。

CLTは林業界に何をもたらすか?
この設問がすでに、間違っていっるのでわ?既存業界が、時代の変化に対応できず、ただ没落を待つ姿の多くの事例(和服和装業界、酒小売店、商店街など)を、皆さん見てきたと思います。 CLTは林業界に何をもたらすかではなく、設問は林業界はCLTを如何に活用できるか?ではないでしょうか?
CLTが材木からなる有力素材でる以上、日本林業復活の素材にできるか否かは、林業界の対応力如何であると思います。
大工に出番ないと、嘆くようでは心もとないです。当然大工も変わらなくていけないこと、言うまでもないことです。と思います。

いやいや単価などどうにでもなるのですよ。

公共事業の大建築に国産木材を使うことが可能になり、
地域振興や治山も兼ねている。

東京オリンピックの諸会場で先鞭をつければ尚可。

公立学校は法律でCLT工法のみにすれば尚可。

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