石の壁の装飾
土日限定で、森や木から離れた話題に触れたが、このまま脱線を続けようかな、と。
先日訪れた、大阪の「綿業会館(日本綿業倶楽部)」ビル。これは昭和初期に建てられたイタリアンルネサンス様式の傑作である。
巨大シャンデリアがぶら下がる。
基本は石と鉄の建物である。
天井の高さが違う部屋をうまく組み合わせて作られた構造は、少しラビリンス的。そこかしこに螺旋階段や鉄の装飾されたエレベーター、微細なグラディーションを描く彩色タイル、華麗なタペストリー……などなど見どころがいっぱい。分厚い木製の壁板や柱もあったのだが、今日は木材のことに触れない(^^;)。
しかし、私が目を引きつけられたのは、地下の食堂の壁である。
大理石の壁。傷や色にブレのないこの石は、なかなか手に入らない逸品である。
この素性を探るだけでも面白そう。
そこにさりげなく模様が描かれる。
これを拡大すると……。
1枚ずつ形が微妙に違う細片を埋め込んである。
細かな手作業であろう。
素材としての石は、「冷たい」印象をもたれて、それこそ森と木のマニア(オタク)からは、木の魅力を語る際の対象事例に扱われやすい。が、このような装飾によって、石は温かみを持ち熱をにじみ出す。手仕事の魅力であろう。
質の高さを見せつけることで、石というマテリアルの価値を引き上げるのだ。
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石好きなもんで・・
http://taimei.cocolog-nifty.com/peru/images/ixy_139.jpg
なんと円礫で舗装してます(水糸張って!)
舗装って言う表現が正しいとすればですけど
ローマへ通じる道って石畳で舗装って言います
なので舗装だとは思うんですが
なにせ一個一個手作業で円礫を置いてはハンマーで叩く
を繰り返す作業
気が遠くなりそうな手間です
これが歩道ならまだしも
車が通る道です
コロイコというボリビアの田舎です
投稿: DT | 2013/06/11 10:36
現代というより、インカ帝国ですね(笑)。
京都のインカ帝国展でも、いかに剃刀1枚通らない石垣を積んだか、の説明をしていましたが、その技術はいまだ継承されていたかな?
投稿: 田中淳夫 | 2013/06/11 21:48